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[特大号後編]ミドルス・トレッスルズ_Surf RX “THANG” 6’3″ Bonzer_初ショートボードの高貴な方マコさん_(4033文字)

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Surf RX “Thang” 6’3″ Bonzer

ピンクティントにブラック・フィルコートのクラッシュ加工。

加工ではないですね。

ただ黒いホットコート、またはフィルコートをかけると、

クロスの中、

そしてそれぞれの段差にあるトップコート樹脂が視認できるようになるのです。

下地はピンクティントなので、

こうして機能的なコントラストカラーとなるのです。

ホワイトティントでも白黒でかっこよさそうです。

ということで、

突然的にこのグラッシングにはまっています。

ボンザーフィンの渦浮力ボードが、

ウナクネ乗りスタイルにとても良いことに気づいた。

カリフォルニアのほとんどの波はパワーが弱く、

それは日本の弱波と同等か、それ以下だと思う。

ローワーズとかはパワーもあっていい波だけど、

逆に言うとあそこは、

魚市場の発泡スチロールにフィンを差しただけで、

乗れてしまうほどすばらしい波質であります。

ただ混雑度がS級で、

流行好きな友人が行ったけど、

3時間待っても1本も乗れずに上がってきたのだそうです。

それは波乗りではなく、波待ちだねと言って笑ったけど、

その彼の目が笑っていなかったのを私は見逃さなかった。

話が逸れましたが、

このTHANGは、

ただ滑るだけでもそのおもしろさを感じていただけると思います。

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ミドルスまでは駐車場からおよそ2kmの道のり。

たいていは誰かが犠牲になって、

残りのメンバーをバゼロン・ロードの上で降ろし、

自転車かスケートボードでやってくるのです。

そこからミドルスまではおよそ500mくらいの距離となります。

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今回の犠牲者というかペニー乗り志願者はジョー兒玉さん。

なんと駐車場からミドルスまで2km/17分26秒という世界記録を打ち立てました。

でも初計測だったので、

それがどこまでの記録なのかはわかりませんが、

ご参考までに。

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ジョー兒玉さんご友人の鈴木さんは、

キャッチサーフのスキッパーフィッシュ使い。

6’0″モデルなので、

ロクゼロ・ロクゼロと発音していました。

ピンクボード大流行の兆し。

赤は3倍速。

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ワックスはノーズの先からテイルエンドまでボード全面に塗ります。

これはトム・カレンと、

マット・アーチボルドから教わったことです。

とても役立つことなのでみなさんもぜひ!

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ボンザーくんの乗り味は、

思ったとおりスムース&ファースト。

「柔らかくて速い」ということで、

私の大好きな乗り味なんです。

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潮とうねりの向きの関係で、

大きい波はクローズアウト(日本式に言うとダンパー)系で、

小さめ波なら、

オープンフェイスが出現するのでなかなか良かったです。

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この日は南南西うねりだったので、

ライト9割、レフト1割程度の頻度。

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ウナクネソウルアーチ。

大事なのはスタンスの位置。

ウナクネ界では、

「スタンスを結ぶ」という表現をしています。(笑)

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ジョー兒玉さんはサーフ歴7ヶ月。

すでに高度なドロップニーテイクオフをメイクしているのだから恐れ入る。

10年後にはダクトテープ・インビテーショナルに招待されますねきっと。

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どうです。

テイクオフのこのタッチ。

彼もまた不定期フォードアーズ・サーフ塾生のひとりであります。

DT系。

ご友人の

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ロクゼロ鈴木さんの水温68F(摂氏20℃)グライド。

で、

物語はマコさんのショートボード挑戦へとなっていきます。

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マコさんは、

前出したフォードアーズサーフ塾の筆頭塾生。

なにを持って筆頭かと申しますと、

真剣サーフ歴は2年程度と短いのだが、

その上達曲線がものすごいからなのです。

その純粋で素直なお心と、

波乗りにかける想いというのが常人の10倍はお持ちで、

それは私までも感動させられるものです。

じつはどこかの日系企業のエグゼクティブな方なのだが、

その身分は私たちに明かしてはくれず、

ただその品のあるふるまいと、

言動から私たちは「高貴な方」と影で呼んでいるのです。

さて、

マコさんのこの日は夜明け前からフォードアーズにいらして、

ワンセッションを終えてから歩いてここまでやって来られて

(砂浜2kmくらいでしょうか)、

私たちのパーティに参加して写真撮影をしてくれました。

ウエットスーツは持って来られていて、

狙いのボードはジョー兒玉さんの8’キャッチサーフ。

私が一度上がってきて、

熱い砂浜ストレッチをしていると、

「兒玉さんはいつ上がってきますかね」

「まだまだではないでしょうか?」

「そうですか….」

「このボードを使ってください」

「いや、まさかまさか、そんなの乗れるわけがありません」

「マコさん、それがウナクネ界では”執着”というもので、

上達の妨げになる心の働きなんですよ」

「おお、執着と来ましたね。

ナキさんがそこまで言うのでしたら挑戦してみましょう!」

「さすがです!」

「でも全く乗れないと思います」

「大丈夫です。小さめの波を選んで、

羽根のように軽くふわりと立ち上がればあら不思議」

「そんなにうまくいきますかね」

「イメージしてみてください。イメージが全てですから」

「ま、やってみます」

「ぜひ」

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で、なんとマコさんは一本目からテイクオフしてしまった。

しかもこのふんぞりかえったリンボー・グライドを披露する余裕ぶり。

エヘン!

