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naki's blog

マンゴーからシャトーラフィット・ロートシルトとなり、オルカイサンダルを飛び越して、ダットサンZに刻む記憶のはじまり

マンゴーの季節である。

甘く、やわらかく、やさしく、せつない芳香を島中に放っていて、

マンゴーの樹があれば、その下に宝石のような果実がいくらでも転がっているのを見るだろう。

そのままかぶりつくのもよし、冷やして、ジュースにして、

ケーキにして、プリンにしてと様々な食べ方で体に入れると、

ハワイの精霊がこころに宿る気がする。

現在物々交換の主役でもあり、

日系のタバ・ガソリンスタンドの奥様は、

日本の朝日新聞と引き替えに7つをプラスティックバッグに入れてくれた。

.

さて、波は下がり1?3フィートと波情報サイトでは表示されている。

また、例によってーー凝り性なので、

その子供用のフィンの付いていないボードを持って闘牛岬に行き、

「昨日よりは少しまし」という滑りを胸に焼き付けて、

昨日よりも笑顔でーーオフィスで原稿書きに明け暮れている。

ここノースハワイは昨日から雨が多く、雨、晴れ、くもりの繰り返し。

雨が降ると涼しくなり、晴れると蒸し暑くなるという天候。

繰り出される文体だけに気をつけて、タイプに励んでいる。

昨日ふとしたことから、

ワイン通には「幻の」とされる

『シャトーラフィット・ロートシルト1945』

のインプレッション文章を読んだ。

しかも、俺の敬愛する作家のそれは

「栄光の、馥郁(ふくいく)たる香り?」とあって、

この先を引用するだけで酩酊しそうなので、あえて記さないが、

これほどまでに芳醇で、こころを溶かす感想文なんていいなあ。

そんなこともあり、ずっと飲んでいなかった赤ワインが飲みたくなった。

昨夜の夕食の際に冷蔵庫に残っていたチリのデイリーワインの

「フロンテラ」の残りをデカンタージュすると、

3ヶ月ほど密封されて冷蔵庫にあったこともあり、

少し澱が出ていたが風味は失われていなかった。

そのロートシルトはボトル底に二センチの澱があったとされていたが、

それを想像しながら飲む安ワインのおいしさは雨景色に溶けこむようで、

「酒と想像力」

というコピーが上がってきたが、

それをキャッチ&リリースよろしく外に放ち、

「波と想像力」と転換してみた。

しかし、今まで乗った様々な波を俺は文章にすることができるのだろうか?

という疑問がすぐに浮かんだが、

二杯目の風船玉グラスを傾けながらそれを忘れることとした。

最近の夜は焼き野菜のみの食事で、

これは人参、ビーツとブロッコリー。

塩のおいしさとオリーブオイルの香り高さが試される料理。

ランチに食べるマルタイの味噌ラーメンよりは品格があるように思えるが、

それは俺の偏見だろう、とここまで書きながら朝日新聞コムをのぞくと、

『豚骨ラーメン店の博多一風堂がシンガポールに開店。米ニューヨークに続く海外2店目』

とあって、ラーメンもいよいよ世界的になってきたなあ、

とラーメン好きのD先輩を思い浮かべながら、

小学5年生で生まれて始めて食べた「コーンのたっぷりのった札幌ラーメン」

の札幌屋店内の湯気をあびるカウンター、

そしてオレンジと、グリーン、そして黄色の縦長色紙に手書きで書かれた

味噌ラーメン

味噌チャーシューメン

味噌バターコーンラーメン

と続く壁メニューを思いだし、

ラーメンスープに汚れた少年ジャンプやサンデー、

マガジン、チャンピオンの表紙と目次、

さらには少年キングで当時連載されていた、

『ワイルド7』と『サイクル野郎』の画タッチがはっきりとここに浮き上がってきた。

マンガ家に興味があったこの頃の自分をまでも思いだし、

さらにはカラス口、Gペン、ペンテルのインク、高かったケント紙、

マッチ棒を貼り付けて改造した定規やお手本にした絵がまざまざと、

その汚れもそのままに記憶に戻ってきた。

記憶とは、こうしてするりと抜けてくる不思議な通路があるのだなあ。

「オルカイサンダルは天然皮革だから雨で履けない」

と、お客さまとやりとりしていた弊社とおるから聞き、

えっ!雨でも履いていたぞ。

と驚いた。

俺は野球のグローブ収集家でもあり、

そのプロの使用する銘品を実際に使用してしまうのだが、

もちろん雨が降っても使うことはやめない。

その際には、

「雨中は履いても大丈夫ですよ」としたが、

使用後はグローブのように拭いてあげれば問題がないと感じている。

写真は、その際のやりとりのときに「写真を撮りますね」

と約束した使用しているオルカイサンダルの今日。

このAKUAは以下のブログにある通り、今年の三月から履いている。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/2610

