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naki's blog

来週に迫ったグリーンルーム・フェスティバルの展示物が完成していないのデス。。_サンクレメンテ時代の初友人テレンスが来島!!_サーファーたちの対話方法_(4000文字、中短編です)

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こんにちは、

五月もすでに11日が過ぎちゃいましたね。

うかうかしていると、

夏もあっというまに過ぎてしまいそうなので、

じっくりと楽しむようにしなくては、と気を入れ直しました。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/11019

GRF2010_poster

俺が撮ったサンクレメンテピアがポスターとなっている

『グリーンルーム・フェスティバル』

開催が来週末に迫っていて、

カリフォルニアは、

ロスアンジェルスで展示物を製作しているが、

例によって14日間も遅れている。

アメリカ人の言い訳は聞き飽きたけど、

製作依頼したプロラボ主宰Jさんはこう説明する。

1)バックボードの供給がうまくいかなかった

2)何枚かのプリントに不備があり、やりなおした

3)風をひいて喉がやられてしまい作業を休んだ

4)週末があったから

5)サイズ違い

とまあ、色々と濃い薄い理由があって遅れているという。

これは以前にも書いたが、

アメリカで生活していると、

「業者や友人たちの納期、期日の焦点が甘い」

ということはよくわかっているし知っている。

だからこそ3週間も前に注文したのにこのていたらく。

Jさんは、

「遅れていることを恥ずかしく思いマス。

だから仕上がりましたら、フェデックスではなく、

私が直接御社のサンクレメンテオフィスに持ち込むので、

そこのところをご理解いただきたい」

ということだが、

はたして彼の公約通り、

今夜持ってくるのかどうかは誰もわからない。。

最悪の場合は、

「メディアを変えて展示」

ということを視野に入れなくてはいけず、

それは明日考えることにしよう、

と気を取り直す。

こういう期日が迫った心配ごとを味に例えるとすれば、

苦味、そしてかなりの酸味と塩辛さか。

ディーゼルエンジンのように悔しさを圧縮していくと、

いつか燃料がやってきたときに爆発してしまうかも、

という層も合わせ持っている。

自分ではどうにもならないもどかしさに意識は乾く。

こんな考えを腹に持つのは良くないので、

水やコーヒーで流してしまおうとグビグビ飲んでいるが、

なかなか落ちていかないので困っている。

夜の酒まで待とう。

好きな本を読みながら焼酎を飲めばきっと落ちていくだろう。

いや落としてみせる。

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サンクレメンテ時代の友人テレンスが、

婚約者ネギーンを連れてやってきた。

彼はPSAA時代の選手で、

兄にパイプライナーのブライアン・マクナリティ、

TSUBOシューズのパット、

ホビーサーフボードのショーン、

そしてトドスサントスを攻めた弟のジョー、

という業界でも珍しいプロサーファー五兄弟の4男坊。

1989年にサンクレメンテにはじめて行ったときには知り合えず、

その年の冬、

ノースショア合宿をしていたときにリアム・マクナマラ家で知り合った。

そのときは、

サーファーのあいだでは卓球ブームで、

その例に漏れず、

波乗りとピンポンに明け暮れていた。

「すごく強い外人がいます」

と、友人ボブが感激したのがこのテレンスで、

さっそくお手合わせを願うと、

俺では全く相手にならないほど強かった。

当時サーファーでピンポンが強かったのがデレック・ホー。

彼は元オリンピック選手とやり合うほどの技量で、

その次にディノ・アンディーノという2強の勢力図だった。

テレンスは、

「たまにディノをやっつけるんダゼ!」

と顔を赤らめながら俺にジマンし、

その間に絶え間なくスマッシュを打ってくる。

たまにそのスマッシュが俺のラケットに偶然当たり、

カット回転でネット際に落ちて、

まさかのゴールデンポイントを得ると、

その顔から湯気を出して、

『COME ON!!』と叫びながら

さらに真剣にゲームに取り組む。

当時は、

「なぜ外人がサーフコンテストであれだけ強かったのか」

ということをこのピンポンへの取り組み方から知ったわけだが、

まるで生死がかかっているかのような真剣なる対戦だった。

ゲーム後、

「お前ほんと強いねー、名前をなんと言うの?」

「テレンスだ、テレンス・マクナリティ。

アイム、フロムサンクレメンテ、カリフォルニアだ!」

「えー、俺今年の春にそこにいたよ!」

「ほんとか、次に来たら俺のママの家に泊まれ、

大きな家で、砂浜に建っているんだぞ!

そして俺の兄弟はみんなサーフィンとピンポンがうまいんだぞ!」

と電話番号を教えてもらい、

その春にサンクレメンテに行くことになったから電話をすると、

言っていたように砂浜の上に建てられた邸宅に泊まらせてくれた。

そして彼の弟ジョーととても仲良くなり、

そして友人たち、

サンクレメンテ・ローカルたちをくまなく紹介してくれたのです。

当時、一介の観光客だった俺がみんなとあれだけ交流を深められたのは、

このテレンスのおかげといっても過言ではない。

サンクレメンテの現在は、

サーフィン業界の首都のようだからそれは不思議なことだ。

(弊社のカリフォルニア・オフィスもサンクレメンテにあるんですよ)

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彼がやってきたのは、

ホノルルに用事があり、

「俺、一度ノースハワイに行ってみたかったんだ!

