新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

【サーフィン研究所】ガラさんの竜巻注意報のアルペジオ_ジャイアンはyoiyo岩ガキを108回_(2169文字)

The Blue Dragon

August, 2021

.

まさかの嵐がやってきた。

天気図を見てみると、

停滞前線を従えた低気圧があるだけで、

ここまでの嵐になると思っていなかった。

突然猛風になり、

竜巻注意報のアラートが出た。

「こういうときのために

セイコーウドク(晴耕雨読)という言葉があるんだぜ」

ガラさんはそう言って新聞を開き、

「高知新聞の論調がいいね。論点がはっきりしているよ」

「わかりますか?」

「読売系はだめだよ。ごまかすというかチューヨー(中庸)だなあれは」

「さすがです」

「苛烈(かれつ)きわまりないイデオロギーだったり、

徹底的な主体を感じさせてくれるメディアというのはなくなっちまったな」

「ガラさんたちはそんな時代で育ったんですものね」

「おうよ。カゴに何が入っているか見に行こうぜ」

「えっと、カサゴにメバル、

アイゴにメジナ、ハコフグもいるね。

このあいだ入っていたのはイシガキダイとキタマクラにクサフグだ。

キタマクラは文字通りだぞ、食べたら死ぬから気をつけろよな。

こんな感じだとヒョウモンダコもいるからさ。あれはやべえぞ」

「それにしても魚の名前に詳しいですね」

「小さいころから突いたりしていたから当然っちゃ当然だよ」

「ちょっと潜ってくるよ。何かいるかもな」

そうやって潜ってすぐに、

大きなタイラガイを抱えて上がってこられた。

「これはな、

寿司屋で食べるとアワビよりも高い貝なんだぜ」

「へー。すごいですね」

「貝柱が二つついているんだよ。そこを喰うんだよ」

「おいしいです!」

「だろ。おい、トシも喰ってみろよ」

「うまいです!」

「だろ。これはうめえんだよ」

「ガラさん、カサゴは好きですか?」

「カサゴ?煮付けがうめえぞ」

「では」

そう言ってガシラ(カサゴ)の幸運を手にした私であった。

近所の森田さん(漁師)は、

「これはこのあたりでは超大物やで」

そんなことを聞いてうれしくなった。

カサゴはガラさんによってすぐにさばかれ、

煮付けとなった。

ガラさんがおっしゃるように滋味あふれる味なのと、

日本人の心のような印象にうっとりとさせられた。

「お!良いメロディが浮かんだよ。作曲するからキーボード使わせてくれな」

そう言ってガラさんは、

坂本龍一か佐藤博かわからないほどのアルペジオ(巻末*2)と、

ストライド・フレーズをビンビンと奏でるのだった。

ガラさんは何を取ってもさすがである。

「雨が弱くなってきたからさ、

外にうめえのを喰いに行こうぜ」

「行きましょう!」

「ここか、よくブログに出てくるタヌキで覚えちゃったよ」

「かわいいですよね」

「こんなところまで来てたんだね。遠いよ」

「用事があったときに出てくるのでそうでもないですよ」

「なんだ、この大谷とジュニアというのはすごい対決なの?」

「はい、キングコング対ゴジラ並です」

「へー、とんでもないことになっているね。この人は日本人なの?」

「はい、岩手出身です」

「もしかして花巻というんじゃないの?」

「さすがです。その通りです」

「宮澤賢治のふるさとだから、何かの縁があるんだろうね」

「空海みたいですね」

「おおよ」

カルディで逸品群を入手した。

今回の感激はこのシャイン・マスカット・バターではないだろうか。

「ぼくのプロデュースしたサーフボードがオーシャンズに載っていました!」

そう言ってうれしそうなジャイアン。

カルディ&蔦屋書店を経て私たちはyoiyoに到着した。

「アーバン・アイランド・ソシエティのこれから」

というミーティングでもあった。

「かっこいい店だね〜長居できる作りになっているのかよ」

「見事ですね」

「シェフが料理並にサーフィンもめちゃくちゃうまいんですよ」

「そうかよ!天は二物を与えたというアレだね」

yoiyo

高知市北本町1丁目3−23

オススメのスパークリング・ワインをいただき、

魚好きのガラさんとジャイアン、

そして私たちは土佐の旬に舌鼓を打った。

岩ガキの厚みと言ったら、

海産物博士のガラさんをして、

「こんなの見たことねえよ。すげえな、おい」

「口いっぱい頬ばり、108回噛みました」

そういうジャイアンは溶けたような表情をしていた。

恍惚という単語があるが、

その意味は彼の表情にありありと浮かんでいた。

桃のモッツァレラと、

カツオのタタキとグレ、

タコのお刺身に一同沸くように箸が進んでいった。

最後はジュンヤくん渾身の「そうめん」で、

これもまた出汁の中に閃光の瞬間が宿り、

忘れることのない食体験をしたと書いて本日の部を終了する。

【オマケ】

Sting 1973 Ben Aipa / Hiroyuki Maeda

6’2″ x 21″ x 2-1/2″

.

これは少し前の画像だ。

晴れているのと、

夏が写っている。

雨が止んだら夏に戻るのか心配なほど涼しい。

これは夷隅のポパイ・ケイスケが、

東北は、

サクランボとカモシカで有名な土地に行って、

こんな無人のパーフェクションを当てたという。

雨が降っていないのがすごい。(笑)

マンダラ・コーヒーのアイス祭りは、

そろそろ終わってしまう。

秋がそこまでやってきた。

【巻末リンク:マンダラ・コーヒー】

【サーフィン研究所】12年前と今の違い_マンダラ・コーヒー第1回販売編_(1908文字)

【巻末リンク*2:アルペジオ】

Blue誌巻頭コラム『アルペジオ (伊: Arpeggio)』2017年11月号掲載作品_(1888文字)

【巻末リンク*3:良品計画】

【サーフィン研究所特大号】銀メダルとサーフ純粋抽出_補陀落鰹節とウイスキー_(2628文字)

Happy Surfing and Happy Summer!!