Nation The Connector 6’5″
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昨日と今朝は、新月の超干潮となった。
見たことのないリーフまで露出し、
まるで違う場所にも見える。
ワイプアウト厳禁というか、
もししてしまうと、
最高の結果ですらリーフの上を転がって、
切り傷だらけとなる。
この画像はビデオからのフレームグラブ。
つまり映像があるので、後日まとめてみます。
K.C. on 5’7″ Single Fin
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グレイトサーファー超え認定のKCは、
前出(昨日ブログ)のトニー・ロバーツと同郷で、
彼のみならず、
他にも何人かサンタクルズ出身サーファーがいると言っていた。
彼は雨期になるとカリフォルニアに戻り、
過酷な季節労働を数ヶ月し、
お金を貯めて、また中米に戻ってきては、
良い波のところでサーフしている。
そういうサーファーは多いが、
彼が他と違うのは、
極まったサーフレベルを会得していること。
リチャード・クラムのようなカービング、
ブラッド・ガーラックのような円弧線、
マービン・フォスターのような恐れを知らないほどの意志の強さ、
そして、シェーン・ドリアンのようなやさしさと、
奥深さを兼ね揃えているかのようなサーファーは稀だろう。
「ずば抜けたサーファーは神性を帯びる」
と、どこかのマガジンに書いたけど、
私から見ると、彼はやはり神にも見える。
波の順番も守るし、
何よりも波の一番良い場所を知っている。
水深がほぼない新月干潮でもサーフするケダモノは数人いるけれども、
どれもみんなただ入って逃げ回っているだけか、
またはひどいワイプアウトをして、
ボードか体のどこかを傷つけて帰っていく中、
KCだけはきちんとサーフしている。
波の半分がリップとなって飛ぶようなウエッジでも、
まるでジョンジョンのように、
リップの下縁にボードを引っかけて、
グイと深いインパクトパドルを入れて、
波壁に張り付きながら落ちていく。
次の瞬間には波先の上に彼のサーフボードの残像が大量の飛沫と共に残り、
そこで彼がどんなボードを乗っているかを知るのであります。
昨日、ちょうど私がボードを流してしまったとき、
彼がボードを拾いに浅瀬に行ってくれて、それからの縁で知り合った。
私たちはこの新月干潮によって仲間となり、
彼の街まで一緒に行き、
『魚料理のおいしい店』で、
ジョンジョン新皇帝再選のお祝いをした。
やはり一番大きな話題になったのは、
メディーナとケリーの妨害合戦。
「あのルールはいかなるものか」
そう侃侃諤諤(かんかんがくがく=盛んに意見を交わし合うこと)と、
新ルールに向けてピルセンビール(私)と、
インペリアルシルバーが開いていく。
夜も更け、
彼と私はほぼ同類だと強く感じた。
KCは、
「この車(2000年、4ランナー、ターボディーゼル)で何年もかけて、
中米を旅しながら故郷に戻ること」
が、ちょっとした近い自分だろうと言った。
これまでKCはメンタワイのガイドをし、
私と同様に(私が住む5年前)ノースハワイ島で3年間暮らし、
そしてこの中米波の魅力に取り憑かれ、
現在は冒頭に書いた生活をしている。
波乗り中心というか、波乗りだけ。
生きていくためには、観光サーファーのビデオや写真も撮るし、
ガイドもし、
さらにはお金がなければ何日もピーナッツと水だけで暮らし、
明日の波を夢見る。
いつだかのNALU誌に『逸脱』についてのインタビューを
ジャスティン・アダムスとクリスチャン・フレッチャーにしたが、
彼らも世間から逸脱しているが、
好きを越えた波乗り狂にとって、
どちらの人生が良いかは自分が決めるのだろう。
ミラーも言っていたけど、「人生は一度きり」。
自分も逸脱したくなった。
いつかきっと。
Pura Vida.
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