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【ドラゴン・グライド・プロダクションズ:世界サーフ文学館】『サーフ王さま』byじろう_(1675文字)

昨日の続きです。

じろうくんが書いてくれた物語を、

大人でも読みやすくしてお届けします。

ドラグラ・プロダクションズによる加筆、

特に後半は、

ブラックユーモアが入っていますのでご用心を。

コロナ騒動の反動というか、

町長がやり玉にあげられています。

どの町長かは、

みなさんでご想像ください。

では、

本日の真打ちでございます。

『サーフ王さま』

原作:宮沢二郎くん(小学3年生)

編集:華厳&ドラグラ有志でお贈りします。

サーフ王さま

じろうじろうじろう

ある国に、

サーフィンが大好きな王さまがいました。

王さまは、

いい波に乗るために、

自分のお金を全部使ってしまいます。

海に行くと、

駐車場を買い取ったり、

海の町長さんに取り入ってジシュクさせたりして、

波をひとりじめしてサーフィンをしていました。

ある日のことです。

王さまの国に、

二人の男がやってきて、

「私たちは、世界で一番良い波のところを知っています」

そう王さまに伝えてくださいと言いました。

このことが王さまの耳に届くとすぐに、

「私をそこに連れていきなさい。お金はたんまり払う」と、

男たちに命令しました。

男たちは、

「かしこまりました。でも」

「でも?」

そう王さまが聞きかえすと、

男たちは口を揃えてこう言いました。

「その波は、下手なサーファーには見えないのです」

「そんなことはわかる。私は上手だ。

国で1番上手なのは私であるのだからね」

「わかりました。それではお連れいたしますが、

そこの場所がわかってしまうと、

次から王さまからお金がもらえなくなるので、

見えない方法で行きますが、それでよろしいですか?」

「もちろんじゃ」

王さまは自信たっぷりに言いました。

男たちはカモツ車を持ってきました。

これなら本当に中から外が見えません。

王さまは、

お気に入りのサーフボードをたくさんつんで、

たくさんの食べものと一緒に乗り込みました。

男たちの車は走りはじめました。

本当はそんな波などはありません。

ずっとずっと走って行くと、

夜が来て、

朝になって、

また夜になって、

また明るくなる頃に海につきました。

ここはじつは海ではなく湖なのですが、

王さまは海だと思っています。

「世界一の波です!どうでしょうか?」

「ばかを言いなさい。波は何も見えないではないか。

これはフラットと言うのじゃ」

「いえいえ、王さまは何も見えてはおりません」

「!?」

「”この波は、下手には見えません”

そうお伝えしたではありませんか」

「そうじゃったな!

そういえばきれいな波がきとるではないか」

「そうです。しかもこの波に乗るには、

この地に代々伝わる水守食堂のワンタン麺を食べないと、

流されてしまいます。出前をしてもらいましょう」

「そうじゃな。腹がへっては戦ができぬというからな」

「そうです。サーフボードに貼りつける護摩札も必要です」

そんなことを言いながら、

男たちは王さまから、

どんどんお金を集めました。

「波はどんどん良くなっている」

男たちは、そう話しています。

それを聞いた王さまは、

いてもたってもいられなくなって、

「もう私はパドルアウトするから」

そう言って湖の上をパドリングすると、

男たちは、

車に戻ってエンジンをかけていなくなってしまいました。

王さまが集めていたたくさんのサーフボードは、

『リサイクルエース大原店』に売られてしまい、

その内の1本をツナクンさんが、

バス釣りで稼いだお金で買って、

タキビ神さんへホウノウ(奉納)されました。

カンテイ(鑑定)の結果、

完全秘刀だというサーフボードは、

シンクウコンポウ(真空梱包)され、

ドラゴン・グライドの東寺とされるタキビパレスの金堂

『フダラック』に保管されることになりました。

さて、

王さまは、

男たちにだまされたショックで気がふれてしまいましたが、

ふもとの村で、

出会った不思議な女性とエシカルで、

ダウン・ザ・アースなサーフ生活をして、

平和に余生を暮らしたそうです。

王さまの国の海には駐車場が戻り、

町長は、

王さまとの収賄容疑で逮捕されてしまいました。

ぼくも楽しくサーフィンしました。

かんたんです!

おわり

◎◎◎