日本、到着しました。
氷雨というか、
そんな雨が降っていて、やたらと寒かったです。
最後の冬日でありますように。
All Photo by Brian Miller except airplane window.
機内では、Blue誌の奄美特集のキャプションを書いていた。
この記事、自分の中では渾身作になるという予感があるので、
来月10日の発売をどうぞお待ちください。
自分でも楽しみなのです。
機内では例によって映画をたくさん見た。
普段のライフスタイルが、
映画を観るような時間がなかなかないので、
逆に機内のような「時間が余って仕方がない」
状況には完全なる娯楽だと思える。
けど、あの機内アナウンスのあいだに映像音声を止めるのだけは、
止めて欲しいのだが、きっと向こう10年はそのままだろう。
まずは007スペクター、
そしてマット・デイモンのオデッセイ。
さらに進撃の巨人1、2(映像に怖くなって飛ばしながら)
そしてもう一度スペクターを見ていたら機は千葉沖に達し、
無事に着陸した。
マット・デイモンのオデッセイが映画館で公開されているようなので、
大画面で再び観たいと思っている。
入国後は、京成バスで移動して、
床暖房の友人宅にお世話になったのだけど、
そのときに
「自分の存在価値」について考えてみた。
私はプロサーファーであり、
写真も撮り、デザインや絵も好きで、
文書を書くのが大好きである。
アメリカに渡ってから29年経ち、
サーフ業界でのしっかりとしたコネクションが形成された。
そんなこともあり、
サーフボードのプロデューサーというのもしている。
私の元々は、ショートボードのプロだったので、
まずはハイ・パフォーマンスボードの数々を手がけ、
それがミニボードへと転換し、
今はミッドレングスとなっている。
ミニボードは、中村竜さんが11年前に考案したもので、
それをコールが10年前に具現化し、
BDシリーズというモデルで展開したのだが、
今ではそれがしっかりとした支流となりつつあるようだ。
でも日本に来る度に感じるのは、
「ショートボードな国」だということ。
ほぼどのブレイクに行ってもショートボードがいて、
ロングやログ、ミッドレングス、
そして上記したミニボードは少数派だろう。
ショートボードだと、
乗って楽しい波が限られるようなので、
つい良い波=混んでいるブレイクに向かってしまう。
そこで、どんな波でも乗れるミッドレングスを讃え、
それに乗ることに没頭し、
ここでだったり、お会いした人たち、
Blue誌面等で、
「いいものですよ」と数年前からお伝えしてきたが、
全くと言っていいほど定着しなかった。
どうやらブレイク周辺には、
「ショートボードでないとNG」
みたいな不文律があるらしく、
結局は先の尖ったボードのみが注目されている。
これはWSL等のコンテストで、
みんな同じデザインのサーフボードに乗っている複写版なのだろうが、
それを裏読みすると、
コンテスト審査基準に合わせたボードデザインと気付いた。
なので、普段の波乗りには、
もっと浮力があって、
簡単に波に乗れるボードが良いとわかるのだが、
「右向け右」の人たちを変えることはなかった。
今回のBlue誌のコラムに書いたのは、
その右に向く人たちは、
「波情報が伝えるサーフブレイクに群がる」宿命があり、
その際には、群がった人たちと同じようなボードデザインでないと、
せっかく集まっても仲間はずれにされる怖れがあると信じられている。
「このボードだと、ドルフィン(ダックダイブのこと)ができません」
と、大きめのボードに乗らなくても良い免罪符まである。
不思議なもので、
浮力の少ないボードは、
レイルに手をかけるだけでアレアレと沈んでいき、
ニセ・ダックダイブができてしまう。
このダックダイブがしたいがために、
テイクオフやパドリングを犠牲にしている。
沖で波待ちしていても、
あのふらふら片手パドリングと、
沈んだボードのサーファーたちが周りにいる。
彼らは波に乗るというより、
「波に押されて一瞬だけ立ち上がる」
そんなことになっているようだ。
そうなりたくなければ、
1.パドリングを徹底的に練習する
2.または大きめなボードで波に乗る。
こんな基本的なことだが、
実際には初歩的なことをやりたくない、
というのが世の常なので、
きっと何も変わらないのだろう。
メディアを見ると、
やはり華やかなコンテストサーファーによる派手なターンとか、
各地の天才サーファーのエアリアルが取り上げられていて、
オルタナティブサーフ特有の渋いライディングが理解されずらい、
ソウルサーファーには不遇の時代でもあります。
ソウル系を学んでからエアリアルでも良いと思うのだが、
その流れは少数派であるらしい。
少数派と書いたが、ざっと3%くらいいて、
彼らは波に合わせたボードで、
美しいラインのライディングをしているのだから、
そこまで徹底して右向け右というわけでもないことに気付く。
私はこんな状況も考慮して、
逆転の発想というか、
ショートボード脱却を迫らずに
『誰もがショートボードで乗れる世界一のデザイン』
そんなものを提案してみた。
ライアン・イングルという世界規模では無名だが、
世界クラスの技術を持ち合わせるシェイパーと組んでボード作りをしている。
ミニボードも「元祖」にかけて、
コールが元気になり次第カードを切るつもりだし、
他にはタイラー・ウオーレンという天才もいて、
コンセプトボードをプロデュースしている。
ハンティントンビーチの名匠サーフ・プリスクリプション。
後は未来のサーフボード、ハッピーサーフのキャッチサーフ。
さまざまな表情を持つサーフボード。
まずはこの持ってきたNationのハイパーソニックからテストしてみます。
今週末、荒れていなければ、
これを持って千葉北でサーフします。
それでは、
日本でもどうぞよろしくお願いします。
Have a great day!!
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