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naki's blog

【パダンパダンもどき】でハイライン・バレル_猛烈オンショアでモトクロスみたいな波乗りと、1500m走のようなゲッティングアウト_憎いテトラ_島のおいしいもの、いでっち風_(4500字、中編です)

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おはようございます。

ようやく西高東低がゆるんできて、

天気が回復し、風が止んできた。

朝陽がとってもきれいでしたよ。

じつはもう奄美を離れ、伊丹空港経由で京都まできているのですが、

弊社サーバーの不具合でブログアップできなかったので、時差が発生しちゃいました。

ご了承下さい。

低気圧通過後の「別荘リーフ」。

すばらしいハイラインのバレルで、

アキラさん、美香ちゃん、D先輩たちと4人だけで楽しませていただきました。

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これはその反対側にある「パダンパダンもどき」。

D先輩が興奮して、

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「あれシーヨロ(よろしい)だなー!ぼっこり掘れちゃっているから、

しっかりレールつかんでさ、かがんでれば(チューブに)入れるべ?」

とご満悦です。

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「チューブを攻めるからさ、HPS(V12)でしょ?」

という先輩。

そして俺は、レンタル用のBD3をショールームから借りてきました。

AVISOのすごいところは、

なんといっても精巧なクローンボードなので、

ノースハワイでも、カリフォルニア、

そしてここ日本でも同じサイズのモデルとフィンセットがあれば、

全く同様のフィーリングでサーフできること。

長老フレちゃんも

「このあいだNAKIが日本に行っているときにボードを借りたんだ。

それがね、自分のAVISOと全く同じ乗り味で驚いたんだな。

シェイプボードだと、指紋みたいに全て感触が違うでしょ。

でも全く同じというのは、もし自分のボードを無くしたり、

壊したりしたときも全く同様なものが手に入るということなんだよな。

本当に時代は変わったな。すごいなあ」

と、しみじみおっしゃるので、

「そうなのです。私が旅先でAVISO BD3を使用しているのはそんな理由もあるのですよ」

とエッヘン的に説明しておきました。

今回は合計三本。

他にはキャッチサーフ7’0″と、BWTを持ってきましたが、

BWTは現在カズミくんが使用中です。

「スーパーさと」で、大好きなデニッシュパン(賞味期限切れですね)と、

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さらには「エブリワン」で焼きたてパンのランチとし、

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国道南下ドライブ中に『逆真会』の【波乗道】のステッカーを貼られた車を発見しました。

うれしいなあ、と名瀬市内までご一緒していると、

この方は消防署に入っていきました。

消防士サーファーなのでしょうか?

ありがとうございます。

押忍!

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国道から少し入り、「電気屋さん前」の波をチェックすると、

