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【サーフィン研究所】オーシャン・フォー・エブリバディ(海はみんなのもの)_(2060文字)

「雨水(うすい。立春の次。春一番)」が過ぎた。

これは「農作業の準備をしなさい」という合図であり、

二四節季のひとつ、

立春から15日後である。

サーフィンについて考えた。

基本は、

海があって、

そこに人が挑む偉大なる遊びだ。

私たちはこれで心身を錬磨している。

(心身=知性、健常精神と肉体)

または波にのることで、

その真髄を極める修行だとも思う。

こうした修行では、

伝統的なやり方だと、

特定の師について全人格的に学ぶことである。

文字通り師の家の門をくぐり、

弟子となって、

子のように疑いもなく学び始めることであった。

私の場合は、

横山泰介さんだ。

親となる師は、

弟子に当該分野に関するある程度の知識や経験、

そして常識を要求することが多い。

「弟子=初心者」とはならない場合が多い。

その代わりに初心者は、

師範がいないので、

許しも門もないのですぐに誰でも入れる。

ここに多くのサーファーたちは違和感を抱いていると気づいた。

なぜならばサーフィンをするのに、

やたらと規制するサーフ・ブレイクも多い。

車はここに停めなさいから始まり、

駐車場は私語禁止、

できれば笑顔もNGで、

彼らの決めたやり方で真剣にやらねばならず、

他者と似た道具でなかったり、

見ない顔だと、

最下層とされるあれだ。

ある日というか、

しょっちゅうのことだが、

自称サーフ・ブレイク上層の人に

「どうしてこういう規則事をするのですか?」

そう聞いてみた。

たいていは、

「ここには、たまにマナーが悪い人が来るから」

そう返ってくる。

本当にそんなことを怖がっているのであるのか、

または違う理由を言えず、

こんな言葉を見つけてきて、

その理由(自分たちだけが楽しみたい)

というのを上塗りしているのではあるまいか。

そんなことに気づいた。

似たような話で、

昨年の話だが、

関空から鹿児島にLCCで飛んだ。

航空機内はガラガラだったので、

喜んで席を移ると、

乗務員がさっと飛んできて、

「お客さま、飛行機のバランスが崩れて危険でございます」

そんなことを言う。

新島行きの5人乗りの飛行機ならわかるけど、

どうしてそんなことを言うのか聞きたかったが、

面倒なので黙っていた。

そう言えば、

以前、

西湘のNickちゃんもこのことについておっしゃっていた。

「まいったよ〜。席を移ってはいけませんって言うじゃんよ」Nickちゃん

「それでどうしたのですか?」私

「こう言ってやったさ。あなたは、そんなことを言うけど、

そんなにこの大型旅客機というのは微妙なのですか?」

「それでそれで」

「したらさ、そいつ(男らしい)はそうですと言い張るから、

じゃあ、トイレに行くのも危ないんじゃないですか?」

「!」

「そう言ってやったわけよ」

「その通りですね」

「やりすぎだよ。客は動くなということでしょ」

「そうです」

「どうせガラガラで100人乗りが8人しか乗っていないんだぜ」

「やりすぎです」

「世の中こんなのばっか。みんな何も考えていない。

空いているときのサービスだと思えばさ、みんなハッピーなのにね!」

「本当にそう思います!」

そのブレイクに話を戻すと、

いつかやってくるならず者のために、

来る人たちを厳しく律しているのだと言うけど、

絶対に違う気がしている。

だって、

街で飲食しているときは、

ここをこう歩けとか、

地元優先だから出ろとか、

これを飲まないと怒られるとか、

入ってはだめだと言われたことはない。

今まで、

各地で諍いを見ているが、

たいていは、

当事者自身が特権階級であるとの誇示だ。

よって言いがかりである。

しかもその多くは勝手なる誇示、

見せしめであるので、

たいていは弱い者や見ない顔がその相手となる。

ローカル・サーファーは、

主婦の公園デビューみたいなことをしていていいのか?

私たちは、

波の機敏を知り、

それを極めようとしている。

上位には、

ケリー・スレーターがいて、

トム・カレン、

ジェリー・ロペスもいる世界だ。

「極めると、禅となる」

ジェリー・ロペスが言いそうな言葉であるが、

禅の茶道では、

「稽古を行うことを許可する」

という許状を得て、

初めて稽古を受けることが許されるという。

サーフィンでもこんな許状があればいいのだろうか。

逆を言うと、

どんなにサーフィンができなくても、

この許状を示せば、

世界的なブレイクでサーフできるようになるのだろうか?

またはみんな蟻や奴隷みたいに、

上(誰が決めてもいない)に言われたことを

黙ってやっていたらいいのだろうか。

そんなことを考えながら土佐市のハレタに行くと、

グレイトサーファーのアンジェロが笑顔でやってきた。

彼とこのことについて話すと、

「時折変な考え方の人がいます」

小声でそう教えてくれた。

続けて、

今度は声高に

「オーシャン・フォー・エブリバディ

(海はみんなのもの)」

そう当たり前のことを教えてくれた。

彼の奥さんのクミさんが、

誕生したてのメイちゃんを連れてやってきた。

正しい考えの人は、

美しいものに囲まれていると再確認した日。

Please Happy Surfing!!