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naki's blog

風のように波に乗るテラさんとブバラカ_純粋派は声が高く、実用派は使いたおす_(2278文字)

昨日はNALU誌のミーティング日。

それはテラさんこと、

寺内さんとケダモノ偏(狂ということ)同士の波乗り談議から始まった。

私たちの最初は太東にいて、

瀬筒雄太さんたちとコーヒーを飲んでいたが、

「(波に)浸かりましょう」

ということになった。

北東風なので、

勝浦へジュクオン経由で向かったのはブバラカ。

ちなみにジュクオンはオフショア、

ブバラカはサイド風。

ジュクオンはいくつかのピークが無人と空いていたのだが、

この北東うねりが届かないようで膝サイズと小さく、

「せっかくうねりがあるので」

そう言いながらブバラカにやってきた。

南房総は、

岡田修平さんの門下生であるテラさんは、

なつかしの『コマネチ』を自由表現されていた。

この動きは深いし、

また昭和的であるので、

師匠の修平さんのお顔と共にうな陣の水車風景がチラリと明滅した。

「風のように波に乗れ」

そんな言葉をまとうようなテラさんのグライド。

シングルフィンのミッドレングス。

銘品なのに芸術品として保存しないところがテラさん流。

「サーフボードは乗りましょう」

そんな標語が掲げられるほど、

世の中がコレクターばかりになってしまったことを嘆くケダモノ偏たち。

私はあれから、

具体的には週末からフィッシュ狂となってしまったので、

フィンの抵抗を楽しんだ。

    

緩慢な斜面でのカットバックだけど、

レイルとテイルに適量の負荷を与えると、

見事に波の有効フックに戻ることができる。

フィンレスサーフで培ったのはレイルを掴むこと。

一瞬でも掴み、

ボードの向きを精確にするという実用。

このキャンバス・フィッシュはアウトラインに優しさがあり、

それはまるで女性の曲線のようで、

だからサーフボードは女性名詞なんですというのは、

波乗りと魚博士テラさんの論。

5’4”を見ながらテラさんは何かつぶやいていた。

聞いてみると、

「純粋派は声が高く、実用派は使いたおす」

という名言だった。

このブバラカは、

その当時丸井プロという波乗り世界選手権が行われていたブレイクであり、

当時は私も参加したりした。

当時は順位至上主義ということを実践していたので、

それは喜ばしきことだったと思いだしたが、

今ではそのときに何日もかけて解析したブバラカのブレイクの癖、

バリエーションのことが思い出された。

デニーズもなかった。

マンションもない。

あそこはストリーマーズだった、

めんころ食堂は新官(シンガ)にあった等が思い返されるのであった。

そこにはガーラックがいて、

ジョン・シモオカ、

ニッキー・ウッドたちをテイクケアしつつ、

トム・カレン、

ゲーリー・エルカートン、

オッキー、

トム・キャロルたちの波乗りを見た。

世界は信じられないほどのハイレベルだった1980年代。

国際武道大学付近にあった黒帯の、

洗面器サイズの1kg炒飯と、

「麺5玉(600g)で普通盛り」

というバケツに入ったかのようなラーメンが思い出された。

【再録】CL値_サーフボードの体積について_房総台風10号_ウエットスーツ石井博士@部原_(3485文字)

またある年は、

台風で巨大なうねりと嵐雲が勝浦湾にやってきて、

マルイプロは延期となったが、

その荒れた海でひとりボディサーフしていたトム・カレンのことを強烈に憶えている。

この朝の太東ミーティングで、

「波乗りは多様化すべき」

「来る波に合わせて、滑るべき」

「ボディもミニも、ミッドもログ、はたまた船にまで乗れ」

「ヒロイックでないローカリズムは無用である」

という北方謙三さんばりの論が飛び交っていたポート・オブ・コール。

PORT OF CALL TAITO BEACH

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こちらはそのミーティングを活発にしたトモくん。

「NAKIさんとは、

以前吉川さんたちとサンクレメンテ・ピアでご一緒したんです」

そんな先史のことまで憶えていて、

さらに彼は太東産であるのに、

カリフォルニア感たっぷりの感性に驚かされた。

うれしいので絶版となったFire Waterを進呈すると、

「これハンティントンビーチでVHSがすり切れるまで見ました」

そんなうれしいことを教えてくれた。

編集者&撮影者の谷沢くんがさぞかし喜ぶことであろう。

で、

波乗り後に時間を戻すと、

時は昼食となり、

波乗りのマンライ指数と比例した空腹感があった。

いくつかの港を北上し、

テラさん御用達である大原漁師飯をいただきに行った。

イカゲソの天ぷらを前菜に、

海と波の話。

その漁師、

つまり船頭さんが奨める

『アブラボウズの煮付け』をいただく。

テラさんは元バスプロ、

魚釣りで生計を立てていただけあり、

魚も「さかなクン」並にお詳しいということ。

このアブラボウズについてを聞いてみると、

「カサゴ目では最大のギンダラ科の魚です。

丸い頭、濃い灰色で、

こいつらはひっそりと水深400mの岩場にいる深海魚です」

「水深何mから棲息するものを深海魚と呼ぶのですか?」

そう聞いてみると、

きっぱりと、

「200mからです」と言う。

その深海からやってきたものは、

銀ダラをさらにまろやかにしたようで、

たいそうおいしかったことをここに。

そのままスクロールダウンし、

いくつかの美をインスタグラムで拾った。

寺内編集長との約束は、

締め切り日までに総帥たちの掲げる旗のこと、

コラム等々をたっぷりと書いていくこと。

それを想像すると、

文章は絵画のような風合いを帯びる。

さかなクンやテラさんもそうですが、

博士というか、

マニアの人との話は尽きず、

とても楽しいものでありました。

それでは、

今日もNAKISURFにお越しくださってありがとうございました。

また明日ここで!

Have a wonderful day!!
Happy Surfing!!