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めずらしいレフト波もきちんと読み解き、

コーナーからテイクオフされていった。

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私の横で見ていた兒玉さんも、

「マコさん、やりますね」

「そうです。執着を解き放った瞬間です」

「マコさんの今日のワインがおいしそうですね」

「そう思います」

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見てくださいこの笑顔を。

「サーフィンやっていてよかったな、としみじみ感じました」

そんなコメントをいただき、

私はとてもうれしかったです。

全てはご自分で受け取ったものです。

簡単に見えて簡単ではありません。

おめでとうございます!

ウナクネ昇格です!

しかしウエットスーツのロゴがウナギに見えるのはなぜでしょうか。(笑)

すごかったのがロクゼロ鈴木さんのアグレッシブさ。

ターンが全てスクエア。

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さあさあお立ち合い。

ご用とお忙ぎでなかったら、ゆっくりと聞いておいで。

遠目山越えは笠の内。

聞かざる時は、物の出方、善悪、黒白がとんと分からない。

サンファンミッションの鐘が鳴るとタイちゃんはたまた、

ウナクネ総帥来たりてボードにワックス塗っても、

さて、どの波に乗るのか、どこでサーフするのかが分からぬ道理。

さて、手前ここに取りい出だしたるこれなるこのボード。

これはキャッチサーフのジョージが仕掛けたあふれるほどの細工。

あまたありといえども、

ユーエスエーにてはカラニたちが、

日本にては、ハーレーかつさんがビタ男、オデ男、

そしてウナクネデザイナーのOセンパイたちがクネ名人とされております。

こちらは正真正銘のオデ男、

ロクゼロスキッパークネクネにござる。

手前のは、これキャッチサーフの細工じゃ。

三本のストリンガーを仕掛け、

プレミアムフィンが組み込んでござりまする。

さあさあお立ち会い。

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という口上を決めたか決めないかはロクゼロ鈴木さん。

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マコさんが、

「鈴木さん、大胆ですね…」

と感嘆するほどの攻めるサーフィングでした。

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最近の女の子はレギンスを履いてサーフしているのをよく見かける。

とてもかわいく、そしてかっこいいです。

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はい、私のセカンドセッション。

ストレッチでまとった砂が天ぷら粉風であります。

一回のダックダイブで砂は取れてしまい、

これじゃ素揚げ風だなと思っていたのです。

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輪廻転生と言われるラウンドハウスカットバックを結ぶ印。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/46177

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沖ではウナクネ布教に努めます。

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カイラにもウナクネの徳を伝えます。

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ロクゼロ大胆鈴木さんにもクネリかたを教えました。

「あのですね。リーシュを外すと大胆さが消えるので、特効薬ですよ」

とお伝えしたのだが、

冗談だと思って笑い飛ばされてしまった。

本当ですよ。

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ウナクネ流のトップターン。

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最終波はキセキの200mライドを教会岬前までメイクして、

ウナクネ師範試験を合格したかのようなめでたい気分となった。

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大マンライのミドルスボンザー初乗りセッションとなりました。

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さて、ジョー兒玉さんは、

午後のオンショアが入ってきて波面が荒れるも、

「真っ白になるまで」

とパドルアウトを繰り返していた。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/55725

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それにしても上手になりました。

そして、兒玉さんはこのミドルスと、

グイーチョのチキンサンドがダイスキなようです。

私もロクゼロをお借りして師範昇進記念の模範ライドを。

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バックサイドではウナクネスタンスを結び、

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トップターンもくねらせました。

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すべての煩悩を滅して、

ハングファイブ如来降臨。

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三法印のひとつであるダウンザラインの印。

さらにはこのウナクネグライドを見たブラッド・バーシャムがやってきて、

「すばらしいトリムラインじゃった」

と他流派ながら讃えてくれた。

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「いや、お恥ずかしい。すべてはウナギクネクネなのです」

とバーシャム老師にお伝えすると、

「門や派が違っても同じ教義じゃ」

とありがたいお言葉をおいて、

教会岬の方にご夫婦で去られていった。

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さすがのお方たちであります。

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で、このガールズたちの写真をおいて特大号は終わります。

ひとりはティミー・パターソンの娘カイラで、

彼女のことは赤ちゃんの頃から知っているので、

そこまで自分が歳を取ったのだと知らされた日でもありました。

でもおかげで、

ついにこの清きウナクネフィーリングもやってきましたし、

毎日楽しく暮らしています。

長くなりましたが、

このすばらしきマコさんの解脱日を記録すると共に終わります。

それにしてもこれを一度書いて、

すっかりと消えてしまったというのがいまだに信じられません。

前編と合わせて6000字強となりました。

みなさんもすばらしい週末をお迎えください!

長くなりましたが、

今日も読んでくださってありがとうございました。


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