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naki's blog

【特大号】桜満開日のウナクネ式結集_(4004文字)

Takiro and I high Five at Chiba X

.

「こっち波ないんで、千葉に行きます」

湘南に住む瀧朗からそう連絡があった。

「小さいけどエックスなら出来そうだよ。ラカちゃんも一緒なの?」

「あいつは石垣島にバカンスに行きました」

「いいなぁ」

そうやってみんながエックスに集まったのはいいのだが、

晴れた土曜日だというのにサーファーは無人、

波は全く良く見えなかった。

波情報も最低な点数を付けているという。

良く見ると、

インサイドライトがパーフェクトにブレイクしていて、

「あそこだ!あそこでやろう!!」

一人興奮してみんなを見ると、

「冗談ですよね」

そう言われたので、

「本当だよ、ここ(駐車場)からは距離があってわからないけど、

パドルアウトしたら俺の言っていたことがシンジツだと知るだろうね」

そうシニカルに言い放つと、

村上春樹好きの瀧朗が反応して、

「ドストエフスキーが書いた賭博のことと似てますよね」

「ノルウエイの森だっけ?」

「はい、そうです。”可能性がまわりに充ちているときに、

それをやりすごして通りすぎるというのは大変にむずかしい”

そんなあれです」

「瀧朗天才」

「いやぁ、あいつ(ラカちゃん)の受け売りです。うふふ」

「ふーん」

今回の結集は、

キャッチサーフのスキッパーフィッシュ6’0″に

新概念のスモールフィンを付けてみた。

それにRVCAスーツの3連新製品。

こんな感じで前方スロットに装着するか、

ツインのトレーラー(後方スロット)、

またはレギュラーサイドのトレーラーに使うといいだろう。

このスモールフィンは、

速度が増すことが知られているので、

初めて乗った人はさぞかし驚くことだろう。

こんなに美しいフォルム。

ウエットスーツに着替えてパドルアウトすると、

見積もり通り波は極上だった。

しかも膝サイズのオンショアショボ波が、

エックス横の堤防から跳ね返ったサイドウエッジと重なると、

モモから腰サイズのパーフェクションとなって、

セクションは生きもののように50mは走る。

重要なのはそのピークを見つけて乗ること。

テトラ寄りのアウトサイドではなく、

さらには堤防側でもなく、インサイドのピークがその場所。

スモールフィンだから、

わりと普通にターンできる。

ターンをしながらノーズを波フックに刺すと、

そこを支点にターンが始まる。

無重力感覚が楽しいスキッパーフィッシュ・セッション。

                      

インサイドで瀧朗ボードが差し出されて、

トランスファーを試したが、なかなかむずかしい。

今回は良い位置にボードがあって、

絶好のチャンスだったが、それでもメイクできなかった。

ジャンプする際にはボードをノーズダイブさせると、

自分のボードが関与しないことがわかった。

要はノーズ側に加重してからジャンプという流れです。

市原マーちゃんは、

「ラカラカ・ムーブ」に夢中で、

波に乗りながらこうしてラカラカしていた。

これはラッコの気持ちなのだそうで、

どうして根付いたかというと、

サバちゃん改め、

ラカちゃんにその由来があるらしかった。

「らか〜!」

どうやらこのポーズが、

「ラカラカ」の原型らしかった。

なんだかいいなぁ。

ヨッシーもやってきて、

シェビィにスタンピング。

ただこういう波には、

スタンピングではなく、ソフトフットが有効ですね。

アツシくんは、

DFW+ミニマルセッティング。

完全無人だったけど、

私たちがサーフしているから、

ラーメン人気店のように人が集まってきた。

この人はレトロシングルフィン。

1970年代後半から’80年代前半のものだろうか。

5’6″スキッパーにフィンレス、

つまりフィンを付けずにサーフしたしょう寅杉本さん。

この顔面ワイプアウト後、彼の口上を聞きに行くと、

ーーーーーーーーーー

えへん。(咳払い)

お立ちあいお立ちあい!

