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naki's blog

444に起きた日の大雨と、いきどおり_(3406文字、中編です)

444に起きる。

満月の時は333に起きられていたのに何が違うのだろうか?

と思っていたら家の屋根が壊れるほどの大雨が降ってきた。

ノースハワイはすごいなあ。

また前線か低気圧が接近しているのだろう。

気圧が’下がると体が反応して、

少し重くなるようで、こうして1時間多く寝てしまったり、

あまりやる気がなくなったりもする。

ハワイは冬が雨期なので、

こうして雨を増やしながら季節が変わっていくのですね。

家は山側にあり、麓に行くと晴れていることも多く、

もしかしたら「夜明け虹」が撮れるかも、

と530号線を下っていく。

コロアタウンに着くと雨は途切れたが、重い雲が空一面を覆っていた。

季節はずれの南うねりが入っていて、

こんなブレイクを見せていた。

20091107_White house_V0575

ただ、30分にこれが1、2本だろうか。

2フィート以上の満潮なので、めったにセットがやって来ない。

暗く、風も強いので寒い日だ。

強い雨までまた降ってきた。

車の窓を閉める。

こんな日は鮫が怖いなあ。

そんなことを考えていたら、

バカボンパパと俺たちが呼んでいるジョンがマツダトラックでやってきて、

ワックスも塗らずにボードを抱えて沖に出ていった。

「すごいなぁ。怖くないんだ」

と感心する。

少しして沖を見ると、パパがどこにも見えないので心配になる。

どこを探してもいない。

「こういうときはどうすればいいのか」

と困っていると、

『セントラル』という普段俺たちがサーフしないブレイクのレフトにいた。

「ああよかった」

と安心しながら海を離れ、オフィスに戻ってきて業務をしていた。

8時過ぎに、

NAKISURFステッカーを製作しているカイル鞠黒から

「ビーチハウスがいい波だぞ!ヒュ?!」

とハイテンションの波情報があった。

ノアを連れてビーチハウスに行くと、

2つ隣にあるホワイトハウスがすばらしいブレイクを見せていた。

「ウオー!」

と声を上げながらそのものすごいバレルを見ていると、

ノアは、

「ダダはホワイトハウシュに入ってきていいよ」と言う。

「ノアは行く?インサイドにいれば平気だよ」

と誘うが、

「大きいのが来るから嫌だ」とまっとうに返された。

少し見ていたら、また大きいのが来て、

あれをノアが喰らったら危険だと判断して、

ビーチハウスでカイルと合流した。

ノアは今日の強いカレントで疲れたようで、

「もう次で上がる」

と言い、5分後には岩場に立っていた。

俺も次の波で上がって駐車場に戻ると、

長老フレちゃんのトラックがサビタ号の前に停められていて、

ホワイトハウスを見ると、

ちょうどショルダーからフレちゃんがテイクオフするところだった。

「行ってくれば」

と言ってくれたノアに

「2本だけ乗ってくるね」

と彼のボードをサビタに積み、

「(浜の)ここにいるんだぞ。見えるところにな」

と全速力でパドルアウトし、

フレちゃんと合流した。

「どこにもいないから心配したんだぞ」

と言われ、今朝のパパを思いだしていた。

干いてきて、ほぼすばらしいホワイトハウス波に乗り、

上がる約束の2本目はボトムまで飛ばされて、

つぶされて、それはものすごい圧力を味わった。

波から外れて、両手を使って泳ぎ海面まで出ると、

さらにもう一発が目の前に来ていて、

そのまま海底に引きずりこまれた。

ようやくチャンネルまで避難するが、

リベンジ精神と、アドレナリンが沸いてきたようで、

「もう一回乗ろう」とパドルアウトし、

その急斜面を駆け下りてマンライで岸に向かう。

こういう強い波の時はいつもそうなのだが、

胸をドカドカ叩いていたキングコングの気持ちがよくわかる。

つまりは、そんな誇らしくパワーあふれる気持ちとなって岸に上がった。

波乗りって、こうしてみなぎるような気持ちとなるときがありますね。

浜にもどると、ノアは貝殻と、クリスタルという鉱石を一生懸命採集していた。

乗ったのは3本(2本か)だけだったけど、

生きていることと、

エネルギッシュな気持ちを感じたセッションでした。

家に戻ってランチとする。

ノアはサングラスをしながら調理を見ていて、

「なんでそうしているのか?」

と聞くと、ハネ避けなんだそうで、

子どもって色々と考えますね。

noah cooking

