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naki's blog

“広漠たる海を彷徨うために”_階級なき小宇宙なる海_波乗道と武道の違いはニッコリ_(1206文字、短編です)

この写真は、

波の切り立ち

陸風

強い流れ

うねりの角度

拡がった斜面の距離

という波乗りの持つ、

包括的な諸主題を提示している。

いま俺は、

ひたすらに波乗りの苦悩と快楽の中に入っている。

今日もこのことを自身に、そして他者に伝えたく、

広大なる沖に漕ぎ出ると、

推進

炸裂

衝撃

をまず感じ、

次に、

抑圧

均衡

溺惑

敢然

墜落

解体

探求

標的

一途

飛躍

創造

滑走

感銘

萌芽

という順序で波乗りの持つ陰と陽、

つまり光と影を受けていた。

そして、

「波は平等」

ということに今さらながら気づいた。

「差別なき世界がここにはあり、

身分も言葉もなく、

そんなすばらしいことだからこそ好きになったのだろう」

と再確認しながらコーヒーを飲んでいた。

「波乗りは平和」

「海で遊ぶことは心の救済」

ということに帰結、

いや、帰趨(きすう)していった。

「この光に満ちた、輝く波世界に対して自問する」

どうも青くさく、

埴谷雄高さん文体風で例によって難解なのだが、

朝日に輝く飛沫を受けていると、

文体は自然と青くなるのだろう。

『楽園の中の孤独』

こう書くと寂しいが、

この読み方はそうではなく、

“広漠たる海を彷徨うために”

それもいつも考えていることなのである。

そんなとりとめもないことをここに書き留めてみた。

こんな日もある。

夜明け後、波はこう見える。

バレル内をらせん状に抜けてくる光矢。

めくるめく、自然芸術。

.

.

.

.

.

.

波の下に潜るのは、

そこに

“波の裏に出られる道”

があるのを知っているから。

でないとこのサイズの波を受けて、

まともではいられないだろう。

上の写真では、

最も暗い部分なら安全快適。

ちなみに俺は「ひゃぁ?!」

と思いながら潜っています。

怖い50%、スリル25%、歓び25%。

↑波のインパクト(炸裂)を過ぎて、

泡の下側。

ライブだとバックステージか、

ん、違うよな。(笑)

最後にはこの泡層に突入し、

海面まで上がらねばならないのだが、

この泡層に入るのを遅らせれば遅らせるほど、

苦難が比例的に減っていくので、

ここで待てるだけ待つようにしている。

ダックダイブだと、

海底に平行とし、

そのままこらえている状態ですね。

増殖する泡の向こうに安穏な海面があるとは信じがたい。

まるで乱雲であるが、

俺たちはいつもこれを突き破っている。

上がると、さらなる試練波が来ているときもあるし、

そうでないときもある。

波乗りの辛苦がここにあり、

この荒波を越さないと、

明星はやってこないことを知っている。

まるで人生である。

波に大小強弱あるけれど、

苦難と同じだけの愉楽があり、

それを与えてくれる海は誰にでも公平だ。

怖かろうが、

楽しかろうが、

泣こうが、平等に波は押し寄せてくる。

それに向き合うことは精神再生鍛錬みたいなもので、

武術に通じていると思える。

そんなことも含めて、波乗りはすばらしい!

『いつまでもサーフ』

これも波乗道からの教え。

武道と違うのはニッコリとできるということか、

どうぞどうぞ楽しくね?。

どうぞすばらしき週末をお迎えください!