今日も柳瀬と朝からイナリーズに行き、鮫が怖いのと、風がサイドだったので、ソフトサンドに。
連日の雨で沼になったオフロードをひた走り、到着すると北からのダブルオーバーサイズがズンズンと途切れずやってきていた。
セットで6フィートのクローズアウト。
地形が3フィートレベルなので、サイズと流れが海底に合っていないようだ。
すぐに引き返し、闘牛ポイントに行き、風が変わるまでファンサーフ。
それから柳瀬とラワイ潮吹き穴に釣りに行き、カサゴ、ブダイ、イシダイ、ベラの入れ食い状態。
大満足。
カラヘオの丘から夕陽を撮って、今日はおしまい。
そして、今日はシュガートーストブルースの最終回がやってきました。
ありがとう、ブルース・カイパンさん。
俺が感じたのは「みんな仲良くサーフ」ということです。
山内さん、そんなにえばらないで下さい。
明日からの第3弾は予告なしでお届けします。
お楽しみに!
(実はまだ決まっていないのです….)
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(昨日からの続き)
2日後、紀伊半島の沖合いで、いまだ勢力を衰えず北上する台風24号がリーフに素晴らしいウネリを届けていた。
リーフの棚に炸裂してブレイクするその波はあまりにも美しく、完璧なシェイプでブレイクしていたが、ロータイドと重なり、その掘れ方とサイズに誰もパドルアウトできないでいた。
たいがいこんな状況の時は山内が一人パドルアウトしていくのだが、その山内もポイントを見渡せる丘の上に立って腕組みをしながらブレイクを見つめているだけだった。
「ケンちゃん、マジで行くのかよ?やめとけよ」
無言で7’2”ガンにワックスアップをしていた健一郎は、泰二の静止にニッコリ笑って答えた。
「Goでしょ!」
何度か巨大なスープに押し戻され、逆さになりながらも健一郎はアウトに出て、フゥーと呼吸を整えて岸を見ると、丘の上はギャラリーでいっぱいになっていた。
「うへ?、すげえ!いつも割れてるトコより全然沖じゃん。セカンドリーフ?なーんて。今日はノーサーフっすね」
先日ブルックスサーフのデッキにいた若者達も次々と丘の上に到着して山内の隣に陣取ると、アウトで一人波を待つサーファーの姿を発見した。
「え?マジ?誰あれ?山内さん、あれ誰っすか?」
若者の問いかけには耳を貸さず、山内は健一郎の動きを追っていた。
健一郎は、山のようにうねるセットの一本目を見送ると、二本目の波に向かってパドルした。
今まで経験した事のないサイズにプレッシャーを感じながらも、ノーズを反転し巨大なウネリに合わせるようにパドルすると、スーっと何かに持ち上げられるような感覚を得た。
「今だ!」健一郎はグッとノーズを下げテイクオフすると、凄いスピードで一気にボトムまで滑り降りていった。
そのスピードと前方に見える波の壁に躊躇してバランスを崩しかけた健一郎だったが、なんとか体勢を立て直し、ボトムターンすると巨大なバレルが健一郎を包み込んだ。
しばらくバレルの中を走っていたが、波を巻き上げるパワーと硬いフェイスに耐えきれず、そのままの体勢で波と一緒に巻き上げられた。
最初の衝撃で、今まで体験したことのない激しさで水中を吹っ飛ばされた。
息はもちろん、思考までも止めて、その恐ろしい波の中を漂った。
ある程度したところで、揺らぎ遠くになった海面の光を確かめると、努めてゆっくりと泳ぎ、途中でボードが健一郎に追いついて、リーシュを持ちながら浮上していった。
「ブッハー」海面に顔を出すと、歓声とも奇声ともとれる声が丘の上から聞こえてきた。
健一郎は恥ずかしそうに軽く手を挙げて応えると、再びアウトに向かってパドルを始めた。
その後、怒濤のセット群が沖に現れ、その筋は十数本に達していた。
沸くブルックスサーフの若者達。
「ははん、あいつの臨終を俺たちは見れるというわけっすね」
「最高ー、喰らえ、喰らえー!」
「あんな奴沈めちゃえっ!!」
次々と最低なヤジを飛ばす若者たちを山内はとがめた。
「お前らな、あの波の下に行ってからそう言ってみろ!」
全員恥ずかしそうに黙る。
海に目を戻すと、まず一本目が健一郎に降りかかるところだった。
ボードの上からワイメアジャンプで飛び込む健一郎。
リーシュから引っぱられたガンが波に吸い込まれ、2度ほど泡の上に姿を現し、また深く消えていった。
しばらく発ってからやっと浮いてきた健一郎に再び襲いかかる波群。
彼はやがて、鳥居がある岬の前の岩場まで押し流されて、それでもチャンネルに向かってパドルを続けていた。
全員がそのリアルで、危険な状況を見て、息を飲んでいた。
やがてセットは去り、カレントは健一郎をチャンネルまで押し出した。
チャンネルをリズム良くパドリングする健一郎。
彼が沖で波待ちをする頃には、見物者たちには長い時間が経っていたように感じた。
またセットのうねり群が水平線から一本、さらにと続いてやってきた。
ガンが小さくなったように感じられるほどの圧倒的なフェイスに漕ぎ入ろうと、パドリングをしていくのが見える。
一瞬波が切り立ち、リップが大きく動いた。
オフショアのスプレイが彼を隠し、見えなくした。
その次の瞬間、健一郎はビッグドロップの姿勢を立て直し、ボトムターンに入った。
そのまま斜面を滑走し、山内を除く全員が大きく「ウオー!!!」と力強い歓声を上げた。
プルアウトまで見届けて、若者のひとりが「やばい…」という表情で山内を振り返ると、腕組みをし、険しい顔で見ていた山内はふと口元を緩めてつぶやいた。
「わからされちまったなぁ。小僧、俺の負けだ‥」
山内は、いち早く丘の上からクローズアウトセットを確認すると、健一郎に向かって指笛でその危険なセットの到来を知らせた。
台風24号、いみじくもこの台風についた名前は『PEACE』だった。
完。
cブルース・カイパンズ2007
感動巨編!涙です・・・・
巻かれている時に息を止めて読んでいました。
しかしガッハッハーオヤジはどこに??
