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【サーフィン研究所:特大号】キャッチサーフ・10フィート友人たちの試乗会「最上位のタヌ氏」〈破〉_(3303文字)

2日前から「序」と書いてきたが、

今日は「破」となった。

『序破急』は雅楽からの言葉だ。

Catch Surf ®ODYSEA x Glassy and Mellow Special

10′ Single

.

でもきっとそんなことよりも最初に

なぜ大きなボードに乗るのか?

そのことを知りたいのではないだろうか。

大きなボードに乗る理由を昨日の冒頭に書いたので、

まだの方は、

巻末リンクをお読みください。

雅楽の曲を構成する三つの部分を序破急といい、

いわゆる楽章に相当する。

「序」は、

無拍子かつ低速度ということで、

太鼓による拍数は定まっているが、

他のパートは自由に奏される。

後述するソムちゃんの奥さんあゆみちゃんは、

妊娠7か月ですが、

いまだにサーフィン継続中です。

.

「破」から拍子が加わり、

「急」で加速が入り一曲三部構成となる。

そんなことなので、

今日から友人たちが乗る10フィートの曲は、

拍子が入った「破」となったようだ。

映画『ビッグ・ウェンズデー』のマット・ジョンソンの再来とされる久保田氏は、

ニーパドルで波に乗ることを歓びとしている。

この歓びというのは、

英語で言うところのディライト(delight)であり、

それがこの一瞬に凝縮されているのだろう。

バックサイドはむずかしいと言われるが、

ボードの左半分をしっかりと踏むと、

波壁にレイルがまとわりついて、

安定性が増すので、

そこまでではない。

Catch Surf ®ODYSEA x Glassy and Mellow Special

10′ Single

.

これを私は「ロックイン」と呼ぶが、

なぜかやたらと安定するのだ。

久保田さんと私の画像を見ると、

波側の前足がロックインしている。

聞くとむずかしいが、

やってみるとじつにかんたんです。

お試しを。

久保田氏はログの達人であり、

ビーチブレイクのバックウォッシュのダブルアップですらZOOP、

ZOOPと越えていく。

120リットルというとても大きな体積のボード。

これに乗ると、

体感というか、

感動が加速度的に増加することが感じられる。

ヒッキーことヒカリさんは、

キャッチサーフの9フィートを愛用されている。

リフォームするインサイドセクションでは、

このように身を小さくしてメイクしていくほどのベテランだ。

ナッキーのサーフィンのはじまりがフィンレス。

次にログときてキャッチサーフとなった。

たまにはひねってミニ、

またはボックスとさまざまだったので、

彼女はほぼどのボードも乗りこなす。

ハイラインのトリム。

しかも的確な加重を感覚的にできるのは、

やはりフィンレス修練のたまものだと思う。

テイルを踏んで、

トラクションを得てからターンをする。

基本的なことだが、

なかなかできるサーファーは少ない。

「遅くなってごめんね」

なんと、

朝やってくるはずのタヌくんがやってきたのはお昼過ぎだった。

横にいるのはタヌくんのお隣さんの、

高知新聞の所長金山さんであり、

ふたりは浦ノ内小学校仲間でもある。

金山さんもまた10フィートボードに乗ることを熱望し、

土佐西南までわざわざやってきてくれた。

タヌくんは、

ドラグラ世界のバイキンマンであるので、

彼が悪事を働いて、

誰かにどこかに飛ばされても翌週にはまた現れる。

タヌくんがいると、

常に何か小さな事件が起きる。

今回は彼がビーチに現れた瞬間に、

オンショアとなる奇跡があった。

この場合は奇跡というより、

「災、難、厄」と書いたほうが正確だろうか。

タヌくんは10フィートボードをつかみ、

「このボード、本当に乗ってもいいの?」

大喜びの少年の顔である。

「シャバラバ〜♪

ボクがタヌキだった頃、弟はコダヌキだった。

お袋はハハダヌキで、親父はチチダヌキだった。

わかるかなぁ、わかんねぇだろうなぁ♪」

タヌくんはそうやって指をパチンパチと鳴らしながら

松鶴家千とせのモノマネをするのだった。

「タヌくんはいったい何歳?」

年齢を聞こうと思ったが、

どうせ800歳とか言うだろうからだまっていた。

「ぼくの得意はピョン吉乗りだよ」

いつもそう言うが、

本当にピョン吉が波に乗っているように見える。

「根性根性、ど根性だよ」

(巻末リンク*2を参照ください)

