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アロハな日をアロハな人とサーフ_ブレッドフルーツとスカシ_(1269文字)

Catch Surf Skipper Fish 6’0″ Minimal Fin

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ノースショアからリックがやってきた。

ハナレイ・リックと名を知られる稀代の大波乗りだ。

「波はきっと小さいよ。膝だね」

念のためそうやって半分程度のサイズを教えると、

「私は、無人でクリーンな波に乗りたいから膝で十分だ」

そう言ってやってきた。

お願いされていたココ・サンシャインクリームを渡すと、

「メンタワイ(インドネシア)では、

これを塗っておけば、波乗りだけに集中できました。

でももうすぐ無くなるところだったから、本当にうれしいです」

彼の息子にキャッチサーフからのステッカーをプレゼントすると、

それと引き替えというわけではないが、

彼の大好物の「ブレッドフルーツ(’ULU、パンの木)」をいただいた。

「177度のオーブンで2時間も焼きました」

というブレッドフルーツは、

まるでパンと芋の中間の食感だった。

それにQPマヨネーズを付けて食べると、

おいしいような、それでいて、

なんとなく抵抗があるような食味。

でもリックは「おいしいおいしい」と、

もったいなさそうに食べている。

食べ慣れると相当なるごちそうなのでしょう。

「私はあのピークがいいですね!」

はい、そこにしましょう。

Catch Surf Skipper Fish 6’0″ Minimal Fin

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「最高最高!無人だし、水もクリアで風もない。

これを俺は求めていたんだ!」

そうやって感激しているリックを見ると、

大波に乗ることを愛していても、

こうして些細なる波も同様に愛するのだと知った。

「マンライです」

そう言ったか言わないかはわからないが、

そんなキャプションが浮かんだ。

私の番がやってきた。

リックと同一のセッティング。

イナリーズの今日は、

ビーチに対して巻き付くような横波なので、

50mくらいこんなセクションが続いていく至福波。

イナリーズはすごい。

大波から小波まで誰をも魅了することができる。

上がってくると、

前出のブレッドフルーツをアップルバナナと一緒にバクバクといただいた。

島からの贈りものであるフルーツは市場に出回っていないので、

本当においしく、滋味あふれるものであります。

「シュー!」

と息を吐く音が聞こえてくるので、

見ると、リックがパワーヨガを開始していた。

呼吸が大切です。

傾けた方と逆側にも同量に負荷をかけて。

最初に決まらなくても、関節をずらしたり、

筋肉を揺らせば徐々にポーズが決まっていきます。

「このポーズは基本系ですが、達人の証です。

写真を撮ってブログに載せてください。

見る人が見たら、

私がジェリー・ロペス級なのを知ってもらえます。ハイ!」

シューー(息を吐く音)

そうやってリックはいつまでもヨガを続けていたので、

私は持っている村上春樹さんのエッセイ本を読むと、

そこには瀧朗のようなスカシ気配があり、

そんなこともうれしくなった。

晴れたアロハな日に乾杯!

スカシ(スカ師)についてはこちらをご覧ください↓

ダクトテープ@メキシコ_CJネルソンとライアン博士_片瀬江ノ島駅前の長い波_ウナクネ三種思想_(1836文字)