猛烈なオンショアながら、乗れる波がブレイクしていた。

先発していた美香ちゃんは

「シマンチュはこんなコンディションはやらないの?」

と言うのだが、どうも湘南で激オンショアのときにサーフしたロア波に思えて仕方がない。

先輩との思い出が蘇り、昔の友だちまで思い出してしまった。

やはりいい波に見える思えるなあ。

と、着替え始めるとカズミくんがBWTを返しにきてくれました。

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「シングルボンザーはどうでしたか?」

と聞くと、

「昨日、スモールビーチで入ったのですが、

バレルを抜けましたよ。

エイジも乗って喜んでました」

と笑顔の報告にこちらもにっこり。

「カズミくん、入る?」

と聞くと、

「入ってもいいんですが、この潮で上がれるかなあ?」

と電気屋さんの方まで歩き、小さな砂浜を確認して、

「よーし、GOしましょうか」

と猛烈オンショアセッションを決意してくれました。

天気も突然悪くなってきた。

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D先輩は、

「こんなのやるの?あのね、俺は50才になったことだし、あんまりやりたくないんだよね」

とおっしゃっていて、この後大雨となったので、

会話が一切なくなって、

慌てて着替えて各自ゲッティングアウトする。

俺が最初にテトラポッドから飛び降りた。

だが、強い向かい風、そして岸、電気屋方向に向かう強烈な流れがあって、

パドリングが全く進まずに少し焦る。

ギャラリーは美香ちゃんとアキラくん、

そして何台かの島サーファーの車も停まっていた。

「進まず、沖に出られずに上がる」だけは避けたく、

遠い距離だが、仕方なく全力パドリングを実行すると、

なんとか前に進み始めた。

岸を見ると、D先輩は電気屋さん手前からパドルアウトしようとしていた。

雨と、数千ものテトラが積み上げられた防波堤の暗い視界に先輩の白いウエットが映えている。

前回同様にアキラさんが写真を撮ってくれていていたので、ここに掲載させていただきます。

アキラさんは名瀬市内の写真屋さんを主宰しております。

ND9のご愛用者でもあるのですよ。

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↑ブレイクの全景。

この手前のテトラ群から飛び込むのだが、

とても危険なので、本当だったらあまり入りたくないブレイクではあります。

↓全力パドリング実行中の俺。

1500m走のように呼吸しながら「えいえい」と漕ぎ続ける。

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オンショア&流れのミックスの感想は、上り坂に向かってパドリングしているようで、

そして、さらにはピークまでは遙かなる距離でした。

でもそのピークがどこだかわからず、

俺の一本目はなぜだかレフト波にテイクオフしてしまった。

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カズミくんがパドルアウトしてきて、

「このへんがピークだと思います」

とローカルならではのお言葉に「ぜひ?!」と二人ラインナップしました。

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↑これは待っている位置が岸寄り過ぎて、沖でブレイクしてしまったところですね。

D先輩はまだ来ない。

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ようやくライトのいい波が入ったので、

「でー!」とテイクオフし、

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下り坂を下るように乗っていき、

マンライ(満足ライディングの略。cオガマさん、カカイさん)となって、

プルアウト後はまたパドリング人生と相成りました。

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波乗り人生苦しいときもあります。

風で飛沫が目に入るので、波が近づくまでは目をつぶり、

座頭市のように1500m走再び。

今度は800m走程度か。

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カズミくんもいい波に乗り、

さすが、さすがの美しいターンを斜面に描いていました。

沖で話していたときに

「まるでモトクロスみたいな波乗りですね」

と言うので、その通りだなあ、と彼の言葉を讃えて、

本日のタイトルに採用したのですよ。

「(D先輩は)どこに行っちゃったんだろう?」

と心配していると、

カズミくんが

「車に戻ってますね。ドアが開いています」

と聞き安心する。

さっきの自分のゲッティングアウト状態を受けて、

「こんなテトラだらけの場所で滑ったらとても危険だよな」

色々と怖く、危険なことを想像していた。

先輩と一緒にサーフできないのは残念だけど、

「この1500m走みたいなゲッティングアウトはあんまりオススメできない」

と、先輩との超オンショア、懐かしロアみたいなオモシロセッションをあきらめた。

カズミくんもいい波にテイクオフ。

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すばらしいターンと、パワフルなカービングにうっとりとする。

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「電気屋さん前」のピークはこんな感じで、きっとこの下には岩棚があって、

