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名月に 逆真なのか 夢の波_500マイルの晩秋センチメンタルジャーニー 

前回の満月時は西に沈んでいたのに、今回は北西に沈んでいった。
月の移動は早い。

朝陽の柔らかい色と、黄金色の月。

まるで「美しい歌詞」がこの風景に浮かんでいるようだ。

山の向こうに沈んでいった満月に「さよなら」、次は12月13日頃ですね。

目を落とすと、ハイビスカスが咲いていた。

ファインダーを覗くと、これも歌みたいだ、とゆっくりとシャッターを切った。

普段の夜明け頃はいつも「波、波、波」とやっているので忙しいが、こんな朝もいいな。

ブイを見ると、「12.8ft 16 sec」となっていて、この冬最大のうねりが届いている。

波情報には
Surf along north facing shores will increase to 12 to 15 feet tonight, then build further to 14 to 18 feet, with locally higher sets to 22 feet, Thursday.

「12?15フィート、それからさらにサイズを上げ、14?18フィート、大きなセットは22フィートになるでしょう」とある。

22フィートのセットは高さ7mであり、この16秒という波の厚みを想像するとそれは分厚く重厚だろうな。

この北西うねりだと正面からうねりが来るソフトサンドは、軽くクローズアウトしているのだろうか。

地形の決まっていないイナリーズ、メジャーリーグベイもこのうねりで砂が動くだろう。

で、今日はどうしようか?

と悩んだ末、南のホワイトハウスに行ってきた。

季節外れの南東うねりが入っていて、ちょうど干潮、無風のコンディションなので遊べる波だと判断したのです。

これが正解で、無人無風の美しい斜面を滑ってきました。

逆もまた真なり。

先ほどオフィスに着いて仕事を始めるとカイル(鞠黒)からTELがあり、

「どこでやった?」

と聞かれたので、ホワイトハウスと答えると、冗談だと思って笑っていた。

彼はソフトサンドとメジャーリーグベイの中間の突端岬でトーインをやっていたのだそうで、それはすごい波だったそうだ。

本来なら俺もどこかに良い波を追い求めに行くべきなのだろうが、『連日のソフトサンド詣で』からか体も限界に達し、仕事も少し溜まってきているので、「逆もまた真なり」を体現化したのです。

大波日 こころ休めて 小波乗り

という句が今の俺を表現してくれています。

さあ仕事するぞ?。

(おまけ)

「次の汽車が駅に着いたら」

「この街を離れ」

「500マイル」

これは1960年代のヘイディ・ウエスト(Hedy West)の詩曲(アルバムは1963年発売となっている)で、忌野清志郎さんが訳詞をつけて、芸術まで達したと感じる曲です。

500マイルとは800kmの距離だが、当時にしたら遙かなる距離だろう。
特にこういう出稼ぎ系の出発は、金銭的に戻れる距離ではなくて、一度離れてしまうとそれは大変だったようです。

主人公はその出発の気持ちを歌いあげているのだが、現代の俺たちはここまでセンチメンタルなのだろうか?

と自問してみた。

飛行機、自家用車、新幹線等々、交通が発達したおかげで、この距離を縮め、最後には心を縮めたのかもしれない。

と考え、歌に入り込んでその時代に回帰すると、涙があふれて止まらなくなった。

そして、このように決意を胸に秘めた人になろうと思いました。

感傷的なのは晩秋の特徴なのでしょうか?

こちらが清志郎さんの歌う美しき『500マイル』

バックコーラスとベースには坂本冬美さんと細野晴臣さんという豪華キャスト(HIS)ですね。

次の汽車が 駅に着いたら

この街を離れ 遠く

500マイルの 見知らぬ街へ

ぼくは出て行く 500マイル

ひとつ ふたつ みっつ よっつ

思い出数えて 500マイル

やさしい人よ 愛しい友よ

なつかしい家よ さよなら

汽車の窓に うつった夢よ

帰りたいこころ 抑えて

おさえて おさえて おさえて おさえて

泣きたくなるのを 抑えて

次の汽車が 駅に着いたら

この街を離れ 500マイル

こちらがオリジナル時代のバージョン

If you miss the train I’m on,
You will know that I am gone,
You can hear the whistle blow a hundred miles.
A hundred miles, a hundred miles,
A hundred miles, a hundred miles,
you can hear the whistle blow a hundred miles.

