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naki's blog

風と鮫_フィルムで撮るって?_ミニノーズライダーの誕生秘話と現在の情勢すこし_「基本は意識に宿る」_(3000文字、短編です)

おはようございます。

こちらは貿易風が15-20ノット(約8?10m)の毎日ですが、

「今日から二日間はそれが弱まる」

という予報を受けて、

頬をゆるませてホワイトハウスに向かうと、

あれ?

北東風は止んでないよー、

いやいや、これから止むんだきっと。

と楽観的に考えて沖へとパドルアウトする。

2010_NH_T9627

横風は止むどころかその勢いを増し、

波面に大量のコブを作っていた。

大潮干潮という潮位によって流れえぐれる海面。

テイクオフは『チャレンジ』という言葉がぴったりで、

コブというコブ、

段という段のアクション映画のクライマックスのようなスリリングな波乗りだった。

パパ肋骨ジョニーが入ってきて、

新聞発表にあった

「クジラ死骸が近づいているのだ」

という話となり、

その後、ウミガメの死骸が底に沈んでいるのをジョニーが発見し、

なんとなく鮫が怖くなって上がる。

それにしても鮫はなぜ死骸の近くにいるんだろうか?

エサとなる魚が集まりやすいのかもな。

肋骨ジョニーについてはこちらをご覧ください↓

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/12307

20100504_NH_V4206

「昔のコラムを掲載しますね」

と社内メールがあった。

今回のそれは1999年に俺が書いたものだった。

内容はDダイセンセ(ドノヴァン・フランケンレイター)

と一緒にメキシコ旅に行ったもので、

今読むとその稚拙な文体に肩を落とすが、

こういうものはこのまま掲載した方がいいのだろう、

という判断で、

一文字も直さず掲載に向かっています。

そしてNAKISURFメディアのJunから

「この当時の写真を掲載したいのでお願いします」

とあり、

昔のiMacを開くと、

それはたくさんのDダイセンセの写真が出てきた。

Donavon_Scala_4425

これなんかはその中の一枚で、

当時はフィルムカメラで撮っていて、

これはいまはなき、

『アグファ・スカラ』

というドイツ製のフィルムを使用した作品だ。

これで撮影すると、

本国ドイツで現像しなければならないほどマニアック、

だけど逸品だったのです。

このフィルムの設定ISOは200で、

これを『4段増感して3200で撮る』と、

上の作品のようにグレイニーな粒子が出て、

モノクロ時代では、それは芸術的だったのであります。

アグファは、

デジタル化による逆風の中、

2005年に破産してしまったが、

名残惜しくて20本入りのプロパックをいくつか保管してある。

「写真はフィルムで撮る」

それ以外考えられなかった時代の話ですね。

時代は変わる。

時代は変わったのがもうひとつ。

それはミニ・ノーズライダー。

ノーズライダーというのは、

安定性が大事らしく、

どれもだいたい10フィートはあって、

それだと持つのは大変、

抱えるのも難儀、

エレベーターに乗るのはNG。

部屋にも入らず、

車に載せる、おろすのも、

ワックスをかけるのも容易ではない代物。

それに目をつけて、

「ねえ、短くしようよ。

じつは短くできるんでしょ?

ハングテンができればいいからねー」

とクリスちゃん(クリスチャン・ワック)

に難題を押しつけ、

「ヤリマスヤリマスーやってみます!」

と彼がデザインし、それをライアン・イングルが実現したのが

『キャンバス・ミニノーズライダー』

じつは現在ブームとなっていまして、

生産されたのが8’6″から5’10″というサイズ。

本国アメリカでは聖地サンオノフレがこのミニだらけとなり、

LAはマリブにも増殖を始め、

ハワイでは俺のミニを見て、

シェイパー・ブルースがコピーして、

闘牛岬では大人気デザインとなり、

いまやタチアガリかミニかというほど。

オーストラリアでは、

あのハリソン・ローチまでが気に入って乗っているという世界情勢。

クリスちゃんのブログにも、

このいきさつが書かれた記事があったのでリンクしておきますね。

http://canvasurfboards.blogspot.com/2010/04/mini-noserider-club.html

彼のミニ(6’0″=183cm)が完成したときに、

ローワートレッスルズに持ち込んで二人で乗り合った動画がアップされているので、

以下にポストしておきます。

クリスちゃんばかり乗っているが、

それは正しく、彼が20本乗ると、

俺が3本乗るという比率でしか乗れなかったほど、

クリスちゃんはこのボードを気に入って離さなかった。

そうだ、流れている曲はクリスちゃん作詞作曲なんです。

多才だなあ。

ではぜひ!

http://vimeo.com/10425568

Canvas 5’12” from Christian Wach on Vimeo.

なんだかメジャーリーグが白熱していて、

今日は月曜日にも関わらず、

ヤンキース対タイガース、

そしてエンゼルス対レイズ戦がTV中継されています。

日本だと月曜日とか木曜日のゲームはなかったりするのだけど、

こちらはオールスターゲーム前日のみが休日で、

どこかで毎日試合が行われています。

年間162試合をレギュラーシーズンとして、

20連戦はざら、30連戦というのもあります。

移動距離もすごく、

マリナーズのあるシアトルのセーフコ球場から

フロリダのタンパ、

トロピカーナフィールド球場までは4069kmの距離がある。

(ちなみに札幌から沖縄までは2233km)

もちろん飛行機で移動するのですが、

その搭乗時間だけで6時間。

さらに三時間の時差があり、

簡単にいいますと、

シアトルでゲームがあって、

夜11時に球場を後にすると、

フロリダ時間ではもう深夜2時。

そこから6時間プラス、

飛行場までの時間が各一時間。

単純計算してもフロリダに到着しただけで翌朝朝10時となります。

そしてビジターチームは、

チームにもよるが、

ゲームが始まる4時間前から練習があり、

(ホームチームは2時間前)

その中で試合開始からTV中継され、

「あのスピードボールを打って捕って走っている」

という選手たちはものすごくタフな肉体で、

強靭な精神力を必要とされているのだと思う。

さらには、

毎年結果を残しているイチローさんは、

もう宇宙人なのではないか?

とさえ思えてくる。

ただ、

尺度と世界は違うが、

波乗りもわりと似ている。

先週ゴールデンウイークがあって、

普段「毎日サーフしたい!」

という欲求に動かされて友人たちは各地でサーフ三昧をしてきたらしいけど、

結果は以下に

Aさん「3日目で疲労からか発熱しました」

Bさん「2日目の夕方にぎっくり腰となったよー」

Cさん「初日にフィンで足をざっくり切ってしまった。無念」

Dさん「4日間なんとかやりましたけど、いまだにパドリング筋肉痛で背中が痛くて、運転にも差し支えています」

というさんざんな報告がありました。

毎日は本当に大変ですよね。

俺は移動日とかで波乗りできない日でも、

いつも想像の波乗りで頭の中を満たしているのですよ。

小さな鍛錬をしたり、

体に良いものを食べたりする積み重ねがいざというときに役立つので、

今日からでも「波乗道」を意識してみましょう。

「基本は意識に宿る」

これは人生にも通じているような気もします。

今日もNAKISURFにお越しくださってありがとうございます。

明日も書きますのでまたお越しくださいね。

明日は風が止むのかな?

Have a great day!!