それはまるでホワイトハウスのようだった。

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風があるので、コブと凸凹がすごく、

一度ボトムターンしていたら横から腰くらいの高さの小さいうねりに持ち上げられて、

レイルが切り替わり、進行方向が変わるほどでした。

でもこうして島の友人カズミくんと、サーフィンを通して交流できるのはすばらしいことだなあ。

と言葉少ないセッションを満喫しました。

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BWTのテイクオフはあいかわらず早く速く、

これはピークがわからず、結局その後からテイクオフして、

サンセットみたいな緩い斜面を走っているところです。

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「全身ドライビングマシーン」

とキャッチコピーが沸いてきたほど、

魚のように前に前へ走り、滑るサーフボード。

カットバックもこんな平らな斜面を、

さらには凸凹を通過しながら

「バシュドシュ・バシュー!」とフィンが音を立てながら加速していきました。

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「BWT大好き?!」

と気が乗ってきて、辛い800m走も楽しくなってきたが、

肩が焼けるように熱くなってきたのと、

飛沫潮水で、目が猛烈に痛くなってきたので、

カズミくんに「そろそろ上がりますね」

と伝えて次の波で上がる。

インサイドまで来て、テトラをよじ登ろうとしたが、

満潮と、あまりの流れの速さにそんなことは不可能で、

「大けが覚悟で上がらなくては戻れない事態」となっていた。

そこで、入る前に確認した「小さな浜があった場所」まで流れていき、

その一瞬のタイミングを獲得してテトラに飛び乗った。

今、そのことを思い返すととても危険だった。

今度はそのテトラ群によじ登るのだが、

頂上には国道脇にそびえた高い防波堤があり、

テトラとの距離が1mほど空いていて、

下を見ると、3mから5mもの高さで、

もし防波堤までしっかりとジャンプできないと、大けがをしてしまう状況だった。

折りからの強風なので、風を読みながら、

カズミくんの左手を支えとしてなんとか飛び乗った。

ふー。

車に戻ると、なんと先輩は頭を血だらけの布で押さえていた。

風にあおられてテトラポッドに激突したと言う。

サーフィン歴35年の大先輩までも怪我してしまうのだから危険なブレイクなのです。

でもここで悔しいのが「波が危険」なのではなく、

この海と、浜に設置された膨大な数の人工物。

そしてその影響で猛烈に発生している激流。

そんなことで怪我してしまうのが悔しく、残念ではありました。

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先輩を病院にお連れして車内で待っている間、

「これからはできる限り単独でサーフするのは止めよう」

と感じていた。

カズミくんもいたのだから、お互いに確認し合いながらゲッティングアウトすればさらに安心でした。

④本来の波乗り後の予定は、

【先輩】市内観光&ディナー

【俺】大浜のタラソ・テラピー&夕食なし

だったのだが、

「ゲン直しにおいしいものを食べようぜ!」

という先輩の提案で、名瀬市内の「いでっち・ば」に行くこととなった。

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「食の天才いでっち」が最初に作ってくれたのは、

「しめさばと洋梨の鳩浜風マリネ」

オリーブオイルとバルサミコをふりかけてあって、

そのおいしさと新味にうっとり。

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元関取で、横綱朝青龍の先輩。

「お水を一日5リットルは摂ります。

暑いので、ウエットはもし着るとしてもタッパーだけなんですよ」

とフルスーツの俺たちに言い放つ超健康体のグッドサーファー&鉄人シェフです。

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さらには『ニセマツタケとからすみのフェデリーニ Fedelini alle Ide N-matsutake Bottarga』

という今年は島で超豊作という限定キノコのパスタを長崎風でいただきました。

「おいしいものを食べて運気を上げる」ということは昔からあることで、

これによって幸運となった先輩は、帰り路に寄ったエブリワンのくじ引きで

なんとなんと「柿ピー」を当ててご満悦。

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「本当だったらさ、病院なんか行かないで、

アロン(アルファ)でくっつけちゃうんだけど?、

頭の後じゃ見えないから仕方ねえよな」

と、激しいことをおっしゃりながら夜の国道を北上し、

お宿グリーンヒルに戻っていったのでした。

と、ここまで一気に書いて文字数を見たら4400字もあってびっくり。

原稿用紙にびっしり書いて11枚。

改行をいれたらそれ以上ですね。

暖かくして過ごしましょう。

これから弊社京都新オフィスを見てきます。

紅葉がきれいで、日本の秋を感じています。

修学旅行生徒があふれる窓の外を見ながらこたつやストーブのことを考えていました。