こんにちは、GWもほぼ終わってしまいましたね。
けれど少しすると休日がまたやってくるはずです。
その日のために、そしてこのGWでサーフィングをやった、
またはやりこんできた人のために本日はテクニック編とすることにしました。
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まずは前置き。
【ラインナップ上で他のサーファーのレベルを気にしてみよう】
波待ちの姿勢よく、パドリングも上手で、波の良い位置を知っていて、他者の順番も考えているグレイトサーファー→青
波が来ると周りを見ずに真っ先に乗ろうとする、または乗っていく→イエロー
パドリングは上手ではないが、自分のボードよりもあきらかに浮力があるボードに乗っている→イエロー
権威、または位が高い人のようで、やけに威圧感がある→レッドカード
怒っている人→レッドカード
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ご存じのようにイエローは許容できますが、
レッドカードは危険なので、一枚でその場所から移動された方がいいと思います。
またはその赤の人のラインから外れる、インサイドに行く等です。
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Canvas “Free(test model)” 6’0″
https://www.nakisurf.com/brand/canvas/
今日は、
【テイクオフしてからターンをするのをやめて、長く乗ることだけを考える】
長く波に乗るためには波を読む力が要求されます。
ターンの数を減らしてでも長く乗りましょう。
こんなことを書き出すのは、
先日中級者の人のクリニックを行ったのですが、
「テイクオフすると、必ず波先に目がけてフルターンしていく」
”必ず”です。
しかもこの方だけではなく、
かなり多い確率でこういうサーファーは存在しているように思います。
そこで、今日は「なぜすぐにターンしてはいけないのか?」
そこを考察してみました。
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まず最初に書いておきますが、サーフィングで、「ターンをする」というのは命題です。
これがあるから波に乗る世界が拡張し、
その難易度や波の角度、位置、そして波質までがボードとのコンビネーションで表現されていきます。
ただ、ここで問題にしたいのは、そのフルターンは必ずしなくても良いということ。
そのフルターンというのは100%に近いターンということです。
ここで気づきましたね。
私たちはテイクオフしてすぐに100%でフルターンするというのはごく稀です。
例外があって、
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1.心技体、そしてボードも体の一部で、波も熟知しており、必ずそのターンができる自信があるとき
2.ボートトリップなどで、日中ほとんどの時間を波に乗ることに費やし、それがすでに何日も経過しているとき
3.すばらしい波のセッションが長く続いていて、体力も見極めもピーク時間であるとき
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こんなときだけ、テイクオフしてすぐに体全体を引き絞ったターンをして、フルスピードで波先を目指していくのです。
それ以外は、テイクオフして立ち上がってからターンではなくて、
他のことに注意を払っていることがほとんどです。
まずは立ち上がると視界が拡がるので、そこで様々なことの情報を得ましょう。
イ. 進行方向がどのようになるのか
ロ. 波先はどのように変化していくのか
ハ. パドルしている人、または浅瀬などの障害物
ニ. 岸までの距離
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テイクオフするとまずは10%〜50%くらいのターンで正しい、または自分の思う方向に滑っていくのです。
これを「ハーフターン」といいます。
ハーフターンの利点は、
長い距離の波に乗ることが多くなる
波の変化に対応できる
パドリング距離が増える
ダックダイブや波を越える回数が増える
安全
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なぜパドリング距離が増えたら良いのかはご察しの通りで、
テイクオフはパドリング力によって決定します。
なので、この沖に出ていくという行為はテイクオフ、
すなわちサーフィングの鍛錬をしているわけで、
ダックダイブも同様です。
長い距離だからこその鍛錬です。
なので、上手なサーファーはより上手になり(長距離ライディング=長距離パドリング)、
そうでないサーファーはそれなりになってしまうのです。
追加ですが、波の最後でのキックアウト(プルアウト)から再びボードに腹ばいになる際にも気にしてください。
理想はキックアウトからパドリング開始までがぐらりともせずに、ボードから降りないことです。
つまりボードが体から離れるときは、ワイプアウトしてしまったときだけ。
そのくらいボードは常に体に触れています。
ライディングの結末はとても大切なものと認識してください。
なので、キックアウトでボードを捨ててしまったりするのは、結末がない映画のようなもの。
お気をつけください。
Nation Sonic Boom 5’4″(このボードの浮き上がり方がすごい)
https://www.nakisurf.com/brand/nation/sonic-boom/
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話を戻します。
フルターンをするのは、波と自分のスピード、
そして周りの状況が全て揃って、そこで意を決して攻めるのです。
最近ウナクネに目覚めた私たちは、
フルターンでなく、その50%ターンに自分のスパイスを盛り込んでいます。
だからこそアレックス・ノスト総帥やタイラー・ウオーレンたちはワイプアウトというものをしないのですね。
なので、彼らが世界ツアーに出ても50%なので高得点が出ません。
でも彼らには波乗りのエッセンスはたっぷりとあって、
乗っている本人たちの楽しさは見た目と同じです。
逆に高得点をたたき出すミック・ファニングたちは、最初から100%のフルターンをしています。
そのために彼らは日夜トレーニングしています。
補足しますと、100%ターンというのは、ものすごい練習量(毎日5〜6時間を数年連続)をして、
そしてボードと波が合致して実行できるものです。
思うに、一般サーファーがミックやツアラーのサーフィングを追いかけて真似をしてしまうのは、
メディアの影響だったり、またはトップサーファーたちの動きを実際に、または動画で見てしまい、そのタイミングこそがサーフィンだと刷り込まれたのでしょう。
その結果、せっかく乗った波の1秒後には、すでに攻めはじめるという決断をしているのだと思います。
たまに全ての条件が重なり、その100%ターンができるかもしれません。
でも相対的にというか、その方法はワイプアウトのチャンスがとても高いです。
よって短いライディングが多くなるので、パドリングが弱い、波の変化を見極められない、
“いつも沖にいて、そして真剣で、他のサーファーにはイエローな存在になっている”
そんな負のスパイラルが成り立ってしまうのです。
なので、コンペ志向の方もそうでない人も、ここで一度意識を変えてみませんか。
「柔よく剛を制す」
「中庸(ハーフターン)を極めよう」
そんなことを書いてみました。
今日はここまでとします。
次回は(不定期ですが)、
「テイクオフするときに左右の人は見なくていいのですか?」という内容で書いてみます。
それではKeep on Surfing!
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