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naki's blog

【ドラグラ文学館】火之神——ベテルギウス〈その三〉_(1459文字)

6月3日。

高知快晴です。

みなさんはいかがお過ごしですか?

今日はドラゴン・グライド・プロダクションズより、

夢龍先生の人気作品

「火之神——ベテルギウス」〈その三〉

をお届けします。

こちらが〈その一〉で、

【ドラグラ文学館:新連載】火之神〈その一〉_(2845文字)

こちらがその続編の二です。

まだの方はこちらから読んでみてください。

【GWスペシャルサーフィン研究所&ドラグラ文学館】_波の芯に乗れた_タキビシ=ベテルギウス_火之神〈その二〉_(1639文字)

火之神——ベテルギウス〈その三〉

by 夢龍

.

法王は、

人間社会では屋根職人から串焼き屋に転身され、

夜型となり、

公務が行えなくなり、

次の39世であるラカ太郎が法王の座に就いた。

とは言っても39世は13歳の少年である。

政(まつりごと)を行えるわけではなかった。

世はあいも変わらず、

テトラポッドや護岸工事が絶え間なく押し寄せ、

悪いローカル問題、

自粛警察、

全体主義によって、

適正浮力が、

『適正不慮苦』と、

まるで暴走族のような当て字の楽しめないサーフィン、

競技主体の海の遊びという観点では、

長年におよぶ楽しいサーフィンの歴史は終焉を迎えていた。

ハッピーサーフィンの講和は、

デューク・カハナモク時代から続く悲願だと、

その必要性を説いてきた38世だったが、

それ以上に串焼き職に忙しく、

それには70歳になられたビートきよしさんたちもうなずくしかなかった。

摂政という言葉がある。

英語で言うと『リージェント(Regent)』であり、

かんたんに言うと、

「君主に代わって、政(まつりごと)を執る役職」というものだ。

日本には7世紀からある言葉で、

厩戸皇子(聖徳太子)が推古天皇の摂政として国政を代行し、

平安時代になると、

各国(地域)の主というのがあり、

その補佐や代行する人のことを目代(もくだい)と言い、

摂政が小分けされていった。

ラカ法王にとっての摂政は、

三蔵瀧朗だけど、

何やらオーストラリアのバイロンベイで、

レキくんや佑麻くんたちと合流するという。

そこで私たちは摂政を募集した。

聡明で、

そしてこの世の中を変えるべく、

真の考えを持ち、

多くのハッピーサーフ難民を率いていかねばならない。

けれど、

そんな人は見つからなかった。

ある日、

ドラゴン・グライド・プロダクションズに

「インターンを希望しています。募集されていませんか?」

そんな連絡が来た。

とても丁寧な話し方で好感が持てたので、

会ってみることにした。

リシという少年だった。

長身で痩せていて、

中学生、

はて高校生になったばかりにも見えるが、

22歳だという。

磯浦 理思(イソウラ リシ)と履歴書に書いてあり、

確認の免許証もそのままであった。

華厳さんも視線と動作が気になったというので、

「試験的に」

という前置きをして、

インターンをしてもらうことになった。

すると、

文を書かせると、

一日中でも書き続け、

内容もおもしろいと、

プロダクション編集部内の評価も高く、

気がつく人だと女房連中の評判も良く、

計算にも長けていた。

彼に夢を聞いてみると、

「自分はどんどん勉強したいです」

そんなことを品を変えて、

温度を変えて言うのであった。

ある日のことだった。

ここまで出来るので、

ある休日、

河合和尚はリシに余暇を与えようと、

海に連れていき、

サーフィンというものを見せた。

すると、

「やってみたいです」

と言うので、

和尚のキャッチサーフを渡すと、

なんとかパドルして、

そして波に乗った。

和尚はさまざまなサーファーを見てきたが、

最初のトライで波に乗ったのを見るのが始めてだった。

桜の季節が2度過ぎるころになると、

リシの評判は他国に聞こえるまでとなった。

(いつかのその四に続く)

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