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naki's blog

【サーフィン研究所奄美支局&ドラゴン・グライド・プロダクションズ特大号】77歳のガラさん_quiet funk craft works T_(5978文字)

Tyler Warren 2+1 / 6’5″

Greenough 4A-9″ + VEKTOR VMK

at Camphor Garden,

Amami Oshima, March, 2021

.

カンフル・ガーデンの続きはたんまりあるのだが、

そこを語れないほど、

今日は内容が盛りだくさんとなった。

このカンフル・ガーデン日の午後、

ジャイアンこと小林トシくんと、

柄(がら、から)さんたちが来島された。

ガラさんが、

「今回も真剣にサーフ合宿だよ」

そんなうれしいことをおっしゃるので、

ご一緒させていただいた。

柄さんは、

大先輩だったり、

あのヨーノ・ピークの主なんだけど、

誰にもいばらず、

トソツ天での弥勒菩薩みたいなサーファーだ。

サバ手トリムで、

波の原理の一部に同化し、

解脱されたかのようだった。

Ryu Nakamura,

Yono Peak, Shonan 2019

.

これがガラさんたちが、

初めてサーフしたというヨーノ・ピークだ。

ガラさんのお子さんジェネレーションの中村竜さんたちが、

この強烈ブレイクを引き継いでいる。

故人となってしまったが、

佐久間洋之介くんのホームスポットだ。

それで「ヨーノ・ピーク」という名が付いたのだ。

Catch Surf® Skipper Fish Ⅴ 6’0″

Nakisurf Original Twin x 2 = Mega Quad

Yono Peak, Shonan 2019

.

私も洋之介くんと交流があったので、

彼と一緒に波に乗ろうとすると、

じつにかんたんに乗れるのだった。

霊界というか、

トソツ天からのパワーがすごいのだ。

「本当はさ、カラって発音して、濁らねえんだよ」

「でもみんなガラさんって言いますよね」

「どっちでもいいよってなっちゃってさ」

そんないつものリベラルなハッピー・サーファーである。

お歳取られて77年。

『フォーエバー・ヤング』

ロッド・スチュワートの楽曲を思いだした。

チューブ好きのサル。

緑くんの親友であり、

手広兄弟のひとりである。

「竹刀ではなく、真剣でサーフする」

「しかも防備などなく」

そんなことを知ったトシくんは、

カミソリ岩牡蠣が付いたリーフの上で、

ヒリヒリするようなテイクオフを繰り返していた。

私はといえば、

トシくん・サイズのグレン・ミナミ・シェイプのEPSに乗らせてもらった。

波の良さも相まって、

空の一点になることができた。

この後ナッキーがカメラを置き、

緑くんとパドルアウトして、

サルがベスト・ウェーブに乗って、

潮が干いてきてしまって、

最期の最期にナッキーが、

ありえないほどのベスト・ベスト・ウエーブに乗り、

100mは高速で波を駆け抜けた。

そんな最高のセッションは大団円で幕を閉じた。

私のスキッパーフィッシュに乗って、

ご満悦の緑くんと、

上がってくるときに、

フィンを岩にぶつけて、

フィンのネジ部を破壊したトシくん。

親友ふたりの表情の対比がすばらしい。

島中央にあるキャッスルというサーフブレイクだった。

サーフ後は、

名瀬という大都会を抜け、

グリーンヒルに戻ってきて、

リベラルな大先輩ガラさんを囲んで、

セルフタイマーでトシくんが撮ったのがこれ。

「なんだ、それそんなこともできるのかよ」(ガラさん)

「はい。セルフタイマーです」(トシくん)

「嫌になっちゃうよ。年を取るとスマホは知らないことばかりだよ」(ガラさん)

「ぼくも何もわかりませんよ」(私)

「そうかよそうかよ。お前もそうか。うれしいねえ」(ガラさん)

昨日もここにお伝えしたのが、

NAKISURFの歴史的なコラボレーションTのお知らせです。

ハンドメイド・ルアー

ビンテージ

トップのみ

そんなこだわりのメーカーがある。

「ナキさん、トップ好きな人なら全員知ってますよ」

そんな名前のルアーを作られている。

美しい瞳をされた氏は、

1960年代がいちばんお好きだという。

誰の話かと言うと、

クワイエットファンクの久保田さんのことである。

氏は、

ハンドメイドのルアー界では、

レオナルド・ダビンチの再来だとか、

バス・フィッシング界で

釣りキチ三平の魚神さんのモデルになったとささやかれているが、

小雨好きのスタイリッシュなフィッシャーマンであり、

デイル・ベルジーやビッグ・ウェンズデーという正統がお好きなサーファーでもある。

↑バリの山崎さんが所有する

クワイエット・ファンク・コレクション

.

氏は先人の例にもれず、

工作がお好きではあるが、

さらに書くと、

「その渾身作品を立木の横に投げ入れて浮かべる」

そんなことが最もお好きなようだ。

↑ 50upのダブルヒット(岡山のリザーバーにて)

.

