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【特大号】奄美研究所報告その2「猛烈低気圧B-Pass編」_(2899文字)

こんにちは、

いかがお過ごしですか。

サーフィン研究所奄美よりお届けしています。

昨日はすごい波がありました。

まずは昨日の天気図。

南海上の巨大低気圧は時速95kmという猛烈な速度で、

北海道の北、

アリューシャン海域にある948hPaの親玉低気圧に引き寄せられていた。

温暖前線と寒冷の両方。

ウナクネ界で言えば、

「この低気圧は両界曼荼羅灌頂(りょうかいまんだら・かんじょう)」

なのであります。

詳しくはいつか書きますが、

そういう両界の結集なのでありました。

この両界低気圧の中心、

もしかすると寒冷前線からの北東風が、

上海の南西にある高気圧の中心に向かって時計回りに猛風を吹かせました。

その距離およそ5000km!

(巻末注釈リンク*1を参照ください)

この数日、

ほとんどの船が港、

または湾内に入ってきたと書けば、

この海風のものすごさが実感できるだろう。

龍郷メイン、

つまり手広スポットは猛烈なオフショア。

たまに膝くらい。

島の反対側はどうかな?

そう思い研究所顧問である緑くんに聞くと、

「(東シナ海側に)波、出てます」

緑くんは、

奄美きってのウォーターマンであり、

グリーンヒル王子であり、

そして島を代表する酒豪であり、

カービングの猛者であります。

研究所勤務の私と助手、

そして研修生たちが緑くん号に各種サーフボードを積み込み、

東シナに向けてひた走る。

いくつかの岬があって、

それらのほとんどがこの猛風を崖や入り江で遮り、

こんなファンブレイクを見せていた。

このレフトなどは軽く100mは乗れる。

腰から胸くらいなので、

ミッドレングスなどがあれば、

破顔するほど嬉しいセッションとなる。

上の画像を見ていただきたい。

大きな湾の入り口にある岬の先端が左右にあって、

うねり、波は左方向よりやってきている。

それがこの岬の沖に巻き付けられるようにやってきて、

こうして内側の湾内に入ってくる。

沖は猛風、

インサイドは緩いオフショアという不思議。

岬が風をからめとるのだろう。

さらにグリーンヒル号は、

崖沿いの一本道をジャリジャリ進み、

その岬にものすごい波を見た。

亡くなってしまったが、

本間龍一くんというグレイトサーファーがいて、

彼が好きだった波である。

もっと言うと彼の最後の場所であります。

(巻末注釈リンク*2を参照ください)

すでに沖には先日ここでご紹介したユウセイくんこと、

碇山勇生プロが入っていて、

すさまじいまでの波にチャージしていた。

Photo by @greengoodman

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こんなパーフェクション。

Photo by @greengoodman

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Photo by @greengoodman

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けれど沖からインサイドへの流れがすごく、

常に常にパドリングしていないと、

岸側に吸い寄せられて、

いつのまにかセットのインパクトを喰らってしまう。

喰らってしまうと、

岬の裏まで持って行かれて、

最低でも1時間は漕ぎ続けないと戻ることはできない。

または足がズタズタに切れるのを覚悟で、

岬の岩によじ登るかという選択となる。

見た目の良さとはうらはらに、

偉大で強靱で果てしない波です。

レフト、

グーフィー側に行けば200mは乗れるのだろうけど、

そうすると、カレントの下流に行ってしまう。

流れがパドリングと同じくらいあり、

前に進むためには全力でパドリングをしないと進まず、

肉体的に言うなら鉄人サーフィンという様相でありました。

ライトはP-Passという波そっくりだったので、

B-Pass、ブルーパスと名付けました。

その奄美の鉄人、

奄美のシェーン・ドリアンことユウセイくんは、

浅いリーフも、

巻き上げるボイルも無視して攻めていた。

手前が私だが、

波はこのサイズで可能な限りのフルパワーで、

インパクトを喰らうと気絶以下、悶絶以上となる。

それを表現するのなら、

爆撃を受けたと書いた方が的確かもしれなかった。

そこでロールインをするユウセイくん。

NAKISURF千葉チーム全員が口を揃えて、

「すごいです!」そんなことだった。

速く、分厚く、

そして水量が多い波。

ひさしくこのフルパワー波に乗ってはいなかった。

グリーンヒル王子であり、

奄美のサーファーに慕われている緑くんは、

フルレイルのカットバックを見せた。

「(奄美は)最高よ〜」

この後、そう言っていた。

真剣にやっていて、

沖に目を凝らしていても、

たまに来るオバケセットはただただ悲劇なだけだった。

逃げるがたいていは間に合わず、

インパクトを上空に見る怖ろしさ。

2本までならなんとか持ちこたえられるが、

3本喰らうと、

岬先端まで引きずり込まれて、

また最初からやり直し、

つまりふりだしに戻ってしまう。

そんな中、

わがサーフィン研究所の研修生、

つまりNAKISURF千葉コンビは、

選びに選び抜いて、

メイクできる波だけに焦点を合わせてECだったり、

NATIONを喜ばしていた。

ハギウダのカットバック。

EC Does it.

ナカガワのフルボトムターン。

NATIONイーグル。

いよいよ私の番である。

NATIONイーグルのミッドレングス、

6’8″でドレイナーのピークから波に入る。

後ろからずっとパーフェクトなのだが、

なぜか私の後ろのクランブルセクションが抜けられないので、

その横からテイクオフしていた。

オンショアになったり、

オフショアになったりと目まぐるしかったが、

それはそれは忘れられない波を得た。

波面の凹凸が激しい日でもありました。

忘れられないワイプアウトもあったのだろうけど、

波の良さがそれら全てを消してしまったようだ。

これが私のフィンセットアップ。

センターシングルに、

サイドはベクターとしました。

しかもリバースVEKTOR。

私のワイプアウト。

フォームボール内に吸われていく私とイーグル。

この後、

リーフに叩きつけられ、

海面になかなか浮かび上がらず、

ようやく上がったら、

もう一発、

そしてさらにもう一撃喰らったことを思いだした。

セット波を喰らって、

意識不明寸前となったツナくん。

やはりここは危険であります。

パドリングだけで累計数キロ、

波の圧力だけで数トンの破壊力波にやられ乗ったメンバー。

Photo by @greengoodman

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勇敢後は、

疲労困憊でありました。

崖に降りる急坂。

Photo by @greengoodman

.

こうしてマックスサーフ後の道は、

一歩一歩の合算だと再確認できるほど、

体が重かったほどの波乗り。

帰りはタツゴウチョウの、

いや奄美大島の名店『重野商店』に行き、

緑くんはポーク卵バクダンと、

私たちは弁当各種を求め、

次の龍郷メインピークに向かったのでありました。

夕波ホイホイ。

夜になると、

酒仙童子(しゅせんどうじ)の異名と、

奄美酒豪チャンピオンの緑くんが、

みんなに長雲・一番橋の飲み方を披露してくれた。

しかも献立は、

奄美のおもてなし料理とされる

「鶏飯(けいはん)」でした。

こうしてサーフィンの研究は、

さらに深まっていくのでありました。

【巻末リンク*1:波の出る仕組み】

【保存&特大号】波の出る仕組み_忘れられない伊豆スナッパーロックス波を総まとめ_(6273文字)

【巻末リンク*2:本間龍一くんのこと】

サーフィンがつなぐ縁_本間龍一くんの創った大きな鳥_(1403文字)

Happy Surfing!!


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