ランチ後、ウッドがガス犬と遊びにきて、

R0013902

フロリダで半年暮らすこととなったから、

このバットフィッシュをまた作って欲しいズラ。

R0013904

と彼のマジック・バットフィッシュのサイズを見せてもらうと、

6’2″x 20-3/4″ x 2-5/8″という大きなサイズに驚く。

R0013905

ウッドは90kgだから、6’2″のバットフィッシュになるんだ。

でもコールも巨漢だからこういうサイズはお得意だったな。

と、コールのことを思った瞬間に彼から電話がかかってきて、

「エスパーみたいだよ」という話をしていました。

そうだ、

「サンディエゴ時代の友人JさんがMIXIでNAKISURFコミュを立ち上げてくれた」

という話を以前書いた。

そしてさっき見に行ってみると、

コールのコミュにこんな書き込みがあった。


「?あまり波には乗れない

日本の中年向けマーケティングで

デザインだけいじって

中身は似たような新製品を

矢継ぎ早に出してますね。

どちらも愛用してましたが、

今やあからさま過ぎる商売に辟易します。

好きなシェイパー、ブランドだったので残念です」

この書き込みをコールがもし読んだらがっかりするだろうな、

と俺も肩を落としてしまった。

.

他のブランドはわからないけど、

コールは世界中のサーファーたちが、

さまざまな波でより楽しくサーフできるようにと、

毎日シェイプルームに閉じこもって真剣にシェイプしている。

要は毎日何本ものボードと長時間向き合っているのです。

将棋でもゲームでも、

(ちょっと違うな)

彫刻でも絵画でもそうだが、

毎日やっていると新しい戦い方とか、

新しい描き方が生まれますよね。

それを形(モデル)にして何がいけないのだろうか?

テイルを換えて違うモデルとしても変化があって、

注文も簡単でとてもいいと思っていたが、

こうして湾曲してとらえられてしまうと、

もう何もできません。。

シェイパーは「これだ!」

とひらめいて、それをモデルとするのって、

生き甲斐なのだと思う。

コンケイブもレイルも、ロッカー、

幅、フィンの位置等々。

全てが日々を通過、または超えて行く上での進化だと思うし、

それが誕生したら俺たちのようなプロから

アイアンズ兄弟のようなトッププロまでがテストして、

それをさらにシェイクダウンしていくのです。

シェイパーも職人であって、

プロフェッショナルですからそれを誇りに感じ、

完成した自慢のモデル名をビールを飲みながら考えて、

奥さんに「こんな名前はどうだろう?」

と家でやって、シェイプ工場に来て、

マネジャーのロボにも聞いて、

みんなを納得させて産み出されたモデル命名だったりしているんだと思う。

マックだって、吉野屋だって、

セブンイレブンだって、

さらには高速道路だってどんどんと新製品を出しているが、

それはユーザーには歓迎されることだと思っていました。

だって、こちらから何も押しつけていないし、

嫌だったら買わなければいい。

オンショアの海、

大きな波も越えていけるサーファーだったらそんな寛容で、

さらには道具に対して幸せな気持ちを持ってもらいたい。

「日本のサーファーだけに」

「限定でここだけのデザイン」

そんな紹介の仕方はしたことがありません。

「曲解なのかなあ」

そんなことをこのMIXIを見ていて思いました。

インターネットって、

ある意味便利だけど、

気持ちが内にこもるときがあるので怖いこともあります。

会ったこともない人に

「あいつは悪人だ」

と決めつけられていることがあります。

「インターネットでサーフボードを売ってはいけない」

と大先輩から怒られることもあります。

どうして悪なのか、

どうしていけないのか?

お会いしていないのでわかりませんが、

こういうことにはあまり深入りしないほうがいいのだろうな。

と感じています。

そんなことよりも、

空や星、海や波、砂浜でごろごろして、

幸せな気持ちになりたいな、

と考えながら今日、今しかない大事な時間をこのオフィスで過ごしています。

20091106_Inaris_Water_T0949

日曜日にもお越しくださってありがとうございます。

止んでいた雨がまた降ってきました。

みなさんは憤ってしまったときはどうされていますか?

インターネット相手だと、

相手の姿が見えないので、余計に深みにはまってしまいますよね。

また明日からがんばろうっと。

ご意見ご感想などは、

shop@nakisurf.comまでお寄せください。