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【サーフィン研究所】カンフル・ガーデン修行にて参究したファースト・ウェーブ_(1729文字)

普段フラットな湾にうねりが届いていた。

しかも、

ある一定角度からそれは届いていた。

北東うねりだった。

風は東南東。

ならばカンフル地区はどうだろうか?

Camphor Garden, Amami

March, 2021

.

あった。

波はありすぎるほどあった。

もっと書くと、

まさかの波だ。

せいぜい腰くらいの波に乗れたらいいなという日だった。

誰もこれほどまで波があるとは言っていなかった。

まだ満潮前だったが、

すぐにパドルアウトした。

どうだろうか?

潮位160cmくらいの時間だっただろうか。

波の管みたいなのが、

竜状のものが海面を這ってやってくる。

音もすごいが、

圧力もすごい。

こうして崩れる付近にいると、

波先が海に落ちて、

「ドゴン!バキバキ」

超重低音で伝えてくる。

これはアイマックス・シアターだったり、

新登場の4DXですら、

きっとこのことを一切表現できないように思える。

カンフル・ガーデンの波。

上も下も同じ波だが、

拡大してみるとこんなことになる。

海底の穴とか、

亀裂、

隆起と、

多い字画で難解にせまるようにあり、

その上をこんな斧波先が叩きつけるという自然の神秘だ。

神秘というより、

意識を広くして大きく考えると、

この波は神の啓示だとしても違和感はあまり感じない。

弘法大師こと空海は、

「空白の7年間」に修行に打ち込んでいたと思える。

その大きな理由は、

遣唐使船往路漂着も含め、

昼に夜への大移動、

それら過酷に大師は顔色を変えなかったというエピソードが多い。

何が言いたいのかというと、

私も空海と同じように、

いまこそが修行期間だとし、

自分の背中を押しつつ進ませているので、

こんな波にひとり対峙しているのだ。

パドルアウトすると、

バレルを横から裏から見ることになるが、

その丸さに思わず拝みたくなる。

私は、

中村竜さんたちが率いるサーフィン研究所の研究員であり、

現在は奄美支局にて参究(参禅し、真理を究めること)している身なので、

波の洞察と考察を重ね、

論理的にも納得できるように漢字を多くしながら思考をめぐらせた。

仮説を出し、

波が過ぎたあと、

事実だけをその仮説に当てはめていく。

ここは150mくらい激速のバレルが続くので、

どの位置から乗るのか、

それが一番大切なことだと思えた。

ここでサーフするのは始めてではない。

だが、

そのときとはうねりの向きや圧力が違っていたので、

また新しい気持ちで、

別のサーフブレイクだとして情報を集めていった。

Tyler Warren 2+1 / 6’5″

Greenough 4A-9″ + VEKTOR VMK

.

自分の欲しい位置にピークが来た。

メロリンというリップがせまってきた。

自身最速のインパクト・パドルを入れ、

文字通り

「飛ぶように」

フリーフォールして、

次のセクションに飛び込んだ。

この波先は斧だと書いたけど、

その斧が自分の上に振り下ろされてきた。

しかもいままでのどの斧よりも早かった。

そんな状態だから、

レースのような視界と判断力が求められた。

丸い空洞というか、

波洞の内院にレイルをセットし、

勇生くんが教えてくれたように、

後ろ足のヒザを高く持ち上げて、

バレルをメイクしようとした。

だが視界は、

セカンド・セクションがすでに崩れているのを伝えていた。

ならば、

この横のドギードアから脱出しようとアクセルを踏んだが、

栄光はやってこなかった。

私は、

この後すぐに珊瑚礁に押さえつけられた。

そこは割とつるつるしていたので、

逆にそれにしがみついていた。

なぜそうするのか?

この珊瑚礁から陸側はさらに浅くなっていて、

波が巻き起こした激流で身が回転することになる。

それは怪我をするチャンスを増やすことだろう。

昨日のファースト・ウェーブはこんな始まりと終わりだった。

無傷の私と、

タイラー・ウォーレンのワンオフくんは、

再び海面に浮かび上がり、

みっちりしっかりとパドルアウトを続けたのだった。

カンフル・ガーデン編、

まだまだあるので、

明日の【最強&笑顔コラボTのお知らせ】編に続きます。

【巻末リンク:最近の研究所、一般的な話題】

【サーフィン研究所&ドラゴン・グライド・プロダクションズ】波の走馬燈_(1549文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyle!!