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【テクニック編:波乗りを余すところなく楽しむ方法】その1『ワイプアウト、次のステップ』_(2345文字)

新年あけましておめでとうございます!

私が年明けにまずしたことは、

初乗りではなく、謹賀新年バナーの製作です。

初乗りしたかったのですが、

起きたらまだ深夜2時だったのが一番の原因でしょう。

で、デザインに集中し、

とにかくNAKISURFぽく、

新年ならではの飛翔感を出して、

良い波で、とやっていたらこうなりました。

鳥と波が重なりました。

どうぞどうぞ、2018年を佳い年としましょう。

さて今日は、新春スペシャルとしまして、

【テクニック編:波乗りを余すところなく楽しむ方法】

その1『ワイプアウト、次のステップ』編です。

まずはこの動画を見てください。

後ろからの跳ねる強烈な泡に加え、

横からの跳ねの出現に耐えられなくなって、

飛ばされた形ですが、

このとき私は、「なるべく巻かれる」ようにしました。

あれ、変だぞ。

巻かれないようにしたのではないのかと、

誤字ではないかと思われてしまいますが、

これは間違いではなく、

「わざとなるべく巻かれた」のです。

その一番の理由は、

波に乗っていられなくなってしまっても(ワイプアウト)、

少しでも陸側まで行きたかったのです。

波に巻かれるというのは、

円運動の中にいるから「巻かれている」という表現になりますが、

もっと簡単に言うならば、波の中にいるわけです。

“波は陸側に向かっていくもの”

ということは、極端な話、波の中にずっといることができたのなら、

1本波に乗るだけで岸まで到着できる。

なぜ岸に近づきたいか?

その理由はさまざまありまして、

例えば、

1.インパクトの位置に浮かび上がりたくない。

というのは、ノースハワイのイナリーズ、

ノースショアのハレイワなどでは、

インパクトでワイプアウトすると、

引き込む流れによって、

再びインパクトの真下に浮かび上がってしまうのです。

インパクトの真下というのは、

波先が海面にヒットする場所です。

考えるだけで恐ろしい位置で再び波の最大パワーを受けたくない。

これが1の理由です。

2.離岸流が強ければ、瞬時に沖に流される。

この映像では後ろ側、

画面右側の砂を吸い込んで茶色くなっている箇所が離岸流です。

(開始後、およそ26秒後から確認できます)

つまりワイプアウトした箇所より沖側は急激に深い。

巻かれないと、陸側に行かないわけですから、

流れに吸われて深い場所に浮かび上がってきてしまいます。

そうすると、泳法だけが陸側に移動できる手段となる。

この海の流れというのが、人の技量を越えるときが多々ある。

どんなに泳ぎが達者でも、流れが強ければ沖に流されてしまう。

なぜ、沖に流れてしまうかというと、

3.こういった種類の波インパクトだと、

リーシュがボードのフィンにかかり、

瞬間的に引っぱられるだけで糸のように切れてしまう。

ボードは岸、あなたは波の沖側に浮かび上がってくる。

そうすると、

欲しても欲さなくても沖に流されてしまうわけです。

これら全ては、

「無事に陸にたどり着きたい」という原始的なことから、

より長く巻かれたいということになるのです。

事実このとき私は、

ワイプアウトして海面に落とされて、

次の瞬間には波内に入り、

ほんの少し待ってから、

スカイダイビングのポーズのように両手両足を開き、

より長く波に巻かれるようにした。

結果、かなりの浅瀬まで来られて、

翌波でボディサーフして瞬時に戻ってくることができました。

(この動画がそうです)

軽く無事に戻りましたが、

少し経ってから、よくこのことを考えてみると、

逆説のような教えがあったことを知りました。

それは「より巻かれよ」という、

誰も教えてくれなかったことです。

私も今までは「より巻かれない方法」を考えていました。

それがノースハワイのホワイトハウス、イナリーズ、

はたまたコスタリカのデビルズダンジョンでは、

リーシュ保持のため、切れづらいように

「波と一緒に巻かれていく」という原則を知りました。

強波に初めて挑戦する人にアドバイスするときは、

「サーフボードと一緒に巻かれて、決して自分だけ波から外れないように」

と伝えます。

これは自分にとって挑戦的な波に乗って、

ワイプアウトしたときに小さなパニックとなって、

波から外れたく、または海面に出て、早く呼吸したくて、

リーシュが付いている足を、

すなわちボードを引っぱってしまいます。

そんなとき、リーシュはプッツンと切れます。

挑戦。

そんな心持ちで挑戦している大波の下ですから、

つかまるサーフボードはおろか、何もなければ、

浮かび上がったすぐ後、

すぐにパニックとなるでしょう。

そうならないように、

“リーシュを切らないようにサーフボードと一緒にあなたも巻かれなさい”

逆に言うと、

挑戦する波を決めたら、

その最大セットを喰らって、

最大秒数耐えられるか、自身で再確認し、

それができて、

かつ冷静でいられると確信したときにその挑戦を開始すれば、

安全に波に乗ることができる。

でも逆に考えると、

小波、例えば胸サイズのときに

「より巻かれる」ということを始めたら将来的に次のステップである、

「より強い波に乗る」という行為に挑戦しやすくなります。

そしてその裏面には、

もちろんですが、

「より巻かれない」ための体術も存在しています。

「より巻かれる」ということを体現し、

波の仕組みを理解すれば、

「より巻かれる」ことの反対のこと、

つまり体を小さく、抵抗を少なくすればいい。

さらには波のこの辺り(バレルなら底辺の少し上)にワイプアウトする、

等々のことを会得できるのです。

不思議だけど、これもサーフィン。

こうしてさまざまな考え方、

そして楽しみ方と【テクニック編】と併せまして、

NAKISURF内だったり、

各サーフ誌でご紹介していきますね。

今年もどうぞよろしくお願いします。

2018 1. 1. naki


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