春、ですね。
ウエットスーツの権威、
石井博士が館山よりNAKISURFまではるばる来られた。
一宮と館山、お互いの距離は60kmと近いのだが、
車だとじつに150分もかかり、
とすると、一宮から品川までアクアラインならば90分なので、
(こちらも60km)
千葉の南に下るには東京よりも1時間も余計にかかる計算となる。
高速道路の不思議。
当たり前か。
ミーティング後、
恒例の駅前のタカラ亭で昼食とすると、
TVでは、現在の気温が21度もあって、
これは4月下旬の気温だと言っている。
千葉北の水温はまだ温かく、
願わくばこのまま温かであって欲しいのだが、
どうなることだろう?
Nation Champagne 6’11”
Photo by Brian Miller
昨日は日曜日だったので、
前日の土曜日も含めて多くの友人たちと一緒にサーフした。
その中のひとりEくんがこう聞いてきた。
「ウナクネって、どんな意味なんですか?」
そこでこう答えました。
「ウナクネはオルタナティブサーフの別な言い方ですよ」
「それではそのオルタナとウナクネ、違いはあるのですか?」
「もちろん。ウナクネの方が広義に渡るというか、オルタナよりも門戸は広いという解釈かな」
「例えばどんなものですか?」
「そうだなぁ。あ、例えばタイラー・ウォーレンがいるでしょ。彼はオルタナティブサーフの覇者であると思うんです」
「はい」
「で、そのタイラーはウナクネでは影皇帝。わかる?」
「余計にわからなくなりました」
「ごめんなさい。混乱させてしまって」
「いえいえ、わからないですいません」
「それではこう言いましょう。タイラーはオルタナティブサーフの重役。
けれどウナクネ界でもタイラーは天下りというか、そんな位置にいます」
「はい?天下り、ということですか?」
「うーん。自分でもわからなくなってきたな。例え話は止めよう」
「はい(笑)」
「あ、わかった。オルタナティブサーフはメディアとかに取り上げられすぎて、
本来の自由さを失いつつあるけど、ウナクネは原始というか、
いつまでも真の、そしてオルタナの原点でいられることだね」
「なるほど、かっこ付けないオルタナということですね」
「ま、端的に言えばそうなるね」
「それではなんでNAKIさんはウナクネは自薦でいいと言っているのに、
先週の伊豆編で洋一さんが他薦だったのですか?」
「あ、Eくんはそれが聞きたかったのではないのかな?」
「はい。すいません。じつはそうです(笑)」
「ウナクネはもちろん自薦ベースですが、
私の周りにいる人はウナクネはウナクネでもかなりウナクネにどっぷりだから、
その中(洋一くんの親友)には他薦だという意見もあったというわけです」
「じゃ自薦でいいと、そういうことですね」
「その通り。だって波乗りって、基本は自分のためにすることでしょう」
「そうですよね。じゃ自分でもウナクネ式と名乗ってもいいですか?」
「もちろんです」
「ウナクネ証明書みたいなものを作成してください。あ、免許制度があったらうれしいです」
「免許証みたいに番号とか、点数制度でウナクネサーファーを管理するの?」
「はい、大きな失敗すると減点されて、ウナクネ停止とか保留というのはいかがでしょうか?」
「失敗はカッコ悪いこと、とすればいいのか」
「そうです。例えば、波が崩れて泡になっているのに、
懸命に前の人に追いついて、自分が正しいとやっている人は、
マナー違反行為とかとして、または駐車場所とか、
ブレイク周辺で無法なことをしていたら一般違反とかにすればいいと思います」
「わかる、泡になっているのに追いついていくのは、ルールの逆読みというか、
本人たちは正論で正しいと思っているけど、ただの嫌がらせに感じるときもあるよね」
「はい、それを違反者講習とかして、きちんとした世界に通じるマナーを知るときが来たと思います」
「けれど、車の免許でそうなっても嫌々行くのに、サーフでそれをみんなやってくれるかなぁ?」
「うーん(腕組みして考えるEくん)。でもそれをするだけの魅力がウナクネ免許にはあると思います!」
「それはすばらしいことだけど、そんなくくりというか、規則がないのがウナクネの良さだし」
「でも、コンテストルールの押しつけは、ただでさえ波が少ないのに乗れない波が多すぎます」
「そうだよね。抜けられなくてもこちら側に向かってくる人が優先だとされるよね」
「あれをやられると、こっちが良い場所にいても乗れないんですよ。カリフォルニアやハワイでもそうなんですか?」
「まさか。きちんと波壁を滑って抜けてくる人だけの優先権ですよ」
「日本もそうなればいいのに…」
「そうだね。違反はあってもなくても講習会をやったり、
NSAとかでそういうことを知らせてくれたらいいんだけど、
サーファーのレベルが違うと、そういうことが理解されなくて、
結局は平行線ということもあるからなぁ」
「だからウナクネ界では、ということにしてみてはいかがでしょうか?」
「いやぁ、ウナクネはマイノリティの中のマイノリティなので、
多勢に無勢ということになるだろうね」
「だからNAKIさんは人が少ないところでサーフしているんですね」
「そうとも言えるし、そうでもないよ」
「どういうことですか?」
「私の場合は”サーフを通じての自分との対話”ということでもあるから、
無人波でサーフする幸せを創りだしているんだよ」
「だから波が悪くても、人がいない方を優先するのですね」
「そう、まずは競争をしたくなくてサーフしているから、
自分を歓ばすというか、そんなものがウナクネの究極じゃないかな」
「なるほど!すっきりしました。ありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそそこまでウナクネに入り込んでくれてうれしいですよ」
「ウナクネ・フォーエバーですね!」
「ぜひ!」
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ウナクネと言えば、
伊豆のリアルサーフショップ主宰鈴木直人さんが、
私の作品についてブログを書いてくれました。
しかもウナクネロゴ『UNK』入りであります。
本当にすばらしいショートトリップになって、
大切な友人たちも大喜び。
みんな楽しく、良い波とおいしい食べものをいただき、
さらには温泉と美しい景色を見ながらのドライブ。
昨日の奄美大島の緑くんではないが、
「伊豆も最高よ〜」
それではHappy Spring Day!!
◎