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【特大号テクニック編】点と面_点(芯)を知るのは次レベルに進むアイテム_(3926文字)

 

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先日のことだが、

9フィートのロングボードに乗る女性にサーフィングを教えることになった。

彼女の波乗り歴は3年から5年くらい、

きっと今までは自己流でやっていたか、

開始時にスクールで習ったか、そんなイメージが浮かんだ。

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Nation Los Dos Twin fin

波は膝腰くらい。

一緒にパドルアウトしていき、

沖まで出て、一息ついたらちょうど頃合いの波が現れた。

「この波に乗りましょう」そう伝えると、

彼女はボードをえいえいと巻き足とパドリングで陸側に向きを回しながら変え、

パドリングを全力で開始した。

私はそのテイクオフを目で追っていった。

その時に気づいたのが、

「彼女は波を点でなく、面で見ている」

そして、激しく、強く岸に向かって一心にパドリングしていた。

念のため、次の波も彼女がどのように波にエンゲージするか見ていると、

予想通り面だった。

テクニック編の読者には、

この「面」という初めての単語が出てきたと思う。

今までは「芯」だったが、

面、すなわち波を辺というか、

そんな壁のような範囲で見ていたのだろう。

なので、

そのテイクオフを解体し、

こんなステップバイステップの文章にしてみた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1.波が来る

2.波の位置(自分との距離)をチェックし、自分の距離になったら、

3.懸命に陸側にパドリングする

4.波が自分に追いついてくる

5.泡か、斜面に押される

6.いつかどこかで教わった通りのテイクオフを早く正確に

7.スタンドアップして、陸側に滑っていく

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

こんなステップだったのだろうが、

これはサーフィングを開始した日や、

二度目ならばそこまで悪くないのだが、

何度もやっているとすると、

波に乗るための重要なことが欠如していると感じた。

ちなみに私たちのやり方はこうだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1.波が来る

2.波の位置(自分との距離)をチェックし

3.波の芯(点)を予測して、そこに合焦(がっしょう)させるべく、動く、または止まる

4.波が自分に追いついてくる

5.芯になる箇所にテイルを合わせて、そのまま押し出すようにテイクオフの一漕ぎ目を全力で開始する

6.芯の押し出しを感じながら、これから乗っていく方向のセクションを確認し

7.スタンドアップして、陸側に滑っていく

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんと、3つしか違わないのだが、

大きく違うのでありました。

3.波の芯(点)を予測して、そこに合焦(がっしょう)させるべく、動く、または止まる

これを他の表現をすると、「波を凝視する」ということで、

その波の芯がわからなければ、ピーク、

または押し出しが強そうなところを探します。

基本は泡になってしまったら乗りません。

ただ、オンショアのときのように、

泡を使って波に入る場合がありますが、そのときでも波の芯を追いかけています。

要はそこは予測点であるので、「点」と書いたのです。

【テクニック編】テイクオフの際のアプローチ開始位置_「波の”芯”について」_(1298文字)

