新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

CANVAS広告撮影の舞台裏_フラッフィーは広告モデル (=^x^=)_(2503文字)

「NAKI!すごいよ!

次のオンザボードのバックカバーはCANVASデス!」

「え、すごい!デザインは決まった?」

「まだデス。Mヘンシューチョーは、

サーフィング以外で、という指定なので相談してマス」

「うーん、どうしようか?」

「矛盾や混沌、そしてそれらを振り払って、

昇華したようなカタルシスを表現できますか?」

「あ、”ヒプノシス (Hipgnosis) の牛ジャケット*みたいな感じはどうでしょうか?”

とラツワンヘンシューチョーが言っていたことを思い出しました。あの話はこの広告のことだったんだね」

「きっとそうデス」

クリスちゃん(クリスチャン・ワック)と広告の相談をしていた。

(*牛ジャケット=原子心母 Atom Heart Motherのこと、ピンクフロイド1970)

まずは俺のサンオノフリー・ワイド版で、ヒプノシス風のをパシャリ。

「よし終わった!」

「せっかくだからもう少し撮りまセンカ?」

「そうだね、夕陽バックのクリスちゃんログ2本というのは?」

「スバラシーです。カリフォルニアのカタルシスの瞬間です」

「じゃあ、これは?」

「前ボケ、最高です。

キャンバスとNATION工場を背景に入れたのも、

ちょっぴりボード出自に対しての示唆があってすてきです」

「よし、この三種があればヘンシューチョーも満足するだろうね」

「あ今、いいことを思いつきマシタ」

「何を?」

「The Dangersのみんなを呼んで、

バイクとサーフボードという主題で撮りましょう」

「いいね?」

「電話シマシタ。今からここに来るそうデス」

「早いね。まるでピザの出前みたいだな」

ダダダダー

「来た来た、きっとこれは彼らです」

「こんなに早く!」

バダダダダー

バウッ!

とターナーがダートバイクでバリバリ崖を登って、

フワリと頂上に着地し、

ブレークもドドドーとこの急斜面を駆け上がってくる。

ホイールスピンがすごい。

ジェイクもハスラーで登場。

4V&9610(シブイ&玄人c木村さん)

ターナーは高速ドリフトで、

この旋回くん状態をやけに楽しんでいる。

俺もいつかやってみたい。

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みんなが集まったので、まずは一枚。

パシャリ。

やはりTHE DANGERSは絵になります。

ターナーが戻ってきて、

土煙をまき散らしながらウイリーして、

これらのイメージがやけにパワフルで、

俺たちは大感動。

「お疲れさま?」

と帰ろうとすると、クリスちゃんが、

「フラッフィーにノーズに乗ってもらって、

ハング20をやっているところを撮るというのはどうでしょう?」

というので、行こう行こう!

とやってきたのはクリスチャンの住むワック家。

「まずはここにボードを置きマシテ」

「クリスちゃん、フラッフィーいるかな?」

「大丈夫デス。絶対にいますから」

と家に行き、すぐにフラッフィーと一緒に戻ってきた。

ぬいぐるみみたい。

みー。

フラッフィーはいわゆるネコなのだが、

『フラッフィー』

という固有種であるようにも感じる。

顔が黒く、平和主義で、大きく、ふわふわで、遅い、歩く速度がのろく、

どこまでもリラックスしていて、睡眠時間が1日23時間とクリスちゃんは言う。

怖がらず、ネズミも捕らないし、動くものにも無反応であるというので、

やはりネコではないのかもしれない。

「フラッフィーはさ、俺たちが何をやりたいのか理解しているかな?

「タブン、大丈夫です。よし、乗りました!」

「フラッフィー、前に歩いてー」

「ムーブフォワード・フラッフィー!!」

しかし一歩も歩かずにストリ。

降りてしまいました。

そして、ノッシノッシとのんびり家に帰っていきます。

「もう一回撮ろう、待ってね」

と俺が言うと、ヒトが歩くより遅いフラッフィーは、

いとも簡単にクリスちゃんに捕獲されました。

みー

もう一回乗ってね。

ストン。

「また降りちゃったよ。

あ、走った、フラッフィーが走った!」

「大丈夫デス。ホイ」

「….. 。簡単に捕まっちゃうんだね」

「そうなのです。あまり逃げる気がないと思いマス」

「ボードの上を歩かせなくてもいいから、

そのままノーズに乗せてあげてみてください」

「ダメです。ウオーキングはノーズライドの基本デス。

歩かないでノーズに行くのは認めません」

「(°x°)クリスちゃん、本気で言っているの?」

「HAHAHA冗談です。乗せましょう。

WOW!フラッフィーはノーズが好きみたいデス。

ハンギングしてますよ!!」

パシャパシャリ!

よしよし、みー

あれ、寝ちゃったかも。

たくさん撮ったので、もう大丈夫。

フラッフィーを起こして、さよなら?。

と解放すると、お腹が空いたのか家に戻っていきました。

プレビュー画面を見ている俺にクリスちゃんが近づいてきて、

「撮れましたか?」

「うーん、暗いからブレちゃっているかも」

「ドウシマショ?」

「ISOを上げたら撮れるよ」

「また連れてきます。おーいフラッフィ?」

とフラッフィーがまた戻ってきました(=^x^=)

ありがとー。


「やはりノーズが好きなんだね」

「ハイ、うれしそうにのんびりシテマス」


よしよし、

ご褒美においしいご飯だよフラッフィー。

ご飯を食べた後、

抱いてあげたらすぐに寝てしまいました。

後ろに見えるのはクリスちゃんのお父さんですね。

ありがとう、フラッフィー。

この自慢で渾身のフラッフィーデザインで

「完成シマシタ!350DPIです!!」

と喜び勇んで広告入稿をすると、

ラツワン編集長が

「ナキさん、これはねこ雑誌でなく、サーフ雑誌ですからちょっとこれは…」

「えーフラッフィーです。ネコじゃないとクリスちゃんと話したところです。

フラッフィーはCANVASサーフボードのゆるキャラ・マスコットで、

ニコリンサーフ、ハッピーグライドを伝承する大事なビジュアルです」

「(ややあって)うーん、もう少し硬派な方がいいのですが、他のはありませんか?」

「ボツにしましたが、こんなチームデンジャーズのとか、ヒプノシス風のでしたらあります」

「この写真すばらしいです。ザ・デンジャーズで行きましょう!

天才生越さんに渾身のデザインしてもらいますね」

とこんないきさつがあって、この作品が裏表紙となりました。


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