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naki's blog

【プレミアム・サーフボードマニアへの特大号】COLEダ・クリーチャー完全インプレッション_明日千葉ショールーム横で私フリマやります_(3138文字)

201608_naki_Cole_9727

自分の人生において、

とんでもないボードが登場した。

この起源というか、誕生までの軌跡をさかのぼると、

想像主であるCOLE、彼の次男マイロに行き着く。

少年である彼は、目を輝かせながら父にこう言ったのであろうか。

「あのね、フル・ボンザーボトムと、

コンケイブデッキにレイルチャンネルのサーフボードが欲しいんだ」

いわゆる新旧トレンドの「全部盛り」である。

この数年はコールの体調が悪かったこともあり、

このボードを仕上げるのに季節は何度も過ぎ、

ボードスペックより、マイロが成長しすぎてしまった。

かなり長い間サブシェイプルームのラックに載せられていて、

これを手にしてみると、

「もしかすると私サイズかも?」

そんなことから私用のテストボードとなり、

コールによる最終調整シェイプが施されたのは5月のことでありました。

コールボードの詳細_トレッスルズの行き方_80年前のサーフボード_私の波乗りの歴史_第17編_ロイ・ゴンザレス_(3388文字)

つい先日「ブラックアンドホワイト」という

マット・アーチボルド由来のリミテッドモデルがお披露目されたコール・サーフボード。

Cole非公式モデル”Da Creature”_トーキョーカルチャートbyビームスさんでの個展『ときめきの水平線』開催のお知らせ_(2232文字)

「どのモデルが何を目指しているのかがよくわからない」

という読者も少なからずいらっしゃるだろう。

じつはコールのモデルレンジは、

すっきりと3つのカテゴリーにくくられる。

まずは

HPSやDBS、ライトニングキッカー、ルースキャノン、X10、

ピストルに代表される細身で、

コンケイブの妙と、狭めて付けられたテイルロッカーの「スポーツ」シリーズ。

短いレイルラインでコンパクトな体躯(たいく)に収められた「ミニ」系。

これらはBDシリーズ、レッキン&カーブボールによってコールの代名詞ともなった。

ダイナミックなスタイリングとポテンシャルを与えられたデザインは、

「プレミアム」としてくくられ、

前出したブラックアンドホワイトや隠れ名作であるファイヤーブレードやバズーカ、

プレイングマンティスなどがここに属していて、

スーパーボードカテゴリーにいるあまたのライバルと比較され、

さらには研究され尽くされるデザインとなっている。

そして、そのミニとプレミアムの中間に位置し、

それらデザインを踏襲した「グラスホッパー」系もある。

このカテゴライズは20世紀後半、

初代ファイヤーフライの登場とともに確定し、以降、揺らいだことはない。

時に「ZEN」だの「キャノンボール」とセグメントしづらいモデルもあったが、

これらはグラスホッパーの系譜に属するとみていいだろう。

そしてこの「ダ・クリーチャー」のような“とんでもないモデル”は、

フェラーリでいうところの「スペチアーレ」で、

これはスーパーサーフボードを創るコールにおいては、

周辺への示威として欠かせないものだろう。

COLE新作は龍魔術_CANVASクリスチャン・ワック_(1878文字)

