【サーフィン研究所特大渾身号】ムーティのTheOnePureの衝撃と感動_霧中タマサキの493フィート_ミズモリさんのグランド・ブダペスト観とは?_(2608文字)

サーフィンという遊びには、

こんなにもたくさんが詰まっているのだとわかった。

私たちは、

濃霧で覆われて姿が見えなかった波に敬意を払ったが、

それだけでは霧が蒸発することはなかった。

ただ昨日の猛暑関係の主である*太陽が快晴状態までやってくれた。

(Sun、太陽系の重力の要因。

扁平率0.01 %以下の巨大球体。地球の33.3万倍の質量を持つ恒星)

9時頃から視界は徐々に開け始めた。

ちなみに早朝のタマサキ海岸エリアは視程10m以下だっただろうか。

サーフブレイク付近に岩や堤防があり、

もし他者がサーフしていると考えると、

海遊びというよりは、

「煙のなかの探査」

という状態になるので危険だ。

なぜこんな文体なのかというと、

ウェス・アンダーソンの新作レビューを読んでいたせいだ。

「(ワックスは)裏まで塗らないとな」

マット・アーチボルドが教えてくれた言葉がいつも蘇る。

「ワックスをスタンスあたりにしか塗っていない奴は、

クーク(KOOK)だから気をつけろ」

これはカリフォルニアやハワイ、

そしてオーストラリアのサーファーたちから同じように聞いた。

この背景には、

サーフィンの流儀=ワイプアウトしない

 

ということがある。

もしワイプアウトしたとしても、

決してボードは手から放さないという所作がある。

これはいわば波乗道への決意表明であり、

真の波乗りへ向けて準備というということだ。

私も全面に塗る。

塗ると、

気がみなぎってきて、

一切ワイプアウトしない気がしてくる。

これは、

競技者がやるおまじないかもしれないし、

でも私の知っているグッドサーファーは、

全員がワックス全面型だ。

さて、

長野小谷村から名医であり、

グレイトなスノーボーダーのムーティがタマサキにやってきた。

前回完成したTheOne Pure78(234cm)の初乗り日だった。

月曜日なので、

総料理長の愛弟子である涼くんたちが来ていて、

みんなTheOne Pureに興味しんしんであった。

パドルアウトすると、

霧が晴れてきて、

霞の向こうから1m9秒という東北東うねりがやってくる。

それは長い壁となり、

ずっとその形を保って、

アナコンダで護岸修理をするユンボを越えていくほどの波だった。

私はジョウブツ、

つまりフィンが砂に付くまで乗り、

ボードを持ってエンジェルス・スタジアムでの、

493フィート(150m)という距離を思い浮かべていた。

サーファーは少なく、

例えば消防の古賀さんがいて、

あとは数名が見えるだけだった。

このタマサキ・アナコンダの地形は、

南東うねりだとライトが良くなり、

東北東だとレフトだと想像していた。

だが実際は、

上記したようにライトが長く、

レフトはそこまでではないが、

正確に書いておくと、

前述した古賀さんは、

レフトで470フィート(143m)超えをかっ飛ばした。

しかも最終セクションはスイッチスタンスでジョウブツまで持っていったので、

互いに喜びあった。

(霧で)サーフ前にきちんと波チェックできなかったので、

こんな驚きをラインナップで感じたことを記録しておく。

そのムーティはTheOne Pureのポテンシャルを思い知ったようだ。

「いくら踏んでもレッドゾーンにならないので、

(自分が鍛錬して)

さらに踏めたらとんでもないことになります!」

そう報告してくれつつ、

先ほど成田からスリランカへ向かって飛び立っていった。

スポーツカーのように性能底なしでしょう?

そんな風に聞いてみると、

まさにそんな感じです!

足回りとエンジンがすごいですと、

ムーティが再び感動していると、

涼くんとヒナちゃんが人生最高の波にそれぞれ乗った。

大興奮しながらアテンドを終了し、

NAKISURFをオープンするころになると、

海で冷やした体も暑くなってきた。

東京は35度超えの猛暑日ですと、

ゲストのお一人がラジオで言っていましたと教えてくれた。

本日も多くのゲストに恵まれ、

今日も正しいワックスの塗り方を実演し、

日没前にはワンタンメン視界を獲得した。

すばらしかった493フィート波のことを思い出した。

photo by @new610k

この画像を撮った瞬間、

ウエス・アンダーソン作品のマーゴット・テネンバウムの演劇、

スティーヴ・ズィスーのドキュメンタリーというシーンが蘇った。

それは、

昨日ここに巻末ポストした博士の、

エンスーラボ内シェイプ・ルーム映像でバックグラウンドにもつながる。

あの40秒動画に流れるのが、

ベラフォンテ号上でのスティーヴ・ズィスーのことなのだ。

食事のとき、

ウェス・アンダーソンだったり、

新作のフェニキアという舞台のことを話したかったが、

前述した最高の波でかなり疲れていたのと、

話が密に入りそうだったので自粛した。

いま思うと、

それは最良の策だったのかもしれない。

ミズモリさんで知られる食堂は出前や予約に忙しく、

やっているのは稀な名店だ。

またここは、

昭和味を完璧に残すタマサキ食文化のひとつのカテゴリーの象徴だ。

今回の水守展は、

ワンタンや伊達巻、

そして時間をかけて抽出された鶏スープの風味が溢れかえった。

先月のことだが、

ミズモリさんのレビューを広報かわら版に向けて書いたものがある。

ここに一部を引用する。

—————–

『ミズモリ・ショクドーの昭和観』

by naki

ミズモリ作品に対する評価を、

レファレンダム(国民投票)にしてしまうのは避けられないことかもしれない。

そこで展開される昭和味を列挙し、

順位を付け、

比較を誘っても意味がないだろう。

たとえば、

五目ワンタンメンは、

まるでギーク(オタク、コレクター)たちの棚に並べられた収集物のように、

互いに関連して存在しているものだが、

結局は箸によって並べ替えられたり、

沈められたり、

麺と一緒に食べて再評価されるものだ。

決して、

プラスティック製のオタマのチープなビジュアルによって評価されるものではない。

あるいはミズモリさんの特徴であるお母さんのセリフや、

わりと最新型のTVに昭和感が損なわれるといったファンも少なくないが、

そのような人々にとっては、

結局はトレンドが過ぎれば、

つまらないものとして見放されてしまうので特に注意を払うべきではない。

(後略)

【巻末リンク:総料理長と水守食堂さんの関係性】

【サーフィン研究所渾身号】総料理長と世界一の次世代パティシエがタマサキ・エックスに登場!!_前菜の魔術師青木少年も!!_(1675文字)

【巻末リンク*2:本日の真意とは?】

【サーフィン研究所】ほぼ真夏日の南東うねり_The Grand Budapest Hotel / Wes Anderson_グランド・ブダペスト・ホテル / ウェス・アンダーソン_(1260文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyles!!

上部へスクロール