飛ぶ矢のパラドックス
そんな概念のことを考えていた。
飛ぶ矢のパラドックスとは、
「時間を無限に分割すると、一瞬が永遠になる」
というものだ。
ちょうど名店シンブン連載の締め切りだったので、
このパラドックスを解体して執筆した。
結果、
1985年のハードボイルド・ワンダーランド博士が、
「思念は時間を無限に分解して永遠になり、
肉体は死んでも思念は永遠の一瞬に留まる」
という論法で現代の前田博士と、
サーフボード論理で相対するプロローグ(prologue)となった。
でもこれを佐野編集長(OFF SEASON)は気に入ってくれるだろうか?
勝手に脱稿後、
海に行くと、
台風5号由来の南風がまだ強く吹いていた。
1m@7〜8秒東南東だと鹿島港のナウファスは伝える。
水温は27℃から21℃まで下がった。

短時間ならトランクスでできるが、
ウェットスーツが必要となった。
予測としては、
明日にはもっと下がって10℃台になるだろう。
昨日もこのことを書いたな。
関東地方の太平洋側は、
南風が長時間強く吹くと、
地球自転によるコリオリの力と同じ向きの海流が発生し、
深場の海水と沿岸の海水が入れ替わって冷水になる。

この海水が入れ替わる現象が、
(沿岸)湧昇流(ゆうしょうりゅう)だ。
わかりやすくするために華厳さんが図版としてくれた。
最近乗っているのが、
このレバレッジ・フィッシュ。
私もそうだが、
試乗した人が口を揃えてマジックボードだと言うので、
ぜひ試乗してください。(*要予約)
レバリッジとは、
新用語なので誰もおぼえないが、
「てこ」という意味で、
「より少ない力でターンができる」
そんな新概念のミッドフィッシュだ。
6’634”x21-1/2″ x 2-3/4″というスペックは、
体積43.26Lをたたきだすが、
乗り味は30Lというのが特徴の、
軽快かつパワフルなフィッシュ。
ちなみにブライト・ロマンチカは、
マジックボードのクローンと、
殿堂入りボードの再販の二刀流として誕生したサーフボードブランドであり、
コスモス・サーフボードの弟分にあたるグレードだ。
書き終えると、
小豆島産の醤(ひしお)トマトをいただいたので、
カルディのブラータと合わせてみた。
小豆島からはるばるやってきたこのフルティカ種の逸品トマトは、
甘いだけでなく旨味満載だが、
その丸みを強調すべくブラータが拡張し、
少し辛いオリーブオイル(これも小豆島産)と、
五島列島の塩が輪郭を引き締める。
味覚の余韻に向けて炭酸飲料をグビリとやると、
神学と哲学が混ざり合い、
想像力が原点回帰したようになった。
□
【巻末リンク:ブライト・ロマンチカ考】
【サーフィン研究所】コスモス・クラシック_レバレッジ・フィッシュのフィン位置_ブライト・ロマンチカ完売のお礼とお詫び_(1089文字)
【巻末リンク*2:名店シンブン発行を称えて】
【巻末リンク*3:名店オヤブンのりゅうちゃん】

◎