そこの瀧朗さん、市原マーちゃんとNAKIさん ゆっくりと聞いておいで。

遠出波越えウエットの内、聞かざる時には、

波の出方、善悪、黒白(あいろ)がとんと分からない。  

ボードのフィンの話だが、

ターンとなると、フィンをじっくり見ても、

これはフィンの切れ込みか、

ボードシェイプでターンするのか分からぬが道理じゃ。  

さて、手前ここに取り出したるこれなるこのボード、

西海岸はキャッチサーフ製ときたもんだ。

サーフボードに上手名人はござりませぬけれども、

手前のは、

今日一番小さいスキッパーフィッシュ56(ごーろく)に、

付属フィンを付けたのなら

お天道さまとお月さまの道理のようにバランスが取れるものでございます。

このフィンを大道に据え置くならば、

天の光を受け、地の湿りを吸い上げまして陰陽合体。

それをパッと外してしまうのが、フィンレスご時世ときたもんだ。

しかしこれでは波に乗ってもまっすぐ滑らず、横向き後ろ向き、

水前寺清子さんの三百六十五歩のマーチではないが、

三歩進んで、二歩さがるかのごとく、

虎の小走り虎走り、はたまた後ろへ滑り、

アーキングはまるで独楽(こま)落とし、

リンコン岬でのトレーシング、

またはプラヤネグラのハイスピードバレル、

サンオノフレのジャスティン・アダムスというように十二通りの芸当がござりまするけれども、

当方いかに波乗りの芸当が上手であろうとも、投げ銭や放り銭はお断り。   

手前この上総国、一ノ宮海岸のエックスにて未熟な渡世はしているけれども、

はばかりながらの天下のサラリーマン、

みなさまがたが汗水流して稼いだ銭をいただこうとは思ってもしませぬ。   

しからば、お前、投げ銭、放り銭貰わねえで、

一体何をもって、この口上としているのかい、

何をもって、こんなことをしているのかい、

と心配なさる方があるかも知らないけれども、

これなる不思議ボードが示すがごとく、

上総国一ノ宮の守り神に、

新技奉納という今日このごろとしてとおりまするで。

さて、お立ち会い。

これより遙か海の彼方、

米国はサーフィンの都、フレッチャー王朝で古くから有名なカリフォルニア。    

「ようこそフォテルキャリフォルニアへ♪なんてすてきなところ ♪天井の鏡、氷に入ったピンクシャンパン♪」

と鷲たち、つまりイーグルスの歌にもございますカリフォルニアは、

サンクレメンテの名波で鍛え上げられたキャッチサーフですぞ、と。

 おい、しょー寅屋。

お前さん乗れねぇからって、

言い訳の口上と来やがったら問屋が卸さねぇぞ、

そう言っている方がおりますけれども、

そうではごさりませぬ。  

も一つ大切なものが残っておりまする。

ここに取り出すSX7ならば、

あれ不思議、なぜか波に乗れるようになるではありませんか。

もうこれで波の中に散るしょう寅屋ではございませぬ。

ハイ。

ここに一本の波がござりまするので、

これに乗ってご覧に入れまする。

ご覧の通り種も仕掛けもござりませぬ。 

はれーシュッター!

これでウナクネ界も健康促進、百花繚乱、子孫繁栄、

男度胸で、女は愛嬌、

坊さんお経で、山じゃ、鶯ホウホケキョウ。

玉前神社の天辺から真っ逆様にドカンと飛び降りたと思って、

このハッピーサーフ世界に飛び込んでくれぃ、と来たもんだ。

膝波が百匁(もんめ)波になることは私が保証するよ。   

さあ、興味があったらフィン取っちまえ。

効能が分かったらドンドンと笑顔で波乗んな。

みんなで楽しく、これがハッピーサーフィンの極みとくらあ!

どん!!

ーーーーー

(全文)

そう聞いた私は、

「フィンレスでも同じだよ」

そう言いながらしょう寅杉本さんとボードを替えて、

こんな百花繚乱スピンを。

                   

ついでにアツシくんが乗っていた

DFW+ミニマルフィンを試すのでありました。

 

入水後3時間は経って、

私と瀧朗、終了。

「ツナくん来ないね」

「午後に来ると言っていたよ」

ツナくんの代わりに来たのは、

山岡光太郎くん。

ここ一宮で生まれ育ち、

他者と同様にコンペモードには進まずに、

ウナクネ式となった光太郎くん。

すばらしい滑りを見せて、

ウナクネ信者たちのこころを捉えて離さなかった。

こんな本格的なハングファイブも美しい。

追記としては、

潮が上げてくれば来るほど波質は向上していった。

風も最初はオンショア、

だんだんと南に振れていき、

夕方はオフショアとなった。

フィンレスに夢中のティナ嬢まで登場し、

この結集に花を添えた。

さらには、

「瀧朗くんがハービー始皇帝の従者と聞いて」

そう言ってナッキーは、

ハービー・フレッチャー直伝のソウルアーチを披露するに至り、

これを私の横で見た瀧朗は、

「ハービー閣下」

【特大号】「Saluto Fletcher!」(サルート・フレッチャー)@千葉_(3456文字)

そう話は入り組みそうになるのだが、

字数の関係でここまでとします。

ハイタイドとなると、

ウエーブガーデンか、

教会岬かというほどのマシンウエーブとなった。

市原マーちゃん終了。

「ラカ〜」

「うわ!スーパータキビシだ!らか〜!!」

「はいはい、ラカ〜」(タキビシ)

「かたじけない。いつでも下僕となります」

「いえいえ」(タキビシ)

「タキビ詩が欲しいです」

「いすみのごじゃ箱で扱ってもらっています」

「本当ですか?」

「嘘。ラプンツェル姫の話を読んでごらん。

それが今日のタキビ詩」

「美しい長い髪、というあれですか?」

「そうだよ。レタスが大事だよね」

「それでごじゃ箱なんですね。深い」

「熱いのはタキビだよね」

「禅問答のようです」

.

「あ、遅くなってすいません」

ほぼ全員が上がってからツナくん登場。

「謝らないようになったんじゃないの」

「あ、そーでした。波乗りしてきます」

「タキビナイトだから、後で集合しよう!」

「はい!」

帰りに昨日見つけた桜の木を撮り、

タキビの夢を見て、

ウナクネ結集は大団円となりました。

Happy Surfing!!