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【テクニック編】波の最後まで乗るライディング距離の重要性byトム・カレン_(2600文字)

酉年だということなのか、最近やたらと鳥に気づく。

NAKISURFのマスコットも鳥だし、そう考えると気分が上がる。

昨夜ーー今もだが、ものすごい北風となり、

天気図を見ると、沿岸を巨大な低気圧がちょうど抜けていくところだった。

雨だったが、夜明け頃に一度止んだので波を見に行くと、

ものすごいクロスオフショア。

北北東の風だろうか、20mくらい吹き荒れていて、

車のドアを開けた途端、猛烈な冷気が入り込んできた。

サイズはそこまでないのだが、

強いうねりのようで、ファーストブレイクはご覧のようにかなり沖だった。

中央左側の白い点みたいなのがファーストブレイクで、

目測だと1kmアウトサイドといったところだろう。

ハワイも荒れるとこのようになるので、少し懐かしい。

これだけ水が動くと下は黒砂。

また地形が決まっていく。

これから晴れるそうなので、勝浦方面、千葉南が良さそう。

鴨川のデューク川井幹雄さんは今日どこでサーフされるのだろうか?

そんなことが気になった。

私たちは午前中業務をして、午後から勝浦方面をチェックしてみます。

湾の中の小波でフィンレスも楽しそう。

これはポルトガルだろうか。

きっと先日のWSL Big Wave Tourからのだろうが、

これほどまでのオフショアに巨大なうねりをホールドする地形。

そして波面がカタパルト状になり、

風力を倍増させることでこんな画になるのだろう。

世界は広い。

COLEの2017モデル、

そしてオールラウンダーの『サンカラ/Sankara』

コンピューターカットでのアウトラインも完成したようで、

そろそろ本シェイプとなりそう。

昨日も登場してくれたJPSAグランドチャンピオンx2の田中英義さんと、

三蔵法師ことYoheyさんとも話したのが、ハンドシェイプのこと。

「昔はハンドシェイプがすごいと言われていたけど、

今は一度コンピューターでカットしてくれた方が完璧だし、

そしてそこから誰がシェイプするかでボード性能が変わってくる」

「なぜ昔はハンドシェイプが偉大で、マシンカットが陳腐とされていたのだろうか?」

「きっとそれはマーケティングの一環で、そう伝えることで旧来のやり方を守っていたのだろう」

「ただ、気をつけなくてはならないのは、マシンカットだけだと、第三国で製造できるということ」

そんなことが現在わかっていること。

少し前にこんなことを書いてみました。

これもCOLEの話題からでしたね。

インディーの粋コール・シムラー2016_春分の日まで90日_(3001文字)

思うにサーフボードは過渡期を迎えていて、

ユーザーは何を乗っていいのかわからずに適正、

メジャーと盲目的にプロ仕様のサーフボードを求めているのだと感じる。

車やモーターサイクル等ならそれでいいのだろうけど、

波に乗るのはとにかくパドリング性能。

とにかく浮力が足りないサーファーが多い。

プロ選手、またはプロ候補以外では、

ざっと見ただけで9割以上のサーファーのボードが小さい。

なので、スープになるとすぐにキックアウトし、

次のセクションには進まずにラインナップに戻っていく。

そうすることによって、

ラインナップは常にサーファーたちがウエィティングし、

つまり混雑するので、お互いの波に乗れる本数が減り、

さらにはライディング距離も出ずに浮いている時間が多いのでパドリング力も高まらない。

せっかくサーフしにきても実際には、

「ちょっぴりサーフ」して帰るということになっているのだろう。

それに慣れてしまうと、

または周りのサーファーがそうだと「ちょっぴり」ではなく、

「しっかり」だと感じてしまっていることが怖い。

「長く波に乗りなさい」

「パドリングポジションとなるようにキックアウトして、1本の波を終えよ」

 

これはかのトム・カレン大師範がSURFER誌の

『上達するためのメソッド』で伝えたことで、

波の最後まで乗ることで、途中のセクションをつないでいく難しさ、

そして楽しさ、ショアブレイク付近のボードさばきが常に学べ、

さらにはライディング距離も出ることによってパドリング能力が高まり、

それは大波、強波、

海外の良波に対した際にその絶大なる効力が発揮される。

やはりグレイトサーファーは、基本を大切にしている。

きっと適正ボードでいくら小手先のテクニックを学んで、

この技ができる、あれもできるとやったところで、

サーファーの資質は波に乗ることなので、

グレイトサーフを目の前にして、

パドリングで疲れてしまいテイクオフもままならないのだったら悲しいし、

でもその理由となるのが、

現在の「適正=浮力がないボード」の事実だろう。

またこうして書くと、各方面から文句を言われるのだろうが、

それを承知で書きました。

友人のボードでいいので、浮力があるボードに乗ってください。

ダックダイブ(ドルフィンスルー)ができなくても沖には出られますし、

そんなときは波周りの流れを読むことで解決するので、

サーファーとしての技量も上がるのです。

ダックダイブと細かな操作性(浮力がないボードは足の指を押すだけでターンぽくなる)

を得ることで犠牲にしているのは、

自分の大切で楽しいサーフ時間ですよ、ということをここに書きました。

楽しんでサーフするのをハッピーサーフと言いましたが、

よくユーザーから

「私は波にはあまり乗れませんが、沖に出て、ずっと浮かんでハッピーサーフしています」

というお便りをいただきます。

しかし、ハッピーサーフは波にしっかりと、自発的にきちんと乗れて、

海を感じ、そして安全に楽しめることがハッピーサーフの基本です。

浮いているだけでは、サーフィングではなく、ハッピーフロートです。

浮くのは釣りのとき、フローターを使ってもできます。

こんなことに気づいて、

より多くの人にハッピーサーフ思想を感じていただけたらうれしいです。

外はまだ嵐模様ですが、これからも楽しく、安全にサーフを楽しんでください。

KEEP ON HAPPY SURFING!!


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