The Dragon’s Country
Tebiro Beach, Amami Oshima
2018 December
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これは朝陽。
とすると、砂浜にうっすらと付いた紋様は、
夜明け前に付けられたものだろう。
干潮に向かうので、
これから波はゆっくりと沖側に戻っていく。
そして、またこちら陸側にやってきて、
夜明け頃に付けた模様を消し、
そしてまた新しく砂の上に絵を描く。
その繰り返しが何億年も続いているのだろう。
年末進行だったBlue誌の稿に、
その巻頭コラムにとても思想的な文章を寄せてみた。
戸井田編集長には、
「いかがでしょうか?NGなら他の二編があります」
というメールを添えて送ると、
「今回は3回読みました」とあり、
このまま掲載ということになった。
なので、そんなことが世にでるのがうれしく、
すばらしい12月17日となった。
Blue誌のお正月号をお待ちください。
内容は四国青龍寺から龍が立ち昇り、
ここ奄美大島まで来ると、
その龍を自分が連れていたようで、
ここが竜の故郷だったと、
安とか、友という言葉を得て、
ちょっぴり遠回りしてしまった自分の人生がひとつの輪となって結んだ。
Tyler Warren’s Big Dream Fish 6’7″
at The President Cape, Amami
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これは東シナ海のモノスゴ岬。
ブレイクがあまりにも遠すぎて、
陸から見たらフラットだったのだが、
400m沖に岩があり、
時折そこに白波が続いていたので、
「ログなら」と思ったのだが、
あいにくログは積んでいなかったので、
タイラーフィッシュでパドルアウトして得たかけがえのない波。
膝波なのにゆうに50mは続き、
セットで膝波だったが、
しかもたまーにしかやってこない貴重波にテイクオフすると、
ショルダーは20mくらい伸びている。
そのままウネウネと、
クネクネと乗っていくと、
かなり向こうの岬から斜めに跳ね返ってきたうねりがやってきて、
その20m程度の有効距離の乗っている膝波に合わさると、
腰波に格上げされて、
波肩は30mくらいに延伸し、
さらには100mも乗れた波がやってきた。
以前にもこんなことがあったが、
あのときはオーバーヘッドもあったので、
目の前に迫り、
重なって倍増したのは腰サイズではなく、
二階建てのうねりだった。
その狂喜のようなセクションを抜けると、
今度は三階建てへというように徐々に大きくなるという、
不思議な波を思い出した。
(英語ではGrowing Waveと言います)
あれはここだったのか。
その時に一緒にサーフしたのが竜くんで、
さらにもう一人緑くんがいたからグリーン・ドラゴンだったと、
その20年近く前の記憶が今結実した。
そんなことを知るのに20年もかかったわけだが、
この長い「とき」の中では、
瞬きすらにならない時間だろう。
奄美大島にいると、
ーー屋久島や四国の横浪半島、カウアイにいたときもそうだったがーー
神話が神話ではなく、実話に感じられるほどの輪郭と、
そしてその力を感じる。
そして私はここのこの波をグリーンドラゴンと名付け、
グーグルマップの衛星画像を見ている。
そこでわかったのは、
ここにもし大波が届くと、
地形的には1400mも乗れるプレミアムな岬だった。
もしそうなるとすると、
海流がすごいので、
ジェットスキーがないと戻れず、
もっと言うと、
きっと誰もゲッティングアウトできないので、
そうなってくるとユウセイさんとか、
シェーン・ドリアンやカイ・レニーたちが活躍するだろう。
そんな神話が創られる日のことを想像していたら、
突然晴れてきた。
Have a great day!!
◎