「もうここらは九十九里のおしまひです。
ごらんなさい。
あれが名高い銚子の地球の丸く見える丘展望館です。」
タキビ神は、
まるで宮沢賢治さんのような、
昭和元年文体で言いました。
ですが、
銚子はかすむほど遠くにあるので、
展望館がどこにあるかまったくわかりませんでした。
私はその(宮沢賢治さんの)
『銀河鉄道の夜』九章に登場する
理想をあきらめた鳥捕りのことを考えていました。
そして、
タキビ神の導きにより、
「ほんとうの幸」は、
「ほんたう=本当の幸は”さひはて”にある」
という啓示を受けました。
「さひはて=最果て」
がどこにあるのか?
それは成仏による達観なのか、
または悟りの向こうが最果て、
つまり終着点だと言っているのだろうか?
誰もいない砂浜で、
私はずっとそのことについて考えていました。
「30分に一度だけやってくる」
というスーパー・ライトに向けて、
冬にしてはやや暖かい風がときおり吹きました。
Tyler Warren’s
“Narrow-Soap” 5’2″
.
「最果てへなんか行かなくたつていいぢやないか。
ぼくたちはジェフリーズが好きだって法王が云つたよ」
「だつて神さまも仰(おつしや)るんだわ」
「そんな神さまは、うその神さまだよ」
「あなたの法王は、うその法王よ」
「さうぢやないよ」
「あなたの法王つてどんな法王ですか」
「ぼくほんたうはよく知りません。
けれどもほんたうのたつた一人の法王です」
「ほんたうの神さまはたつた一人です」
「ああ。私が伝えたいのは神さまでなく、
幸せな波乗りのことを提唱する法王のことです」
そう言いながら、
宮沢賢治さん全集第三卷内(十字屋書店刊)での文体のことを思っていますと、
遠くから宮沢さんが歩いてきました。
この宮沢さんはミヤサバ先生ではなく、
ドラグラ父ちゃんでして、
タロジロこと、
太郎くんと二郎のお父さまでした。
Nacky on
Catch Surf® Heritage Collection 8’6″
.
私たちは、
しばらくのあいだ
「最果て」のスーパーライトでサーフしていたものですから、
すっかりと空腹になってしまいました。
そこでぼくはカムパネルラこと、
シギーGを「喫茶ナカヨシ」に誘い、
正統派のランチを食べようということになりました。
ナカヨシは太東岬の北側にあります。
この辺りが詳しければ、
雀島とか、
津々ヶ浦の手前にあるアート系の古民家カフェです。
昨日のナカヨシは、
正午ごろまで大忙しだったようで、
実直な店主のジェイソンが、
先週の人気と「醤油絞り」について講義してくれた。
ジェイソンは、
35年も前に私が名付けたニックネームだ。
いまも彼はジェイソンで、
そんなことにもうれしくなりました。
私は大好きな鯖塩焼き定食をいただき、
自家製茶碗蒸しの銀杏に季節を感じ、
主役であるサバは口の中で溶けつつ、
味わい深いご飯に、
出汁が効いた味噌汁とひじき煮に舌鼓を打ったのです。
そしてこれは昨夜のことです。
ポパイ・ケイスケがこのナカヨシにいる予感がしたので、
インスタグラムのストーリーでそのように伝えると、
やはり彼は、
ナカヨシ夜の部(月一回の居酒屋編)にいたことには、
たいそう驚いてしまったのだった。
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【巻末リンク:ドラグラ流ギンテツとは】
【巻末リンク*2:ミヤサバ先生のシークレット作品】
Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
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