バス業界では、

専門誌に寄稿されたり、

いわば時の人でもある氏と、

スカイアンドシー・ムロトでお知り合いになることができた。

東洋町をベースとされているので、

スカイアンドシー・ムロトまでは、

家から川沿いを走り、

信号を右折、

45分まっすぐ行って、

ナナメに入って少しするとある位置だとおっしゃる。

この使用ルアーは、

プロトタイプのペンシルで、

サンプルテスト中に「2匹同時にジャンプした」というメガバイトを得たという。

だが、

これらはナマズのように重かったという。

自由に動けない彼らは、

ファイト出来ず、

エラをひろげたり、

または尾びれキックだけで対抗するしかなかったのだ。

意気投合して、

「次はフィッシュ&サーフしましょう!」

そんな約束が実現した。

しかもスカイアンドシー・ムロトが提案する

『おいしいもの』を一緒に研究してくれるという。

その日、

久保田さんは、

ルノー4(キャトル)にアルミボートを乗せてやってこられた。

河合さんと二人で乗船させていただくと、

「今日はぼくが船頭をします」

そんなことを言いながら特Aスポットに船をつけてくれた。

で、

先ほどおっしゃったように一切キャストされようとしないので、

氏のお心遣いと、

澄んだまなざしに緊張した私たちはスポットから外れるキャストを繰り返し、

「あ”〜だめだ。すいません…」

謝り常習犯のマグヤンのモノマネをしつつ、

バイトはおろか、

失敗キャストの反省だらけ、

またはただラインを巻き取るだけとなり、

ザバザバ、

バシャバシャと特Aスポットを荒らしてしまった。

あまりにもバイトがないので、

「活性が低いのかもしれませんね」

私たちではなく、

状況が悪いということにしてくれ、

スポットを移動しようということになった。

去る際に、

「一投だけいいですか?」

氏はそう言って真剣なお顔になられ、

シャー!っとピンスポットに投げ入れ、

文字通り一投でフッキングさせた。

まるでマンガの世界である。

以来、

私たちは久保田さんのことを開高健さんと同等の敬意と尊敬を持って、

さらにはサーフェイス・ゲームの権威だと崇めている。

氏はアンバサダー5500Cシルバーとモダンジャズを愛し、

妄想と考察を繰り返し、

また独断と偏見にも振れることしばしあられ、

そのご趣味と嗜好の質を上げ続けている。

氏が活躍されるフィッシング界へは、

ニジやナマズから入り、

ストームのチャグバグ、

黄腹のフラホッパーでトップに完全覚醒されたという。

そして今度は、

1960年代そのもののハンドメイド・ルアーをマニア的というか、

美術品レベルでの製作を始め、

ming ming zem=デカダンストーイ、

ウッドピカソなどを世に誕生させて、

zoop, zoopとペンシル系を引き、

水を割るバスたちに心を踊らせ続けている。

メキシコでは、

プロトタイプのウッドビックヤーンを持ち込み、

安倍晴明の呪(しゅ)のごとくアクションを妖しく囁き続け、

↑ メキシコのバス。

63cm(8ポンドオーバー)

.

