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naki's blog

Adios Mexico! アディオス・メヒコ!(さよならメキシコ)_(1444文字、短編です)

さよならメキシコ。

さよならイスラエル。

さよならウニ畑岬。

さゆなら小百合太。

さよならバンダ楽団。

さよならバンダ猫。

こちらはインターネットバールのホセ。

接続のパスワードを聞くと、

“ウノドストレスクアトロシンコセイスシエテオーチョヌエベセロ”

(1234567890)

ということで、

キーボードキーを左から右に0.8秒動かすと入力できる迅速さにも

「さよなら」。

さよならドン・エスコンディード大地。

彼のスペイン語にもグラシアス(ありがとう)。

さよなら街頭食堂。

さよならフィッシュタコス。

さよならテキーラ。

さよならセルベッサ(ビール)。

この地での夕陽にも。

さよならラ・クルス・タウン。

さよならプンタ・ミタ(ミタ岬)。

旅とは、望むとも望まなくても。

出会った新しいもの、愛したもの、

全てにこうして

「さよなら」

としなくてはならない。

「また戻ってくるよ」

とは、旅の終わりによく使うフレーズだが、

この時間と同じものは、二度とない。

だからかけがえのないものなのだろう。

そんなことを考えていた。

けど、俺がいなくなっても、

波はブレイクし、猫は睡り、

人々は陽気で勤勉に生きていくのだろう。

出発前はこの地を見くびっていた。

というより怖れていた。

「危険」

「麻薬」

「マフィア抗争」

「泥棒」

メキシコ本土というと、

こんな言葉を思い浮かべていた。

それがこの地に来てみると、

そんなことはなく、

毎日ニコリンとサーフし、

海からのエネルギーを受け、

地のものを食べ、そしてたっぷりと睡ると、

不思議なもので、何かが俺の体内に入り込んできた。

さらにはメキシコ激動の歴史を学び、

国民が感ずるもの、失われた土地に同情もした。

経済は上り調子だというが、街や村に映る国民たちは、

「働けど働けど…」という乏しい収入だろう。

その代わり、「自由なる」

という言葉を多く見かけた。

逆に言えば、それに気づいた俺は、

彼らのように自由になりたかったのかもしれない。

日本から太平洋の水平線に向かって、

一万キロメートル以上離れたメキシコはナヤリット州。

色彩豊かで、乾いた大地には、

暖かく、楽しい魂がたくさん舞っていた。

明日もきっと晴れているのだろう。

みんな元気でね。

俺も健康にして、また戻るから。

「ひとつの旅が生を変える」

そんな言葉が浮かんできた。

トド・ビエン。(全て佳し)

(メキシコ本土編、了)

(補足、または蛇足)

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/19352

昨日ポストしたグリーンフラッシュ。

http://www.facebook.com/nakisurf

このNAKISURFフェイスブックでも反響があったので、

ウイキペディアで調べてみると、

以下の情報が掲載されていた。

.

グリーンフラッシュ (Green flash)とは、

太陽が完全に沈む直前、または昇った直後に、

緑色の光が一瞬強く輝いたようにまたたく、非常に稀な現象。

緑閃光ともいわれる。

地球の丸みに沿った大気によって、

太陽光はプリズムによって曲げられるのと同じように屈折するが、

大気の波長分散によって短い波長の光だけが届く条件で、

大気のゆらぎによって(緑に)またたくものと考えられる。

高い山、離島など、

空気が澄んで遠くが見渡せる場所から見られる場合が多いが、

その確率は非常に小さい。

見られる確率が非常に小さいことから、

ハワイやグアムでは、

グリーンフラッシュを見たものが幸せになるという言い伝えがある。