面で波を判断している人の場合ですと、

波を線で見ているのでそのピークもわかりませんし、

もし点から乗ってくる人がいても

「同じサーファーであろう」そんなレベルで仮定しがちです。

要は面で乗ることしか知らないので、

全てのサーファーは自分とほぼ同類だと思ってしまい、

波へのアプローチを止めないので、

接触したり、邪魔をしてしまうのです。

もし自分が点から行くことができたのなら、

他のサーファーが他の点に入っているかどうかがわかるはずです。

そして点から乗るサーファーに対して、敬意を払うことができます。

点というを説明すると。

少し抽象的ではありますが、

波の中にたったひとつのときもありますし、

もちろん複数あるときもあります。

例えば、クロスオーバーといって、

ツインピーク(ふたつ)あり、

それがテイクオフ直後に合体するように重なるときもあります。

そのときはもう片方の点にいるサーファーの目線とか、

テイクオフの姿勢やパドリング能力でそのサーファーレベルを見ます。

レベルが高そうな人で、

自分とは反対方向に行くようであれば、

私は迷わずに彼から離れるように波に乗っていきます。

逆にテイクオフの姿勢もグラグラしている、

私も見えていない、もしかするとテイクオフを失敗した勢いで、

こちら側にボードを蹴り出してくるかもしれない、

そんな懸念があるときはさっと止めます。

そう判断させてくれるほどの時間を与えてくれるのが、

この点、または芯部分です。

「波から押し出し」があるのがその特徴です。

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これを簡単にというか、

もっと言うと説明不足で「ワンマン・ワンウエイブ」と、

「波に対して一人しか乗れません」

そんなルールになっているが、

前出したように説明不足なのであります。

ワンマン・ワンピークとすれば、

さまざまな人、さらには波のことをわかっている人がハッピーサーフできるのだが、

このルールが曲解までいかないとしても、

広い解釈で広まっているから、

例えばあなたが波の芯にいて、

それからのセクションは極上であるのにも関わらず、

その芯に届かないであろう、つまり抜けて来られないことが明白なのに、

浮力のあるボードに乗ってむりやり漕ぐ、

または切り立った波先から「ヘイ!」と言えば、

合法的に芯から乗ろうとしているサーファーを排除することができる。

こういうとき(抜けて来られないことが100%明確)に私は迷わずに乗ってしまうのだが、

たいていは、その抜けられないこちら側にわざわざ、

無理にテイクオフしてきたサーファーが、

ワイプアウトかスープにつかまり、

その次にはこちらに対して

「前乗りするなよ」そういったネガティブな感情を抱くこともあるだろう。

私のしたことは断じて前乗りではないのだが、

「あの人にこれを説明してもわからないだろう」

そう感じていることが多い。

ちなみにこちらでは、この場合はほとんど

「あの波は自分は抜けられなかったけど、良い場所から乗ってメイクしてくれてありがとう」

逆に感謝される。

そうなってくると、

みんなが良い場所から波に乗れるので、

高いサーファーレベルのセッションが期待できる。

「点(芯)を知るというのは、次のレベルに進むためのアイテム」

そう断言できるほど重要であるとわかった。

後、重要なことはテイクオフの際もいつもそうなのだが、

「激しく漕ぎ続ける」ということではなく、

点(芯)が合致した瞬間に1、2回激烈に強く漕いで、

波の中に入るということです。

これなら波のピークの下で、スーッとボードが滑っていくのです。

これを見ると、なんてパドリングが速い、

または偉大なマジックボードに乗っているのだろうか、

そう感銘するのでありましょうが、

種明かしをすると、点(芯)のところから1回、

または2度ほど深く、

そして強い超全力パドリングをその位置から開始していたからなのです。

私もそうでしたが、良く聞いたのが

「”さし乗り”するな」ということ。

この場合の「さす」は、

刺す=波の中にテイルを差し込む

差す=同上

射す=同上

指す=芯を示すようにする

「さし乗り」とは、

これらのどれかの意味、また混合の行為であり、

私たちはこのテイクオフを多用している。

具体的には波を引きつけ、そこから一気に波に入ること。

しかし、多くの指導者たちは口を合わせて、

「長くパドリングしなさい」と、面でのテイクオフを推奨している。

だが、パイプラインもバックドアも、ホワイトハウス、イナリーズ、

はたまたアライヤ、ボディサーフでもこの”さし乗り”でしか波に乗れません。

この辺りだと、

ロッキーショアや海賊岬がそんな一瞬だけを利用して、

さし乗りテイクオフしなくてはならない波です。

わざわざパドリングを止めないでも、

イメージとして、点(芯)が合致する瞬間にフル出力とするのも、

ここではさし乗りのバリエーションとして紹介しておきます。

でも、さし乗りは一般的に忌み嫌われている。

それがなぜだかがわからないので、

コーヒーを淹れながら考えてみると、

暫定的ながら答えが出た。

指導者たちは、

サーファーが沖にいることとして、

「その合焦地点を沖から陸側に移動しながら合わせなさい」

ということを言っているのだとわかった。

要はセットが入る

波を凝視する

芯位置を予測できたらその箇所に向かって沖からパドリングして合わせろ

そう言っていたのだろう。

これももちろん正しいのだが、

かなり難易度が高くなるし、

沖からその芯位置を得るのは、私たちベテランでも難しい。

なので、少し陸側からその芯から乗りましょう。

そんな提案です。

これならば、その波を待つラインを陸側に引き下げられるし、

その結果、たいていは地形が沖よりも浅くなるので、

波のやってくる回数が倍増するだろう。

そのたくさんの波サンプルから芯探しをするのは、

とても良い経験と実践となるでしょうし、

逆に沖で待ってしまうと、

ごくまれにやってくるセット波の中から芯を探し出して、

他のサーファーと一緒にその波を追いかけるのは現実的でない気もします。

まとめますと、

全力でパドリングするのはテイクオフを開始した直後の1、2回目だけです。

ガオーっと漕ぎすぎて、

飛び跳ねるようにテイクオフしてもスタンスの精度が低いですし、

良いことはありません。

大事なのは、波を見て、

その芯を知り、うねりが動く速度に順応することです。

これによってワイプアウトが激減しますし、

乗った波から受ける印象が強くなり、

そしてご自分の波乗りが大きく変わります。

ぜひお試しください。

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