使用頻度は空港全て、日本、エルサルバドル旅、

そして街に行くときはいつも、

という砂浜に履いていかないだけのかなりヘビー級の使用頻度だが、

ソールのパッディングも原型を留めているし、

かかと部分の入れ墨風の模様もまだしっかりあり、

なによりも革が自分の足の形になっていく、

というのがこれまた野球のグローブみたいで良いなあ。

と愛する使用を続けている。

高いものだが、傘と違ってなくすこともないし、

こんなプレミアムサンダルがあってよかった、

と上に書いたワインがふわりと浮かび、

そのうちにプレミアムワインを飲んでみたいな、ともチラリ思う。

使い込んだモノというのは、

老いと、記憶と回想、そして愛着、情熱が写しこまれるのだろうね。

と名車、銘カーの現在を見て、胸を熱くする。

日本からの輸出仕様だろうダットサンZ(1971年式?)もノースハワイではしっかりと磨かれて、

にこやかに走られているのを見て、旧式の俺もまだまだがんばらねば、と気をさらに入れる。

雨が降って、それが海に注いで蒸発してまた雨となる。

そんな太古から続く大自然のサイクルを感じる日々でありたいと思いながら、

さらに原稿に目を入れていく。

今日も来ていただいて、ありがとうございました。

アクセス解析を見ると、新しい読者がたくさん来てくれています。

はじめまして、夏に出会えてよかったです。

これからもどうぞよろしくお願いします。


10 thoughts on “マンゴーからシャトーラフィット・ロートシルトとなり、オルカイサンダルを飛び越して、ダットサンZに刻む記憶のはじまり

  1. ウミ平バリにもマンゴープリン!

    マンゴーおいしそうです。
    ダットサンすごい、走ってるんですね?。

    カリフォルニアで信義作グローブでキャッチボールしていた時には本当にビビビビりました!!!

  2. Fg

    >記憶とは、こうしてするりと抜けてくる不思議な通路があるのだなあ。

    本日のコノ一文、ガツンと心に入りました。
    ホロ酔いで拝見するフナキさんのブログは最高にヤバいです。(うまく言葉に出来てませんが。。。)

    貧乏性の僕は、雨の降り続く今日もオルカイを眺めています。(涙)
    いつか晴れた日からビシバシ行きますね!!

  3. サーフオヤジ

    先月仙台でサーフした大です。ブログの新しい読者の一員です。毎日通勤に読んで元気もらってま?す。これからもステキな世界を楽しみにしてます!

  4. ノブー Irvine

    懐かしい、Zですね。
    数年前まで私はこの車の開発生産をしていた会社にいたので、このように綺麗に乗ってくださってると本当に嬉しいです。
    ただし、あの型にはオープンはありませんでしたが、、、、、
    Nakiさんは本当に車好きですね。
    私も車のデザインに関わって30年過ぎましたが、まだまだ新しい「カタチ」を探しています。
    いつかは「これ以上無い!」と思えるような「カタチ」を見つけたいですが、まだまだですね。
    波乗りも30年以上やってきましたが、人様に語るほどではないので
    「車のカタチ」についてNakiさんといつか話したいですね。

  5. Hoku

    ノブー Irvine さんと同意見だ。このタイプにはオープンは無かったはずだから、おそらくはどこかのコーチビルダーによるものではないだろうか?L型はさんざんいじり倒したからよくわかるけど、このボディは剛性が弱いからかなり補強しないとドアが開かなくなる。剛性を保つには車重がノーマルより重くなるだろうね。でもSRはオープンだったから、本来フェアレディはオープンが合うよね。しかし美しいなあ、この車。リアの処理が観てみたいなあ。ホンダ車のオープンはピニンファリーナが受け持つ事が多いよね。

    3日間で20本チューブに入って抜けれたのは3本だけでした。久しぶりの良い波でした。でもこんな波(5本中2本パーリングする位のほれほれ)の時はみんなうまかったなあ、調度雨がぱらついていたから、以前君のキャプションで「チューブの中で雨宿りする、、、」を思い出しながら波待ちしていたよ。中村昭太が一番良いバレルに入ってたな。あ?????もっとやりて?!

  6. naki Post author

    ウミ平バリにもマンゴープリン!さん、
    今年もマンゴーおいしいですよ。
    ダットサンとFJ対決というのはいかがでしょうか?

    信義さんは、グローブをあまり作らなくなったと聞きました。
    寂しいですね。
    またキャッチボールしましょうね。
    エンジェルススタジアムでホームランボールを取った日は燃えましたね?。

  7. naki Post author

    Fgさん、
    ほろ酔い、酩酊、全ての状況で読んでみてください。
    酩酊コメントもいつかぜひ?。

    ありがたき感想で、うれしくガツンときました。
    オルカイは逃げませんから、末永くお付き合いしてあげてください。
    ありがとうございます。

  8. naki Post author

    サーフオヤジさん、
    大さん、覚えております!
    お元気ですか?
    通勤に読んでいただき光栄です。
    荒浜でまたお会いしましょう。
    越後家のみなさまによろしくお伝えください。
    コメントありがとうございました。

  9. naki Post author

    ノブー Irvineさん、
    車の形は無限に見えるけど、多くの制限があるのでしょうね。
    流線型も好きですが、デフェンダーのような角々しいのも好きです。
    最近の一番はレヴェントンでしょうか。
    F社のカリフォルニアも美しかったです。
    今度ぜひ車のお話をヤオハンカフェにてしましょうね!

  10. naki Post author

    Hokuさん、
    さすが、お詳しいです。
    時代が違うので、このZを見ただけで温故知新というか、そんな感銘を受けました。
    このZですが、リアの処理が見える写真も撮ったので、明日にでも掲載してみます。
    ノブー Irvineさんもそうですが、
    それにしてもお詳しい、と再度書いてしまいます。

    バレルバレル日だったのですね。
    なんだか聞いていて、うれしくなりました。
    チューブの中の雨宿りを実践してくださってうれしいです。
    本当に雨が止むのですよね。
    もっと波よ続いてください?!