ちなみに今回、

一緒にサーフしたコールマニアにこのデザインのカテゴライズを尋ねてみたが、

この三本柱に納得しているとのことだった。

そしてブラックアンドホワイトを超えるプレミアムを同名義で、

さらにうわさの絶えないブラックアンドホワイトⅡも開発を継続しており、

2017年の上市をもくろんでいるという。

それでもコールが強調するのは、

このプレミアムこそがコール・サーフボードのコア(核)だということだ。

後述する複合デザインに関しても然(しか)りながら、

最も重要なのはそのコンセプトに関してである。

巷間(こうかん)のスーパースポーツと対峙して抜き去る速さを秘めながら、

あくまでコールデザインとしての美観性を達成することが優先され、

運動性能においてもライドコンフォートを犠牲にすることはない。

つまりはアンダーステートメントの象徴としてこのダ・クリーチャーは君臨している。

最新のプレミアムとなるクリーチャーのボトムコントゥアーは、

1970年代に考案されたボンザーボトムと、

複雑なロッカーフォルムで構成されるFB(ファイヤーブレード)アーキテクチャーの最新型で、

あえてカーボンストリップや特殊ストリンガーを使用せずにブランクス素材と、

グラスファイバーの恩恵を活かしたモデルとなっている。

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レイルコンケイブによって、

フロントフットからエントリーロッカーまでの剛性が高められているが、

流行しているカーボンの類いが這(は)いまわることもなく、

骨格設計は今後の発展性もうかがえるスッキリとした印象だ。

フラットからVEEに加え、特殊なボンザーロッカーは、

コールのオリジナルであり、

これらはハンドシェイプ時代を馳せたシェイパーの意地と技能を見せつけているようだ。

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その搭載されていた新設計のフル・ボンザーには、

バンクが付けられ、

レイル側のパネルと相まって、まるでツインボンザーとなっているのも見逃せない。

意匠的な印象とプロファイルは誰が見てもコールシェイプのそれ。

グラスホッパーに比べるとコントラストは強いが、

現代のボードデザインの平均からすれば過激ですらあろう。

一方でそのスタンス側、つまりデッキに深いコンケイブを追加。

スタンスの下が薄く、ボンザーボトムとを混合させた操作性は抜群で、

じつはコンケイブデッキが苦手だった私を驚愕させるほどの安定度と操作性を達成していた。

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各部の計算された溝と角度によって導かれる水流は、

ラウンドスクアッシュテイル・エンドを流れ、

高速域での整流に寄与しつつ、さらにはターンにパンチを与える。

これはテイルのギザギザによる水力的意匠を使用せず、

絶世のプロポーションを保っている大きな理由にもなっている。

今回興味深かったのは、

その生きもののようなグライドパフォーマンス。

まるでアバター世界の中にいるかのような錯覚を起こさせる。

コールシェイプならではのごく低速域からの滑らかさに加えて、

そこから湧き上がるトルクの分厚さ、

そして硬い斜面のトップでの力強さは強烈で、

これまでのモデルとはその速さが完全に一線を画していることがわかる。

これはレイルを短く、つまりダウンサイジングをせずに、

必要な長さを保ったままトルク向上に主眼をおいたというコールの狙いがしっかりと現れている。

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高速ターンの際のドリフト推移やレイルホールドの姿勢変化も一切ない。

つまり、波質が硬くなっても、波が大きくなっても安心してターンができる。

サーフボード業界を取り巻く次世代の後継者が不透明な中、

コールは息子の希望という偶然ながらよくもこのプレミアムにこだわったものだと思う。

造形力というか、

その完成デザインは伝統工芸ですらある。

趣味的な価値観においてコールシェイプの意味合いは徐々に高まっていく。

何もかもが新しいこのダ・クリーチャーの投入で、

コール・シムラーは、

再びハイブランド・シェイプとしてのポジションをしっかりと固めたことだろう。

【お知らせ】

明日、そして日曜日の午後2時より5時頃まで、

千葉ショールーム横倉庫において、

私私物と、弊社デッドストック、

下取り後の商品群を集めたフリーマーケットを開催します。

●千葉ショールーム & オフィス(ニコリン寨)

千葉県長生郡一宮町一ノ宮2777-2

TEL:0475-47-2619

ここではサーフボードが1000円から、

トラベルボードケースも500円からという値段設定です。

パワーバランスのつかみ取りもあるので、

お子さまからマニアまでお楽しみいただけます。

それでは今日もハッピーサーフィングとなりますように!

明日は千葉でお待ちしております。


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