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naki's blog

【テクニック/思想編】良い波(混雑)VSユル波(空波)について考えてみた_(2038文字)

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“Sunrise” Irita-hama, Izu

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“North Tiger” Chiba

北東浪見、千葉。

昨日あれだけ強かった北風は弱まり、

この風波に加えて、台風や熱低からのうねりが入ってきている。

しかも見渡す限りの無人。

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かなりのパーフェクトです。

あれだけ荒れたから、

波に乗ることに適した地形もたくさんできている。

明日、そして週末は期待できそうです!

【テクニック編ユル波の効力】

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南カリフォルニアのサンクレメンテに有名なブレイクがある。

そこは世界レベルの良い波とされていて、

同時に世界レベルで混雑していることで知られている。

ハッピーサーフィング世界にひたっている私は、

ここに行こうとも思わないし、思えない。

去年の話となるが、「空いている。2人しかいない」

という情報をサーフ後のタイラー・ウオーレンから聞き、

それを信じてみることにした。

結果、ソニックブームを持っていって、

人生最高のホットドッギング・セッションとなったことを思いだしていた。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/61754

この波質はそこまですばらしく、そして想像できる限りイージー。

よって、その波を愛している人がたくさんいる。

というか、この波だけに乗りたい人が多数いる。

そこには、絶対と言っていいほどいる人がいる。

で、いつもいるその人をその日も見たのだが、

以前よりもサーフィングのキレがに劣っていた。

加齢とかそういうことでもないだろう。

私は長年サーフィングの写真を撮っているので、

波乗りを見る目はかなり確かであります。

サーフ後、直接その人と話す機会があったので、

体調みたいなことを遠回しに聞いてみると、

どこかを怪我していたり、調子が悪いということではなさそうで、

「毎日サーフできて最高の人生だ」というアメリカ人的なことを言っていた。

私と彼は同年代。

確信したのは、

「その(混雑している)良い波で毎日やる VS(私のように)ユル波の日々」

という対決があったとしたら、

もしかしたら良い波で忍耐の、そして混雑の中の質の高い1本を乗るよりも、

ユル波(空波あります)で、

周りのサーファーを気にせずにたくさん乗る方が、

サーフィングの上達にはよろしいのではないか?

ということ。

ケリー・スレーターは劣弱波で育ったとあるし、

トム・カレンはポイントブレイクの女王とされるリンコンで有名だが、

最初はビーチブレイクの劣波で練習していたという。

1990年代のSurfer誌でトム・カレンが、

「上手になる秘訣」を語っていた。

その内容は、

1.長い距離の波に乗ること

2.リーシュは付けるな

3.ノーズからテイルまで全面にワックスを塗ること

(ハービー・フレッチャーは、ボードをつかむ場所にはボトムにまで塗っている)

そんな3つのことを思い出した。

このポイントブレイクは、

たいてい良い波、つまり長い距離が乗れるのだが、波数が乗れない。

それは波に乗る順番だったり、

さらには「波に乗ることができる」という階層主義(ヒエラルキー)が存在している。

その階層を支配するように、サーファーたちはそこに足繁く通い、

少しでも階層内の上位になれるようにと、

波乗りとはあまり関係のないことにエネルギーを消費しているのではないか?

そんなことを思った。

その階層主義者たちとは離別した私が伝えたいのは、

(ここに何度も書いているように)波乗りは、

上達することが全てではないということ。

ただ、自らの感動は、限界を超えたり、

新世界の扉が開いたときに強くやってくるものだとも思える。

私はこの1年強をほぼユル波に費やし、

3ヶ月ぶりのショートボードに乗って、

なんと一本目で、

自身で人生最高のターンをするに至った。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/66450

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このとき、50歳に12日足りない年齢であることを考えると、

このことは自分でも信じられないのだが、

実際にあの波質で、

さまざまなことでそう感じたのだから、

これはそこまで間違っていないのだと思う。

なので、ここでみなさんにお伝えしたいことは、

ユル波、小波でも空いていて気兼ねなくたくさん乗れるのなら、

その波群こそがあなたの波乗りを極めていくものであるし、

それぞれの傷ついたり、傷んだ心を癒し、洗浄するものだと思います。

混雑波は逆に心を乱し、

憎しみや怒りを芽生えさせ、

さらには上達すらを抑え込む(ダークサイドの)門なのだろうか。

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波乗りは大切な余暇であって、

あなたを救い、そして高められ、笑顔でいられるようにするもの。

どうぞサーフィングをすばらしいライフスタイルとして、

次の世代にお伝えください。

【お知らせ】土、日曜日は千葉NAKISURFにいて、

ちょっとしたイベントをしようと思っております。

よろしければお誘い合わせの上、お越しください。

今日もお越しくださってありがとうございました。