「朝食だー」
といいながらチャドの案内で歩いて行くと、部落で最も海に近い家に入っていく。
ここが、かのジョンソン婦人の家だという。
窓からふりそそぐ陽がとっても優しいリビングルーム。
壁に飾ってある写真や絵を見ていると、少年時代のチャドが写真の中にいた。
「!」
ジョンソン婦人とはチャドのお母さんだったのだ。
黒犬ウイリーのお母さん犬、この秘密のサーフポイント、すべてが今つながった。
残念ながらジョンソンさんは今仕事で留守なのだそう。
チャドが作ったタコスを腹一杯食べる。
昼寝をするベーン。
洗い物をするアドルフ、ドノバンは陽の当たるカウチの下で猫を抱いている。
俺とブライアンでバックギャモンを何回かやっていると、いつのまにか外に出ていたドノバンが
「ハイタイドの波いいぞ!」
と帰ってきた。
のそのそと見に行くと確かに入り江の奥で不規則ながらも感じのいい波が割れていた。
ドノバンは
「軽く浸かってくる」
と、さらなる波体験を求めて崖を降りていく。
ブライアンもボードにワックスを塗りはじめた。
入り江は崖に囲まれているために風は感じず、暖かい陽の集会所だった。
心地良いエリアで波を眺めていると、ドノバンが岩の間を縫うようにして波の上にいた。
彼は岬から発生するバックウオッシュを利用し、深いターンや速いトリムで乗ってくる。(余談だが、帰り路、俺たちはこのポイント名を『ロックンロール』と命名した)
ブライアンは岬北側サンドバーのセクションで、得意のカットバックを繰り返している。
俺たちの横を滑降するペリカンの群れ。
ここにいる誰もが幸せな気持ちに包まれた。
波乗りロックンロールを終えたドノバンが海から上がり、沖を振り返ると、アザラシが岩の横ーーたった今波乗りしていた場所に顔を出していた。
「クールなアザラシだぜ。あいつ俺達と一緒に遊びたかったのかな?」
とうれしそうなドノバン。
波を求めてさらに北上することにした。
最後に『ロックス』を振り返ると、一匹のイルカがポイントを流れるように泳いでいた。
海の中からアザラシが腕の間に顔を出し「アザエアシだよ~」って言っている夢を昨日見た。だからビビった☆
t-meanさん、
やはり…。
不思議ですね。