タフであり続けたコンディションの中、

最終日というか、

出発日に60アップのバスを釣り上げ、

同行したメンバーたちはもちろん、

この湖のガイドにも、

さらにバス・メディアに衝撃を与えた。

人気TVドラマのようにヒロイックであり、

まるで巌流島の宮本武蔵のようだと思わせる実話エピソードをお持ちだ。

「オーソドックスとアバンギャルドの併存です」

そう定義される久保田さんのハンド・メイド・ルアー。

この春もオーバーハングの下、

自作されたトップだけが詰まったタックルボックスから、

ご自身のルーツのイエローとか、

カラーコード#B(ブラック)を使用した渾身彩色のオールドプラグを浮かべ、

ポップ音や羽根系ノイジーを水面に静かにささやき、

ジェームス・ヘドンのことを思い浮かべながらバイトを待っている。

釣りをしない人には、

なんのことかはわからない語句が浮かぶが、

「これでいいのだ」

のバカボンパパ思想でもある。

わかる人にわかればいいのだ。

さて、

クワイエットファンクさんのブランドロゴがある。

この由来について聞いてみると、

オリジナルフィーを下から見た目玉と、

三日月状のボディのズレ部分を形態化したものだとあった。

そして月と太陽(陰と陽)を表現しているという。

そんな久保田さんに傾倒して、

入信するように彼の精神世界に入っていた。

これがその初投で釣り上げられたバスさま。

私たちのルアーには見向きもしなかったが、

久保田さんの魔術の一例である。

私がルアーフィッシングにめざめたことを思いだした。

まだ8歳だったボクは、

釣りキチ三平の『怪魚タキタロウ編』

に出てきたTHINFINのフローティングミノーに異常反応し、

発作的にエサ釣りを止めた。

次にルアーがどこで売られているか調べてみると、

なんと、

関東地方では銀座と、

「千葉そごう」にしか売っていないという。

きちんと書いていなかったが、

これは昭和47年ごろの話だ

それからややあって、

電車に揺られて母親と銀座までやってきたボクは、

ほぼ走るように三越の地下鉄側の階段を降りて地下(3階)までいって、

大きなレストランの奧にそのテナント店を発見した。

その壁にはヘドンやボーマー、

ダーディブルが所狭しと展示販売され、

ショーケースには、

ミッチェルやアンバサダーを売っていた。

当時で考えたら奇跡であった。

価格的に何ひとつも買えないが、

見るだけで足が震えたことをいまだにおぼえている。

銀座ではこの三越の他、

隣の松屋にはオービス・ショップがあった。

そこではフライ・フィッシング世界だったり、

和竿の存在を知り、

目に入るもの全てが目映く映り、

銀座に行くことがボクの人生の大きな喜びとなった。

小学生高学年になったとき、

フィッシングがモチーフとなったTシャツが欲しくなり、

誕生日プレゼントを理由に買ってもらった。

それからそれは、

ほぼ完全毎日ローテーションとなったが、

それはやたらとタフな素材で、

ボクが私となっても大切に引きだしの奧にしまっておいた。

なので、

私が72時間限定でクワイエットファンクさんのルアーTを作りたくなったのは、

私のこれまでから考えると当然のことであり、

ターゲット・ビジュアルとなるルアーは、

ウッドピカソでもデカダンストーイでもなく、

このスナフヴィーだった。

こんなイラストがあり、

この目にズキドキしてしまった。

で、

スナフヴィーに決定したいと氏にお伝えすると、

「水面平打ちアクション」です。

そうスナフヴィーのことを説明してくれた。

↑ スナフ発売前の広告

.

さらにうかがってみると、

スナフの発売までは、

5つのお話から成り立っていた。

1.まずは久保田さんのメキシコ釣行。

「現地のビッグバスはテラピアをメインベイト(主食)にしている」

という情報に基づき、

フラットサイド(扁平ボディ)のプラグを製作したのが始まりだという。

↑ スナフプロトタイプ 1998年製

(テラピアカラー・メキシコに持っていったもの)

.

2.プロトタイプ。

ヘルレイザーというアメリカの古いプラグをイメージして作り始めたが、

出来上がったプラグを水に浮かべてみると、

体高がありすぎて斜めに浮いてしまった。

これは失敗したと思ったが、

動かすとペタンペタンと水面で左右にヒラを打った。

この平打ちがアクションとして大成功すると、

このときに確信されたという。

↑ スナフヴィー発売時の広告

.

3.業界初の左右斜めに浮くスイッシャーは、

そのメキシコ釣行から2年後、

2000年春にスナフヴィーとして発売。

↑ スナフヴィー 5/8oz. 2000年製(SBRH)量産モデル

.

4.『水面平打ち』を謳い文句にしたスナフヴィーは、

その特性をより特化させるべく、

ウエイトを上部に仕込むというプラグ作りにおいては常識破りな手法で完成した。

5.ちなみにスナフという名前は、

孤高の存在をイメージさせる『スナフキン』からのネーミング。

↑ Newスナフヴィー 3/4oz.

2021年製(2ヘッド・レイバン)プロトタイプ

***

その20年の時を経て2021年、

生まれ変わったスナフヴィーが発売されます!

初期モデルに近いシェイプのボディは 3/4オンス。

20年余りのノウハウでより扱いやすいモデルに進化している。

***

で、

そのNewスナフヴィー『NAKISURFオリジナル』発売を記念して、

スナフTeeシャツを先行発売します!!

無地のスナフ、

そこにNAKISURFのアイコンである2ヘッド・レイバンをカラーリング(初夏発売予定)した、

quiet funk久保田さんの渾身の手描きイラストをぜいたくにプリント。

さらにさらに、

ロング・スリーブ版にはなんと、

スナフ・アクションのアートが袖にプリントされました。

なんということでしょう。

この事実だけで、

身体がアベンジャーズ化する。

Tシャツは全2色。

夏のトップや、

春秋の重ね着用に、

景色に溶けるナチュラルカラーとしました。

まずはNAKISURFで大人気のオートミール。

そして氏と私が大好きなライトブルー。

ネックプリントにもスナフと、

タイラー・ウォーレンが描いたロゴがプリントされ、

コラボ感に気分は渚のシンドバッドとなった。

 

 

展開は、

S、M、L、XLの4サイズで、

5ozの100%コットン(オートミールは97%コットン)。

そして耐久製も重要で、

オーバーロック、

丈夫な首リブ、

そして業界トップクラスの耐久製を誇る

ユナイテッド・アスレ社製のブランクス5401-01を選択した。

インクジェット・プリントなので、

プリント部の通気が良く、

また業務用洗濯機に乾燥機と、

または着たまま耐久フィッシング、

サーフウォッシュと、

ラフに着ることができ、

ザラ&ドライという風合いのクラシック・アメリカンT。

本日よりNAKISURFとクワイエットファンクさんで、

1週間だけご注文をお受けいたします。

詳細はこちらのページをご覧ください。

https://www.nakisurfshop.com/SHOP/2021_qfi_tee.html

【巻末リンク:一投必釣】

【サーフィン研究所】室戸岬とワールドクラス波_そして風光明媚な東洋町__(2330文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyle!!


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