Ryuichi Honma
Amami Oshima
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今日はいろいろ書こうと思っていたけど、
昨日のサンセット前に
ーーこの鳥雲を見て、
何かほとばしるようなエネルギーを受けた。
それはなんというか、
うーん、
私は宗教者ではないから、
ここで使う単語を選ばなくてはならず、
とすると、
いまは上手く言葉にできないけど、
『やはり冥界と現世の隔てがなかったんだ」』と実感してしまった。
これを全て説明しようとすると話が長くなるので割愛するが、
奄美大島に本間龍一くんというグレイトサーファーがいて、
2011年、
彼がひとりで岬波でサーフしているとき、
ボトムに頭を打ち付け、
さらにはそのまま漂ってしまったようで、
翌日以降の捜索もむなしく、
帰らぬ人となってしまった。
彼はーー短命の人の特徴なのかーー善人で、
男前で波乗りが大好きで、
島に行くとよく一緒にサーフしていた。
彼が亡くなった岬の上に小さな慰霊碑があり、
そこに行って、彼が見た風景を焼き付けたりしていた。
その龍一くんの眠る奄美大島に今年もやってきた。
今回はSeeaの撮影とコーディネイト等々で、
朝から1日中かけて島の北側を廻っていき、
白砂のビーチまでバン2台を走らせていたら、
ルーキーとアマンダが「ここきれいよ!」となって、
展望台に停車すると、
ふたりは階段を降りて玉砂利のビーチに行ってしまった。
私は手すりに乗りだし、彼女たちを目で追いかけて、
ふと前を見ると、その本間龍一くんの最期の岬が真正面に見えた。
これも不思議な縁だなぁと感じ、目を閉じて彼を想い返していった。
やがて彼がまだ生きていて、
電話をして波乗りに誘いたいような気持ちとなっていると、
「ここ最高よ!」そう言いながら興奮して戻ってきた二人が、
「ここで撮影しましょう!」「シマショウ」ということとなり、
何枚かのスイムスーツ撮影を終えると陽が落ちてきた。
ふと海の方に目を移すと、
そらには大きな鳥雲が浮かんでいて、
その下というか、
鳥が飛び立ってきたであろう岬は本間龍一くんの眠る場所だった。
なるほど、
冥界の彼はこうして鳥好きの俺のために、
雲を使って、
「NAKIさん、ぼくはハピネスですよ〜!」
とサインを送ってきたのだと直感した。
『時空を超える』とは聞く言葉だが、
冥界と現界をつなぐものがあるのかもしれないと感じたら、
なんだかうれしくなってしまった。
カメラを戻しに車に行くと、
大瀧詠一さんの名曲
『夢で逢えたら』がシャッフルしていたiPhoneから流れていた。
これがそのとき流れてきたオリジナル。
すてきだな、と感じたのが、
大瀧詠一さんチルドレンのひとりである鈴木雅之さんのVer。
私の場合は眠らずに、
あなたに逢えるまで走り続けたい。
そんな歌詞としました。
本間龍一くん、また逢おう。
すてきな鳥をありがとう!
さぁ、美しい波に乗るぞ〜!
Seeaベイブたちも「ホーオー」だか、
「ヤー」という声を上げて盛り上がっています。
サーフィンがつなぐ縁は永遠ですね。
Happy Surfing!!
◎