フナキさん、ブルース・カイパンさん、ありがとうございました。
変化球の後は、やはり直球ストライク勝負なのですね!
ローカル問題云々はさておき、こんな形で認められるのはカッコイイです。
次回作も期待しております!!ぜひっ!
一朗51さん、
>しかしガッハッハーオヤジはどこに??
ここにいそうです。
一朗51さん!
あなたこそが大崎均さんでは?
名乗り出てくれたら、ワックス(トロピカル)一個差し上げます。
海パン師匠に3000点?座布団5枚??(笑
又、いつかフリマで会いましょうね。
寒空の中、毎日ルアーを投げてみるが2007初ヒットは未だ・・・暖かい海が恋しい今日この頃。
PEACE!
Surf で示す、能書きはいいから、、、と。
そのレベルに昇り続けたいです。
押忍。
一番アウトで待って
一番大きい
一番良い波に
漕ぎ出したらビビッても止めず
扱けずにボトムまで降りろ!
と横に走れない初心者の私に師が教えてくれたのを思い出しました。
サーフ界系のルールが勝っちゃった!殴っちゃうのは・・だったけど、血の気が多いお年頃は、そんなこともあるかもしれましぇん。男の世界は、いつでも勝負なのか?(^-^)v☆
ブルース・カイパンさんへ
楽しかったですよ!お父さん・健一郎 カッコ良過ぎです。次回作も楽しみにしています。
《湘南某有名Shopでの出来事》
WAXがなったので、初めて某有名Shop入りました。WAX購入後何気なく板を眺めていると、経営者(サーフィン界では有名人)にこんな事言われました。『ここえらの海に入るなら、内の板が一番顔利くよ!』
こんな感じでは・・何時まで経っても社会からは変わり者の集団にしか思われないと思います。
素晴らしい時間,空間,記憶,感覚,感性,友情を与えてくれるものなのに何だか悲しくなります。
いい話ですね!
感動しました。
なんかグッときました。
さすが海パンさん。
またここで感動出来るとは最高です。
また超大作をお願いしますね!
@ブルース・カイパンズ
「Goでしょ!」
はい、GOSURF!です。
そのために、いつでもレディできているのが理想。
体調と道具、そしてイメージを整えておきましょう。
fgさん、
こういう波乗りのわかるローカルならまだいいですね。
取り巻きもはじめて勉強したと思います。
次回作はどんどん届いていますが、なんでも対決にしちゃいました。(笑)
ヴィナカ・インサイダ~ズさん、
海パン師匠は七里に出没するのでセブンイレブン行合川店でサインをもらおうと思っています。
GTの子供狙いでしたが、結果五目釣りとなりました。
50分くらいで10数匹釣れたから楽しかったです。
マーボーさん、
サーフで示す。
その言葉通り、大波がちょうどやってきたところにフィクションの妙があります。
押忍!
じーじさん、
さすが師匠です。
躊躇(ちゅうちょ)すると、怪我しますから。SDTS(ASR)は一緒に来られるかと思いました。
t-meanさん、
男はいつでもバックギャモンで勝負しています。
波モンダイはこういう波勝負だったらいいのに…。
ローカルも育ちます。
TAKEOさん、
顔が利かないとどうなるのか、怖いです。(笑)
もうそういうことは、「大化の改新(645)」時代以前のことかと思っていました。
蘇我氏の運命いかに!
markee.さん、
このイメージを鹿児島で広めてください。
markee.さんが崖の上で腕組みです。
クエスト#003さん、
なにか重要な秘密を知っているようなブンタイです。
福島の波はいかがでしたか?
先日の低気圧は大きかったのではないでしょうか?
カ○スでしたか?
得♪さん、
GOさんですね。
体調とイメージは大事です。
でもけんいち氏が大事にいたらなくてよかったでござる。
いざとなったら拙者が助けたのでござるが…。