Lord, I’m one, Lord, I’m two, Lord,
I’m three, Lord, I’m four, Lord,
I’m five hundred miles a way from home.
Away from home, away from home,
Away from home, away from home,
Lord, I’m five hundred miles away from home.

Not a shirt on my back,
Not a penny to my name.
Lord, I can’t go back home this-a way.
This-a way, this-a way,
This-a way, this-a way,
Lord, I can’t go back home this-a way.

If you miss the train I’m on,
You will know that I am gone,
You can hear the whistle blow a hundred miles.
A hundred miles, a hundred miles,
A hundred miles, a hundred miles,
You can hear the whistle blow a hundred miles.


13 thoughts on “名月に 逆真なのか 夢の波_500マイルの晩秋センチメンタルジャーニー 

  1. no name

    「大波日 こころ休めて 小波乗り」
    あぁ……なんかすごくよく分かる気が。
    私も敢えて、その日一番波の良いとされるマリブや部原を避けることがよくあります。
    お祭り気分でその日最高のポイントへの一番乗りを狙うのも楽しいですが、無人のポイントに入ってあのえも言えぬ孤独感に浸るのも私は好きです。

  2. Fg

    連日の完璧波で身も心もあらわれピュアな身体になられたような。。。
    そんな時に、こんな曲は染みますねぇ~。
    そんな時間、僕も欲しいです。
    羨ましい~ぃ

  3. とおる

    とても深い深いです。

    時代とともに縮んだ心は、また伸び伸びとできる時代に戻るのかなあ。

    清志郎さんの声も詩もこの時代のようで、今聴くとよけいに感傷的になりますね。
    少ない言葉でゆれるメロディの歌がまた聴きたいです。

    晩秋だなあ。

  4. とおる

    とても深い深いです。

    時代とともに縮んだ心は、また伸び伸びとできる時代に戻るのかなあ。

    清志郎さんの声も詩もこの時代のようで、今聴くとよけいに感傷的になりますね。
    少ない言葉でゆれるメロディの歌がまた聴きたいです。

    晩秋だなあ。

  5. ふなき

    そうなんです。
    みんなと逆のことをしたくて、こうしました。
    おかげで気分爽快、体力復活しました!
    最高です。

  6. ふなき

    そうなんです。
    今真っ白です。
    あしたのジョーの最終コマに近い気持ちでしたが、本日充電しました!
    明日またソフトサンドに行ってきます!

  7. ふなき

    すばらしいメロディに美しい詩

    秋の夢ですね。

    またみんな伸び伸びしますよ。
    こういうやさしい歌をたくさん聴きたいです。

  8. misa

    やさしい人、いとしい人から遠く離れて、強く生きていかなきゃいけないのですね。¨さっきはひさっき、今は今¨名言ですね~。
    でも、どこに行っても無償の愛で迎えてくれる海があるから大丈夫。。。

    昨夜、ヤマネコ島の満月も素敵でしたよ。

  9. TAKASHI

    デカくてジャンクな波、自分以外誰もいない波一本乗れればいいやなんて気持ちで今日も入りましたがサーフィンというより自然と一体になるという感じで青い海、青い空、白い雲を感じながら波に揺られ海藻のように漂いました

  10. マーボー

    忌野清志郎さんの意訳に脱帽です。
    言葉じゃなくてハート&ソウルを訳さないといけませんね。
    良いインサイトになりました、ありがとうございます。

  11. ふなき

    大きかったのでしょうね。
    海藻のようにただようのは大好きですが、今は怖くて目を開けていません。