冬の曇りなのに妙に暖かく、
変な天気だと思っていたら突然雨になった。
こちら南カリフォルニアは冬が雨期。
今年は雨が少ないので待望の水分となりました。
雨は嫌だけど、
とても重要なものだとわかります。
そんな日なので、
波乗りのことを考えていた。
板切れ一枚で持って冬の海に泳ぎ出て、
全身びしょびしょになって、
唇を真っ青にしながら寒さに震えているのは、
遊びなのか修行なのか。
©canvassurfboards
波乗りって、
やりこんでいるとある日突然
「なんだこんなもの」
そう思ったりするものだけど、
少し経つと、
「あんなにすばらしいもの」
と過去を忘れてうちとけてしまう。
不思議なことです。
photo by @Tackertuna
このときは感覚的に飛翔していた。
滑空でもなく、浮上でもなく、
飛び上がった瞬間。
人生の悲痛と苦悩と絶望は霧散し、
波の飛沫の一粒一粒が、
光耀をまとって一緒に跳ね上がってそのまま飛んでいた。
こう書いた途端にiTunesシャッフルから、
大瀧詠一さんの『オリーブの午後』がかかった。
美しいメロディとその夏の歌詞にほれぼれする。
マーケティングに関するミーティングが行われていたキャッチサーフ本社。
カラちゃんことカラニ・ロブの考察する
『波乗り界のいま』が、
シニカルでやけにさびし悲しく、
そして急展開なのは、いまが冬真っ直中だからなのだろうか。
そんなことをふわりと考えていた火曜日になりたての深夜。
ボンザーとノースハワイのことを考えていたら、
ちょうど5年前にこんなブログを書いていた。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/9509
この日の波がそこにあるように感じられるほど詳細まで思い出される。
硬い斜面、盛り上がるセクション。
いつかまた乗ってみたい波であります。
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