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naki's blog

私の波乗りの歴史_第4編_ハワイ到着_(1812文字)

続編、第4弾です。

私の波乗りの歴史_第3編_バリの波_(2002文字)

 

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ハワイの波に

バリの大波を経験したボクは、

少しでも波のサイズが上がると、

鍛錬の一環として長いサイズのサーフボード、

ミニガンに乗るようになってきた。

このボードをシェイプしてくれたブルーワー・ナガヌマサーボードの下重さんが、

「バリの波に乗っただけで浮かれている君は、

ノースショアと言うところに行きなさい。そうでないとライダーと認めない」

そんなことになった。

大変である。

偶然ホノルルまでの航空券は、

コンテストの副賞でいただいたが、ボクには宿泊する場所すら知らなかった。

そんなとき、

私にウエットスーツをスポンサーしてくれていた岡本さんが、

11月から2月までコンドミニアムを借りているので、

テストライダーたちは、

その『フィットシステムズ・ハウス』に無料で泊まれると聞いた。

ただ、そこでは団体行動が義務づけられていて、

その規律は下手な軍隊よりも厳しく、

ボクのような表面だけのサーファーは、

波にも、そしてその先輩たちにもこってりシメられることだろうと、

下重さんと岡本さんはやけにうれしそうだった。

で、冬の始まりの10月4日に、

そのノースショア用のボードを下重さんに4本も作っていただき、

それらを束ねて成田からホノルルに向かうことになった。

5’10”

6’2″

6’8″

7’6″

全てスラスターのハワイ向けシェイプであった。

2014_naki_9882

ちょうどこの頃、VHSやベータテープという動画再生機が普及し、

横山泰介さんがオーシャングライドに持ってきた

『パフォーマーズ(Performers)』というフィルムに夢中になっていた。

そのピンクフロイドやトーキングヘッズの音楽の中でサーフしている全ての映像はハワイだと知り、

こんな恐ろしい波に立ち向かわなくてはならないのかと、かなり怯みながらも、

2次元映像を逆手に取り、

サンセットの波に対してたった5%ほどの過小評価をすることによって、

「サンセット楽勝。あんなのトロ厚波だ」

経験も確証もないまま変な仮想S字自信は深めていた。

そのイメージがあったので、

ノースショアの最初の波はサンセットと決めていた。

初日は良く晴れた4フィートのオンショア日。

ハワイの4フィートというのは、

日本風に言うと「軽くダブルオーバー」はあった。

10月のアーリーシーズンということもあって、

人があまりいない広いビーチに座り、

他のサーファーたちがどうやってゲッティングアウトしていくか、

カレント流れやうねりの向き、そんな全てを確認していた。

自分にとって最大の長さの7’6″でパドルアウトしたのはいいのだが、

チャンネルを通って、

インサイドセクションまで到着して一息付いていると、

意地悪く入ってきたその日最大のウエストセットを真下で喰らい、

(トリプルオーバーはあっただろうか)

想像の数千倍もの威力と、まるで深海かと思うほどに沈められて、

波底の水圧で耳が痛くなったこともあり、

そんな全ての恐怖心と、自身の無力感で溺れそうになりながら、

なんとか上がって来られたのだが、

しかしそれまで培ってきた大きな自信はこのときに粉砕された。

ほうほうのていで陸まで上がって、広い砂浜でしばらく波を見ていた。

左手に見えるキャミーランドの緩いブレイクでさえも、

ボクにとっては軽く溺れると確信するほどの波の威力がそのときわかった。

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明日の5編に続きます。

【佳境の特大号】私の波乗りの歴史_5編_ノースショアはサーファー神話製作場_(4005文字)

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今日のサンクレメンテは夏日。

波も軽くオーバーヘッドはあった。

冬のような朝だったので、

ブライアン・ミラーたちと震えながらウオーミングアップしてからパドルアウトした。

寒暖の差というのが砂漠気候の特徴で、

おいしいワインを作るための条件であります。

そんな文言を思いだしていた。

IMG_0809

これは夕陽時間。

もうすぐ公開の名作『フォービデン・トリム』で、

準主役となったリノとのハッピーセッション。

ある日の不思議な月光と、波パワーのすごさを感じた亥刻_(1436文字)

このリノは、

満月深夜にサンオノフレ公園内を散歩していたオペラな人です。

IMG_0813

すばらしい夕陽でした。

それではまた明日ここで!

日曜日の今日も、

NAKISURFにお越しくださってありがとうございました。