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naki's blog

アロハなグビグビー!

グビ。

マンゴーの季節です。

どこに行ってもマンゴーがあり、その味は胸を打つほどに甘く、溶けるような余韻は今までの記憶をなくすほどだ。

これはジェイミー家の成り方で、大粒でおいしそうなのがそろそろ熟してきています。

でもジェイミー家は大所帯なので、こちらには回ってこないマンゴーと知りながら「写真だけでも」と接近してパシャリしたのがこれ。

甘い香りを放ち、こんな蜜がすでにタラリ。
おいしそう。

グビグビ。

さて、昨日はあれから風が強くなり、フレディが「闘牛岬はまだオフショアだぞ」と聞き、行ってみるとハイウエイには車がたくさん停まっていた。

I have a bad feeling about this.
(嫌な予感がする=スターウオーズでの決まり文句ですね)

とブレイクまで行くと、サーファーが佃煮にするほどいっぱいいました。

なぜこんなに混んでいるかを分析すると、

1.夏休みである

2.一番潮の良い時間であった

3.うねり4日目で、有名な波だった

4.週末

5.どこも風が悪く、ここが唯一のオフショアコンディションだった

6.前日は空いていて、なおかつうねりの向きが良く、かなりいい波でそれが伝わっていた

こんなことがあって、この異常なる混雑となっていたようだ。

とにかく人をかき分けるようにパドルアウトすると知った顔もあり、でもみんな笑い顔が引きつっていた。

うーむ、とラインナップに入り、一本目の波に乗るが案の定前乗りされた。

前を行く20代のサーファーは必死の形相で前に前に乗っていくのだが、2ターン目で追いついてしまった。

レイルとレイルが並び、彼はこちらを見る。

もうこれで観念するだろう、と思ったらさらに乗っていく。

あまりにも力の入った彼の波乗りは当然のように遅く、また追いついたのだが、波から降りる気配がないのでこちらからベイル(プルアウト)した。

こんな始まりだと、通常ピークで波を待つ気がなくなってしまい、奥の「10パームス」という10本椰子の木が立っている前まで行く。

ここは浅すぎるので、あまり人がいないのだ。

でもここで俺が1本乗ったらボディボーダー2人とロングボーダー3台、あげくの果てにはスタンドアップのつがい(2台)までやってきてしまった。

そこで、「ロックパイル」というさらに奥のピークに逃げる。

この闘牛岬はインサイドから測ると約800mものブレイクが連なっているトカラ列島のような形容なのです。

ここにもロング3台、ガンタイプのオジシャン(おじさん)が3人、他5名という陣容でもう仕方がない、とあきらめてサーフするのだが、波数が少ない上にわりとタルいブレイクなので、ショートだとまともなシェイプの波に乗ることができない。

しょうがないので、「どうぞー」、「ドーゾ」と波を譲るのだが、それに対して誰も譲り返してくれないことに気づき、打ちのめされるように消沈してしまった。

無償の愛とあるが、俺のはうわべだけの愛なので「俺も波に乗りたい」ということは誰も気づかないようで、というよりみんな自分が波に乗りたい、ということだけを考えているようであった。

