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naki's blog

エクセレントサーファーKC_世間からの逸脱_または波世界に没頭_(1520文字)

Nation The Connector 6’5″

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昨日と今朝は、新月の超干潮となった。

見たことのないリーフまで露出し、

まるで違う場所にも見える。

ワイプアウト厳禁というか、

もししてしまうと、

最高の結果ですらリーフの上を転がって、

切り傷だらけとなる。

この画像はビデオからのフレームグラブ。

つまり映像があるので、後日まとめてみます。

K.C. on 5’7″ Single Fin

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グレイトサーファー超え認定のKCは、

前出(昨日ブログ)のトニー・ロバーツと同郷で、

彼のみならず、

他にも何人かサンタクルズ出身サーファーがいると言っていた。

彼は雨期になるとカリフォルニアに戻り、

過酷な季節労働を数ヶ月し、

お金を貯めて、また中米に戻ってきては、

良い波のところでサーフしている。

そういうサーファーは多いが、

彼が他と違うのは、

極まったサーフレベルを会得していること。

リチャード・クラムのようなカービング、

ブラッド・ガーラックのような円弧線、

マービン・フォスターのような恐れを知らないほどの意志の強さ、

そして、シェーン・ドリアンのようなやさしさと、

奥深さを兼ね揃えているかのようなサーファーは稀だろう。

「ずば抜けたサーファーは神性を帯びる」

と、どこかのマガジンに書いたけど、

私から見ると、彼はやはり神にも見える。

波の順番も守るし、

何よりも波の一番良い場所を知っている。

水深がほぼない新月干潮でもサーフするケダモノは数人いるけれども、

どれもみんなただ入って逃げ回っているだけか、

またはひどいワイプアウトをして、

ボードか体のどこかを傷つけて帰っていく中、

KCだけはきちんとサーフしている。

波の半分がリップとなって飛ぶようなウエッジでも、

まるでジョンジョンのように、

リップの下縁にボードを引っかけて、

グイと深いインパクトパドルを入れて、

波壁に張り付きながら落ちていく。

次の瞬間には波先の上に彼のサーフボードの残像が大量の飛沫と共に残り、

そこで彼がどんなボードを乗っているかを知るのであります。

昨日、ちょうど私がボードを流してしまったとき、

彼がボードを拾いに浅瀬に行ってくれて、それからの縁で知り合った。

私たちはこの新月干潮によって仲間となり、

彼の街まで一緒に行き、

『魚料理のおいしい店』で、

ジョンジョン新皇帝再選のお祝いをした。

やはり一番大きな話題になったのは、

メディーナとケリーの妨害合戦。

「あのルールはいかなるものか」

そう侃侃諤諤(かんかんがくがく=盛んに意見を交わし合うこと)と、

新ルールに向けてピルセンビール(私)と、

インペリアルシルバーが開いていく。

夜も更け、

彼と私はほぼ同類だと強く感じた。

KCは、

「この車(2000年、4ランナー、ターボディーゼル)で何年もかけて、

中米を旅しながら故郷に戻ること」

が、ちょっとした近い自分だろうと言った。

これまでKCはメンタワイのガイドをし、

私と同様に(私が住む5年前)ノースハワイ島で3年間暮らし、

そしてこの中米波の魅力に取り憑かれ、

現在は冒頭に書いた生活をしている。

波乗り中心というか、波乗りだけ。

生きていくためには、観光サーファーのビデオや写真も撮るし、

ガイドもし、

さらにはお金がなければ何日もピーナッツと水だけで暮らし、

明日の波を夢見る。

いつだかのNALU誌に『逸脱』についてのインタビューを

ジャスティン・アダムスとクリスチャン・フレッチャーにしたが、

彼らも世間から逸脱しているが、

好きを越えた波乗り狂にとって、

どちらの人生が良いかは自分が決めるのだろう。

ミラーも言っていたけど、「人生は一度きり」。

自分も逸脱したくなった。

いつかきっと。

Pura Vida.