タヌくんは、

「何か」が見えるらしく、

無人の方角に向かってポーズを取りながらダウンザラインしていた。

拡大してみると、

タヌくんファンにはおなじみの「得意顔」がしっかりと映っていた。

タヌくんは元々タヌ星からやってきたタヌ氏(巻末リンク*3)であるので、

タヌ星研究の第一人者で知られるDJ VCA氏にこの映像を見せると、

「指がチンムドラーの形を作っています。
チンとはタヌ語で意識、
ムドラーは象徴という意味です。
無意識のタヌ氏はこのポーズによって、
自身の精神が最高位だと表現しているのでしょう」

そんな見解を本紙ドラグラ・タイムスに寄せてくれた。

やはり本人は、

最高位に達したかのような笑顔を見せた。

めでたしめでたし。

さらにタヌ氏の研究家であるハイカラMが、

「あの、噂の10に乗ってみてもいいですか?」

そんな文体でやさしく現れた。

本当にこのボードは人を笑顔にさせる。

普段のハイカラMは、

ゴルゴ13か、

ザック・グリンキー(MLB)のように無表情だが、

キャッチサーフの10フィートは、

ハイカラMまでこんな表情にさせるようだ。

ヒッキーには高知新聞の記者と勘違いされ、

伯爵コジやんにとっては、

「社主のおひとり」だと思われている金山さん。

サーフィン2年生(歴20回程度だろうか)ではあるが、

かんたんに10フィートを乗りこなしていた。

伯爵コジやんは家系というか、

血統関係でそういう名前だ。

彼の得意は「ソフトフット」なのだが、

この日は撮影の関係で気合いが入ったらしく、

コジやんは「ハードフット」のダウンザラインを見せた。

「”ノーズライドの歌を聴け”

という物語を書きました」

そんなことを言っていたのはコジやんだったか、

トロちゃんだったかが混同してしまった。

前出したソムちゃん。

ソムちゃんは桑原龍太という名前があるが、

元ソムリエだったので、

パトリックではないが、

まるやのターボーくんに「ソムリエくん」と命名され、

ソムちゃんと短縮系となっていまに至る。

サーフィンはプロ級に上手だが、

ショートボードしか乗れないと噂されていて、

大きなボードに乗れますか?

という意味の質問をしてみると、

「大丈夫だと思います」

そんな自信のほどを見せた。

結果、

さすがソムちゃん、

軽く10フィートを乗りこなし、

超浮力のおもしろさと難易度にめざめたようで、

「大きなボードで波乗りを追求する派」

に転身しようと決意しましたと教えてくれた。

2月にご子息が誕生し、

暮らしにサーフィンがある幸せなカップルは、

黒潮町でサーフゲストハウスをやっているので、

こちらに来られる際は利用してみるのも良いかもしれない。

(ゲストハウス・リアリスタで検索ください)

やがて、

私がサーフするときがやってきた。

タヌくんが海から上がると、

海はまたオフショア風に戻った。

人(タヌキか)がいるだけで海岸の風が変わるのが不思議だと、

ハイカラMと話していた。

「かんたんです!」というジローくんポーズを取ったのは、

真夏の格好でサーフしたからに他ならない。

午後はさすがに冷えてウエットを着ると、

「なんだ、ぜんぜん寒くね〜」

これまたジローくんのセリフの受け売りが口から出た。

伯爵コジやんがiPhoneXRで撮ってくれたのがこれ。

こんなに良い波だったのだ。

カットバックをしているが、

これは10フィートは曲がりませんという声を聞いて、

そんなことはありませんよと、

強いターンができる証明となった。

今日の最後は、

久保田さんお得意の、

ニーパドル・テイクオフのgifファイルで明日に続きます。

特大号が連続するとは、

それほどまでにこの10フィート・シングルフィン・モデルの衝撃があったからに他ならない。

【巻末リンク:なぜ大きなボードに乗るのか】

【サーフィン研究所:特大号】ほぼ完全月蝕_10フィート友人たちの試乗会『なぜ大きなボードに乗るのか?』〈序2〉_(3475文字)

【巻末リンク*2:ピョン吉についての考察】

【四国サーフ】Catch Surf Barry McGee_SR500で正行はピョン吉ライド!?_(2312文字)

【巻末リンク*3:タヌ氏とは?】

【ドラグラ・プロダクションズ】タヌ氏の任務_(2746文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyles!!