案内してくれるか?」

ということでやってきた。

昔彼がしてくれたようにお世話をし、

渋めだがローカルフレちゃんを

「長老なんだぞ!」

と紹介すると、

「66才で5’0″に乗っているのはスゴイ!!」

と昔のように顔を真っ赤にして驚いていた。

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俺たちが記念撮影しようとした瞬間に大きな虹が上がり、

カメラを持ったネギーンに

「あなたたちはすごくいい関係なのよ。

こうして天空が祝福してくれるのはすごいわ」

とパシャリしてもらいました。

本当に不思議だ。

極小だったが、

ホワイトハウスでサーフしようということとなり、

サーフィンおたくのテレンスは、

「WOW!ここがホワイトハウスか!

1970年代はみんなここの名前を知っていたけど、

いつのまにか”知られざるブレイク”になっていたんだ」

と感激しながらパドルアウトした。

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クセのあるブレイクなので、

こうしてフェイドさせるテイクオフを披露し、

「ドーダ!」のセッション開始。

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長老フレちゃんもマイペースで波を滑り、

テレンスをして、

「すばらしい、すばらしい」を連発していた。

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ここでノアが入ってきたので、

クラシカルな

『スイーピング』

というターンを彼に見せた。

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これは見ての通り旧式なのだが、

こうして古いターンも彼にとっては新しく、

やわらかいサーフィンに興味を持ってもらえたら、

と思っていた。

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波も小さく、天気もぱっとしないが、

風も弱く、こんなコンディションでの再開セッションは楽し。

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後足加重を好むテレンスは、6’6″のミニガンで波を攻め、

フレちゃんは、

「あんなところに当て込んで、

さすが有名選手じゃな、クフフー」

と顔をゆるませていた。

テレンスがPSAAで活躍していた頃は、

なんなく予選ヒートを勝ち上がり、

決勝、準決勝まではざらに進んでいた花形選手だった。

2人ヒートの本戦という今と違い、

当時は決勝ですら4人ヒートだったが、

彼がケリー・スレーターに2回連続で土をつけたことを思い出した。

そしてテレンスも俺もいまだにコールに乗っていることもうれしいトピックスとして、

ここに残しておきます。

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ノアもいい波に乗り、

俺は得意の逆真流で反撃した。(笑)

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マーベリックス、

ワイメアと滑ることのできる大波乗りのテレンスにさまざまな講釈を聞き、

ワイプアウトの際は

「足から落ちるといい」と教わった。

テレンス曰く、

大波の時は足からいって、

できる限り深く落ちて(沈んで)しまえば、

そこまで苦しくないんだよ。

頭からいくと深く沈めないので、

インパクトに持っていかれるから長いのだろう。

というのがセオリーのようだ。

そんな大波には入ることはないだろうけど、

自分の中での大波の時に活かしてみようとイメージしてみる。

だが、

次に乗った波で頭からワイプアウトしてしまった。(笑)

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リーフに押さえつけられ、

ボードを流してしまい、

テレンスには、

「だから言っただろ?」

と大笑いされた。

でも、

そうして気にするとそうなってしまう時ってありますよね。

くわばらくわばら。

晴れてきました。

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ノアもここで乗れるようになってきた。

子どもはすごいなあ。

俺が彼の年の頃は何をしていたのだろうか?

と昔の記憶をたぐった。

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無事にドーダセッションを終了し、

昔話をし、

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旧友と記念撮影。

彼はもう41才になるのだそうで、

そうすると、

はじめて会ったときから20年が経過していることを知り、

俺がここにいること、

彼が遊びにきてくれたこと、

そしてふたりがまだ元気なことを讃えあった。

2010_NH_V4166

サーファーはこうして波乗りを一緒にするだけで、

相手がどのくらい健康か、

どれだけ海で遊んできたかを知ることができる。

そんな波乗りがまたさらに好きになった。

ノアが次にテレンスに会うときには、

彼はどんな滑走を彼に見せるのだろうか?

と、昔だったら決して考えなかったことに思いをめぐらせていた。

駐車場に戻ると、

マイク・ベッシェンが偶然現れ、

(マイクはシェーンとギャベンの実父)

例の長く、

30分に渡る講釈を俺たちはありがたく聞かせていただいた。

(話が長いのですね、笑)

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こうして加齢してみなくてはわからないこともあって、

こうして俺たちは日を重ね、

年を積み重ねていっているのだなあ、

としみじみしてしまった。

長くなってしまいましたが、

今日もNAKISURFにお越しくださってありがとうございます。

明日は少し波が上がり、

そして風が弱い最後の日だそうです。

明後日からまた25ノット(風速約12m)の貿易風になるとは波情報。

https://www.nakisurf.com/index.html

トップページを見るとおわかりの通り、

これもあれも新しくアップしてあります。

お時間があれば、

コーヒーを飲みながらでも見ていってくださいね。

すてきな日になりますように。

ALOHA!!