この週末は、
1889年頃のエッフェル塔の周りを調べて書いていた。
当時のカフェ、サロンド・テ、そんなものも、
通りも頭に入ってきて、
それから当時の詩に没頭していった。
フランソワ・ヴィヨン
トリスタン・レルミット
ステファヌ・マラルメ
ヴェルレーヌ
しかしエッフェル塔を愛さなかったボードレールだけは意図的に読まなかった。
グスターヴ・エッフェルに敬意を表しただけなのだが、
こうして過去を振り返ると、
作品の成り立ちや育ちや誕生には、内容以上のことが盛り込まれていて、
それはじつに興味深いことであった。
さて、大嵐の本日。
ライアン・イングルが休日返上でシェイプしに来ていて、
私も自身の勉強のために彼のハンドシェイプを見学していた。
これは高速道路から見たミドルス。
例によって600m以上の波が続いていた。
嵐の前の夕陽が美しいのはなぜなのだろうか?
そんなことを考えながらシャッターを押す至福。
その日、
15.3ft @20秒という途方もないうねりが286度の角度でサンクレメンテ周辺に届いた。
「これはミドルスが良い」
そう直感するが、
ミドルスまでの中間時点である教会岬で、
サーフコンテストをやっていると聞かされ、
ミドルスまでいく気勢をそがれてしまった。
そこで、
発想の転換ではないが、
ここサンオノフレはどうだろうか?
そう思ってじっくりとチェックすると、
とんでもないほど沖から、
超が付くほどのパーフェクト波が崩れていた。
オフショアに吹かれながら、
寒さの中を息を止めつつZ1スーツを着ていく。
そしてNation6’11″シングルフィンでパドルアウトを始める。
インサイドは波の泡しか来ないが、
何よりもうねりの間隔が20秒もあるので、
ダックダイブしてからゆっくりと息を整えられる。
ずっとずっとパドルアウトしていき、
いつものピークを超え、
さらにその倍の距離を沖に行っても波はやってきていた。
さすがこの巨大うねりであります。
ただ、サンオノフレは遠浅なので、
泣きたくなったり、逃げ出したくなるような炸裂はなく、
ひたすら沖を目指していった。
いつも大きい波のときに待つピークから、
ちょうど倍程度アウトサイドに出て、
その海底が深海に感じられるところで、
パドルアウトを完結した。
遠浅だが、ここまで沖に出てくると、
それは深遠に映り、鮫、もしかすると、
鯨も出そうなほどの海底までの海の厚みだった。
そして、
どうしようもないほどパーフェクトなレフトが目の前に来て、
それにパドルインするが、前出したように海底が深いので、
「大きくて強いうねりだけは、ピークのみでようやく崩れる」
というアウトサイドにやってくる波は、
まるで断崖絶壁のように切り立ったままブレイクしていく。
リップが飛ばない代わりに、
「斜面が切り立ったらそれをアニメーションのように保つ」
という不思議なファーストセクション。
完璧な位置からでも6’11″サイズのボードだと、
レイトテイクオフとなるスリル系となっていた。
その波は、
パイプラインのようにレイルをつかんだままテイクオフし、
ボトムまで降りる寸前で、
速度に負けてフィンが抜けてしまった。
180度のスピンをして、
前後が逆に、つまりフィン側を先頭に滑っていた。
何も考えず、また考えられなかったが、
こんな沖からワイプアウトだけはしたくなかったので、
瞬時に腹ばいになり、
崖系のスロープを滑り降りた瞬間に再度テイクオフをして、
それは長い波を乗っていった。
それからは自信が溢れ、
ゆっくりと波待ちがしたい、もしかすると巨大サンオノフレを滑りたいという理由で、
さらに遙か沖に出て、ひとり波を待った。
先々日の話だが、
ミドルスではコンスタントにはやってこなかったが、
遙か沖で波を待つと、
時間はかかるが、それは完璧な波がやってきていた。
それほどまでにオバケセットのうねりは大きかった。
20秒の間隔で、4.5mの高さもあるうねりというのは現実離れしている。
だが、これは実際の話なので、
その計測からの予感というか事実もあったのだろう。
そこにやってきた大波。
まんまとブレイクして、
そのピークの真下にいた私はこんなルートで、
オールマンズのサーフボードスピナー&アメリカ国旗が立てられた砂浜までそのまま乗り継ぐことができた。
しかもポイント(岬)の沖からで、
半分近くレフト側に滑ってきたユニークもあり、
浜で見ていた人が何人かいて、
彼らには「あれは軽くマイル(およそ1.6km)は乗っていたぞ」
そんなとんでもない波に乗ったという歓びをいまかみしめている。
そのファーストセクションを見てくれたのは、
サンオノフレ歴50年というジョセフ。
彼には『Wave of the day(本日一番良い波)』の最高峰である
『サンオノフレで歴史上一番いい波』
ベテランにそんなことを言われて舞い上がる気分は悪くはない。
しかも彼は私をおだてる筋合いはないし。
ジョセフが上がってきて、
そのことを真っ先に伝えてくれた熱心さの勢いがあったのも事実です。
タイラー・ウオーレン家と、
このサンファン・ミッションは歩いていけるほどの距離で、
彼の家に行く楽しみはこんな建築物なのかもしれません。
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キャンペーン『GoRide』が始まりました。
NATIONのオンリー・シェイパーであるライアン・イングルと、
「進化するシェイプ」という話題となった。
これはフィールドからのフィードバックや、
自身の技術革新等でシェイプの細部が進化していく、
そんな長い話をしていた。
こちらはそのCM動画です。
ライアンの美しいシェイプ動作と、フランス音楽とのミックス。
2月が始まりました。
すばらしい月としましょう!
For the wonderful February!!
明日またここで!
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