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naki's blog

ハロリンの正体_(2600文字)

スヌーピーが好きだった。

というのは、

小学校3年生のときにマクドナルド(40年前は最高に輝いていた)横の書店で、

鶴書房版の単行本を手にしてからというもの、
「マンガであってマンガにあらず」

そんな風味を帯びた4コマで綴られたアメリカ田舎町の世界に入り込み、

そこにホームステイしていた気になるほど、

登場人物たちと生きる瞬間が紙から立ちのぼっていたからだろう。

スヌーピーの老成さがいい。

チャーリー・ブラウンの弱さがいい。

いつもピアノを弾いているシュローダー(野球ではキャッチャー)なんてのも、

誇りを(埃とも)引きよせるピッグペン(jr)。

さらには、

ペパーミント・パティを同性として愛する

(チャーリー・ブラウンへの敬称と同じゆえの発言)

メガネのマーシーまでいるのだから、

人間関係だけでもこれはすさまじいマンガだった。

谷川俊太郎さんの訳がいい。

あまりにもすばらしいセリフを発見し、

「わからないそのいくつかの単語(横に原語が添えられていた)」

を英和辞典で引いてみると、

どの訳の推測でも全くない意味不明のことが書いてあって、

そのときはーー今でもだけどーー言語の違いというのは、

多様なる考えを生むのだと、

名糖イチゴ牛乳をグビーっと飲みながら知ったものだ。

とにかくこのスヌーピー(ピーナッツ)世界のキャラ立ちがすごい。

思想世界が外に放出するようだった。

(ちなみにトーベ・ヤンソン作のムーミンは、

白夜風、つまりほんのりとした光量世界が好きで読んでいた)

だが、

このスヌーピー世界も仮面ライダーや天才バカボンの登場によって、

一気に塗り固められるように封印されてしまった。

具体的には、

常に毛布を持っている(security blanket)ライナス・ヴァン・ペルトの深層心理を探るよりも

シオマネキングの左手のハサミが気になるようになった。

(巻末注釈リンク*1:二郎のサーフ日記を参照)

.

で、1980年代にアメリカに来るようになり、

10月の終わりになってハッと気づいた。

スヌーピーの世界でどうしてもわからなかった

オバケの格好
カボチャ(大王なんてのもいた)

の意味がわかった。

ハロウィーンだったのだ。

マンガを読んでいた当時は40数年も前、

インターネットも何もない。

親に聞こうが首をひねるばかりで、

あげくの果ては思いあまって、

職員室の扉をノックし、英語がわかるという先生に

「このオバケとかカボチャの意味がわかる先生はいませんか?」

そうやって小声で聞いたことを思い出した瞬間、

あのときの職員室が記憶から這い出てきた。

煙突がついたストーブに乗せられた大ヤカン。

賞状が入った額縁が並び、大きな黒い鳩時計。

国旗や学校旗がたくさん入った箱。

そしてフィッシングとなり、

三平三平の道具で勝負するライギョに、

ピーナッツ世界は時折見る、

「トレーナー(スエットシャツ)」内だけとなった。

それから十数年後にアメリカにやってきて、

ロスアンジェルス・タイムスという新聞を開くと、

ピーナッツ(『Good Ol’ Charlie Brown』)がいまだ連載されていた。

(といっても膨大な量の作品があるので、再掲載だったのだろうが)

アメリカ人の友人に聞いてみると、

ピーナッツは途方のない昔から新聞や雑誌等に連載されている漫画だという。

月曜日から土曜日までは4コマ、

日曜日は自由なコマ(1〜5コマが多い)で、

いつでも新しいのがどこでも読めた。

そんな赤塚不二夫さんの量産体制なる風刺だったり、

子どもたちから見たアメリカのずっこけライフスタイルだった。

そんなハロウィーン関連のことを思い浮かべながら新聞各紙を開くと、

ワールドシリーズの采配をトランプ大統領が批判したり、

(大統領にしては珍しいが、彼ならありそうなことだ)

渋谷では軽トラを横転させたりと、

暴徒と化したとあったが、

その内に渋谷は夜間通行禁止となりそうで恐い。

さらには、ハロウイーンのバックを背にしての暴挙なので、

カボチャ大王の怒りに触れないかと心配になった。

さらに『うんざりハロウィン』という記事を発見した。

(巻末注釈リンク*2:ハロウイーン嫌い)

「50〜60歳台では、アンチ・ハロウィン派が80%もいる」

ということで、

こういうのを掲載するのは右なのか左なのかとチラリ思い、

ページ上部の新聞社を確認すると、

保守と自民党を擁し、中庸風を貫く読売でありました。

「ハロウィーンとは、ケルト太古から伝わるお祭り」

とあり、そうすると、

カボチャや仮装はお神輿、

なまはげや天狗祭と同類項なのだとわかった。

そうかぁ、だから読売ジャイアンツは原監督になったのか。

というのは、

読売ジャイアンツの母体である「読売新聞」は、

中庸を貫いている紙面であるので、

これはマーケティングを担うジャイアンツの選手諸君には、

勝負の世界でも中庸、つまり「引き分け程度」を狙っていただきたい。

ジャイアンツが勝つ時代は終わったのだと、

原監督を擁するのは、

私が12年前に書いた

「波乗り愛」(巻末注釈リンク*3)に詳しいので簡単に書くが、

原監督は就任当時のスローガンに「ジャイアンツ愛」を掲げ、

それはつまり

「きっと負けてしまいますが、ジャイアンツ愛を持って許してください」

そう親会社からのソンタクを実行した決意の監督となり、

オーナーの心に残ったからそうなったと思える。

というか、そう思える。

(来年からも勝てないと暗に言っている)

話が逸れた。

要はハロウィーン・ブームが燃えさかり、

中年層の多くが嫌気を感じているが、

この中年層のグッズの販売量は若年層よりも伸び、

130~150%となっているという。

ただし、結び地域にはこんな表記があった。

「多くのブームは、トレンドに敏感な若者が火をつけ、
中高年が若者に追随し始めると終息する傾向がある」

ふむふむ。

私は静観。

「ケルトの神よ」

そんな歌をエンヤが歌っている。

Catch Surf ®ODYSEA Skipper Fish 6’6″

Special Fins

 

【巻末注釈リンク*1:二郎のサーフ日記】

VLOG【動画ブログ】『二郎のサーフ日記2』なつやすみ編

【巻末注釈リンク*2:うんざりハロウィン(読売新聞より)】

https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20181019-OYT8T50017.html?from=ytop_os2

【巻末注釈リンク*3:波乗り愛】

【naki’sコラム】vol.24 【波乗愛】

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