止まることのない北うねり。
これは何を示唆しているのか。
きっと何の示唆も暗示も、
または明示もないのだろう。
波は無の中から現れて、無に還っていく。
それだけ。
波乗りをする人ならば、
この画像を見たら波の威力がわかるはずだ。
切り立ち過ぎた波壁、
そして豪壮なる分厚い波先。
その重量、破壊力、破裂、絶叫に近い轟音が迫る。
波乗りをしている限りは、
この波に怖じ気づくことなくパドルアウトし続けたい。
だからこそこうしてイメージトレーニングしている。
眼の底に力を入れて凝視していくと、
来たる日の視界が拡がり、
核心が自分を襲うように迫ってくる。
だが、上記したように波は「無」そのものだから、
自から本質に迫らないといけない。
禅問答のようだが、
これもひとつの究極なのだろうか。
あきらめるな、戦え、研げ、漕げ、丹田、
怯むな、こらえろ、耐えろ、眼を開け、
気を入れて、成し遂げろ。
そして笑え。
これはいつも自分に問う言葉。
波に向かい続けていれば、
自分を磨いていられる。
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Kaila’s Catching Dreams
深い海中はまるで宇宙みたいだ。
全てを包み込むような海底。
そこから力を抜いて解放させる。
蹴らず泳がず、
ただただ脱力して浮上していく。
そのときに海面に見えるのは、
跳ね散らばる光輝と蒼い海。
水晶から放射される光線をたぐりながら浮上していくのはたまらない。
いま、ノースハワイは七時に夜が明けて、
六時に陽が沈んでいる。
風を創り出す朝陽、
そして風と一緒に壮烈に落ちていく夕陽。
空や雲を燃やし、
あらゆる光彩を散りばめながら向こう側に落ちていく。
星、月、闇、そして音。
朝陽が昇るまでの夢。
そして夜が明ける。
今日はどんな日になるのだろうか。
北うねりはまだ続いている。
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