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ライアン・イングルのソニックブーム_GoProで極小波を撮ると_ヤタくんのペソズが土曜日にサンディエゴでライブ_(2808文字)

昨日ここでライアンについてのバックグラウンドを書いたら多くの反響があって驚いた。

「真の職人魂をライアンに感じました」

とか、

「彼の意気込みを感じて、力が出た」

そんなありがたい感想をいただいた。

今までも少しずつだが彼のことを紹介していたので、

そんなに新しいことではないことを書いたつもりだが、

こうしてまとめると強く感じられるようだ。

「生産数のこと」

「マジックボードを数値化すること」

「卓越したハンドシェイパーであること」

「シェイプマシンの熟練オペレーターであること」

それらの言葉は、

わりと良く聞く言葉だが、

全ての要素が当てはまるシェイパーは他にはいないだろう。

Ryan_Engle_5247

今日もライアンとサーフボードについて話していると、

「サーフボード製作はアートではなく、道具。

アートなのは、波に乗る行為のことだ」

そんなことを言っていた。

これを要約するとこういうことになる。

つまり最近は、メディアの風潮として、

『サーフボードシェイプはアート』

そんなロマンティックなる目線があるが、

実際にサーフボードをアートとして捉えてしまうと、

そこに個体差があっても許されるし、

乗った感触の誤差があっても同様だろう。

これまで製作側には、

プロフェッショナルだけがいたのだが、

その”サーフボード製作=アート論”というユルイ囲みが出現した途端、

「アマチュア、ガレージ、さらにはシェイパーに憧れている人全て」

をひとくくりに”サーフボードシェイパー”

として存在させることに対して意義を唱えていた。

私は、

「サーフボードは自由に作ったらいいのではないか」

「サーフボード=アート大歓迎」

「いいのもあるし、そうでないのもある」

そんな意見だったが、

ライアンのように人生を賭けて、

日夜真剣にサーフボードシェイプに取り組んでいる人にとっては、

そんな趣味感覚でシェイプに関わる人たちと一緒にされたくないのだろう。

少し気をつけなくては。

話が逸れたが、そのサーフボード=道具論に話を戻そう。

少し前に私がここに書いたのが、

「(1982年に)Kさんという人が丸井で新品のボードを購入し、

それに乗れば上手に波に乗れるという幻想を抱いていた」

そんなこと。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/61663

例えば、木工用ノコギリの最高峰のもの、

または調理包丁の最高品質のものを使ったとする。

で、素人の私が木を切っても、

またはそれで刺身を切っても結果はそれなりだろう。

これらは、確かな腕の職人が使うからその性能が発揮される道具。

そう置きかえると、

サーフボード=道具という言葉は正しいと思う。

車やバイク、自転車も最高性能のものが存在している。

じつは何度かスーパーカーを運転したが、

その性能は私にも感じるものがあった。

瞬時に速度を出すことができて確実に止まることができる。

そして、そのことが安全で、

ドライブがより楽しくなるものということを乗って始めて知った。

見た目もいい。(笑)

包丁もそうで、

最高品質のものをきちんと研いで使うと料理が楽しくなる。

味がおいしくなった気がするし、何よりも使うのが楽しい。

サーフボードも同様で、

初心者が最新鋭のものを持っていてもいいと思う。

(ただ浮力が足りているもの限定)

それで楽しく、

さらにはそのボードでできないターンは自分のせいだとわかるので、

波乗りに対して前向きになれる。

結果、言い訳がない世界に入ることができる。

sonic_boom

そんな中、

ライアンに「速度重視のボードデザインを作ってください」

とお願いしたのが去年の9月。

NS3000プロジェクトとかかげ、

デザインがなされて、シェイプされたのが10月10日。

初乗り日は波にも恵まれ、

満潮で胸サイズもあり、

胸のすくような加速感覚を味わった。

そのセッションのことをライアンに伝え、

「モデル名を付けたらどうだろうか?」

打診すると、すでに『Sonic Boom』というモデル名が用意されていた。

(ソニックブーム=飛行機などの超音速飛行の衝撃波が生む大音響のこと)

名は体を表すいい名前である。

最初はトライフィンで、現在はツインスタビライザーを装着しているが、

ライアンのお勧めはクアッドフィン。

ただでさえ速いクアッドと、ソニックブームの組み合わせ。

速い波で試してみたいとこれを書きながら感じている。

それまでのボードは、波のパワーをレイルに伝える。

ボトムの起伏で波パワーを受けて加速させるというものだったが、

このソニックブームは全く逆の発想から始まっている。

水を受けて、それをリリースする。

または水流をはじく、吐き出す。

さらにはさまざまな角度のパネルをボトムに付け(Quadro Plane Bottom)、

エッジ、ウイングが施され、

さらにデッキ面には、

スライト・バベルデッキという高度なるデザイン。

これぞ高性能を目指すライアンの真骨頂であろう。

現在彼がソニックブームの細部を説明している動画を製作中ですので、

こちらもお待ちください。

DCIM100GOPROG0153255.

Sonic Boom 5’4″

Screen Shot2015-04-08 11.32.49

ソニックブーム動画より。

IMG_0002

ネイトが試乗した日。

サーファーにとっては良板を手にすると、

日々が輝くことになる。

GoPro写真のすばらしさはここで紹介しているが、

今回はマイクロというか、

そんな小さな波を撮った写真が目に付いた。

スクリーンショット 2015-04-06 12.23.58

しかもGoPro4とKNEKTで撮影しているようで、

サーフラインでのベストショット10にランクインしていた。

ボケ味もキレ味も美しいです。

推測するに高さ15cmくらいの波高だろうか。

動く水も少ないので、水中内の砂が舞わずに美しい。

2015_Yaan_1260

ヤタくんことYaan Pessino。

すてきなユルい人生を送るすばらしい笑顔のクールサーファー。

しかも天才シンガーソングライターであり、

仲間にも恵まれている。

その彼が率いるバンドがThe Pesos。

昨日ここに一曲披露しました。

ひさしぶりのライブがサンディエゴであるそうで、

しかもこの土曜日。

行けたら行こうと思っています。

タイミングが合えば現地でお会いしましょう。

ヘッドライナーということで、彼らの演奏開始は21時予定。

thepesos_20150407

私のジャケットアートが、

ヤタくんのインスタグラムにも紹介されていた。

キャプションを見てうれしくなったが、

私とペソズの相思相愛のポストとなっていた。

バンドの進行を担当するスクールバス・ブラッドフォードによると、

新曲が先週だけで20曲も誕生していて、

それらも演奏するそう。

楽しみだなぁ。

Monster Drawing Rally, April 11 at SDAI

San Diego Art Institute

1439 El Prado,

San Diego, CA 92101

なんとか行けますように。

それではすばらしい木曜日をお過ごしください!

今日もNAKISURFにお越しくださってありがとうございました。