例えるのなら「災害時の暴徒に近い目の中の炎」が周りのサーファーたちに間違いなくあった。

「もう闘牛は嫌だ!」とがっかりしながら小さめの波に乗って上がり、浜でクレイグに会った。

彼は沖で俺と同様にアロハ精神に乗っ取って、波を譲っていた同胞で、彼も打ちのめされていて、「アロハはどこにいったのだ?」とこちらも俺と全く同じ感想を述べてきた。

「波乗りマインド不信」となりながら車を走らせ、家に戻り、それを思いだして悔睡眠しながら今朝4時となった。

一度起きるが、昨日の「闘牛波乗りガッカリ体験」にやる気が起きず、2度寝。

はっ!とまた目を覚ますと、窓の外は夜明け色になっていた。

このままでは悔しいので、風が合っていないはずのホワイトハウスに向かう。

太陽が昇りはじめたと同時に到着。

波はサイズダウンしたものの、干潮と相まってなんとかオーバーヘッドはありそうだ。

パドルアウトしていくと、波数がぐん、と減ったようで一向に波が来ない。

でも、人がいないというのはこんなにも気持ちが良いものなのか、と再実感しているとククイウラ港から太い虹柱が上がった。

そしてあれだけ吹いていた風が止んできた。

良く晴れて、青い水、珊瑚礁、沖には海亀が3匹。

うーん、アロハだなあ…。

とうっとりしていると、前出したクレイグがにっこにこ顔でパドルアウトしてきた。

「おー、今日のここはばっちりアロハだぜ!」と言うと、彼は

「虹とアメの中、やってくるナミ見てました。とてもイイデスネ」

と日本語。

クレイグは日本に住んでいたこともあり、とても上手な日本語を話すのです。

そんな彼と4時間に渡るゆったりのアロハセッションを通過し、ふたりでにっこにこで浜に戻り、昨日の忌まわしい記憶を浄化したのでした。

上がってきて、うれしいので朝食を食べながらビールをグビー。

禁酒明け、そしてこんなアロハな日のビールはうまい!

グビギビー!

酔っぱらってしまい、その後少し昼寝というか朝寝。

シェラトン・リゾートというホテルが南側にあるんだけど、そこで歩行者天国、バンドステージ3カ所、出店18店というお祭りがあって行ってきた。

ここでもピールをグブグビーと飲み、さらに酔っぱらって帰ってきてこれを書いています。

これを書きながらまたビールをグビと飲み書いています。

酔いながら書いていくというのはこのブログでははじめてで、どんどん文体が甘くなるけど、それも気持ち良い。

サーフィンはサイズでも風でもなく、やはり「こころに感じる空間を味わうもの」ということがわかった2008年の7月です。

まあ、そんなアロハな日でした。

満月がきれい。
少し欠けちゃったなあ。

ガビグビーー!


7 thoughts on “アロハなグビグビー!

  1. んがお

    本文とは関係ないんですが、今日サーフィンの帰りに「練乳氷と粒あん団子のせ」を食べてみました。とてもおいしかったです!これはサーフィン後の定番になりそうです。
    酢とラー油のうどんもよく食べてます。
    またおいしい食べ物や食べ方があれば紹介して下さいね。楽しみにしてます。

  2. 723男

    ノースハワイでも混むんですね。

    しかし、本日の湘南はたぶんその百倍でした。

    朝の七時には駐車場満車、腰の波にロング・ショートのごった煮。

    色々と考えされられる一日となりました。夏は毎回ですけどね。

    まぁしょうがないか・・・

  3. のり

    まわりに影響されないアロハな精神を持ち続ける事って、日本ではもはや修行の域を超えとても困難ですね。。
    気持ちよくサーフィンをしたいが為、時にはトリップに出かけます。

  4. ふなき

    「練乳氷と粒あん団子」最高です。
    これは日本ならではのお味でかなりうっとりとしちゃいます。
    お酢とラー油のうどんもおいしいですよね。
    値段はC級、味A級という食べ物をどんどん探します!

    混むのです。
    特に闘牛は混みます。
    湘南も混みますよね。
    こんな日は考えさせられます。
    ずっと、待ちに待った夏なので、いざ来てみると「夏さんってこんなだったっけ?変わっちゃったなぁ」という感想です。

    まわりに影響されないアロハって、もう達観の域に到達していないと難しいですよね。
    トリップの良さは波乗りだけではなく、道中の食べ物や景色、そして新しく得ることだと思います。
    どうぞ佳いトリップに出発してください。

    蜜だらけで手はべとべとになります。

  5. Q

    ”サーファーが佃煮にするほどいた”

    このくだりがナキさんっぽくて好きです。

    オレもスラっと、こう言う例えが出てくる
    男になりたいと思った今日この頃です。

    コメント書きながらゴビグビガビーとやってます。波乗り後なんで更に最高ですね。

    皆さん、ハッピーな睡眠を!

  6. ふなき

    おおー、このくだりを読んでブンガクとわかってくれる人がいて、うれしく朝からグビーっといきたくなりました。
    波乗り後のグビガビー、最高ですよね。
    コメントありがとうございます。