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伊豆の佐々木さん_サーフ写真家への対価_(2321文字)

Ryota Kaneko

Photo by @photosmilejp
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今日は金子亮太さんの完璧なドロップインから。

彼はNAKISURFの元スタッフであります。

今は結婚して四国徳島に住み、

当時付いた

“アパッチ”というニックネームも霞むほどの活躍をされているが、

この日の伊豆、彼と偶然会った。

しかもほぼ同時に駐車場に入ってきた。

もっと書くと、

そこは私も彼も人生で初めて駐車した場所でもあり、

彼は白馬でスノーボードをしていたらしいが、

どうしても波に乗りたくなり、

伊豆にまでやってきたところだった。

奄美大島に見えるが、

今年の成人式頃の伊豆の波である。

4日間の滞在だったが、

まんまとすばらしい波が毎日できた。

(巻末リンク*1を)

龍も出たりしたので、

これは青龍寺の波切不動明王の御利益なのだろうか?

などと、

ウナクネ会長のお顔を思い出していた。

土佐青龍寺、高知県横浪半島より宇佐大橋を望んで

at Morimoto Beach House

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話が逸れたが、

伊豆で私たちのサーフ写真を撮ってくださった奇特な方がいる。

Nation Eagle 6’8″ + Tyler Warren’s 7.75″ = VEKTOR Side

Photo by @photosmilejp

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フォトスマイル佐々木さんというのだが、

伊豆旅のときは、彼のことを毎朝見た。

@photosmilejp

いつもいた。

思い出すのは、

二十数年前の私も佐々木さんと同様にしていて、

毎朝ここぞ、

というサーフスポットに行き、

サーフィンを撮っていた。

けれど当時はフィルム時代、

1ロール(36枚!)撮ると、

現像料も含めておよそ18ドルの出費だった。

360枚撮ると、10ロール=180ドル、

当時ならばランチが5ドルだったので、

一ヶ月以上の昼食代となる計算だ。

よって、

少しずつ撮っていたが、

やはり趣味の範疇では扱いきれない。

もはやこれまでかと思ったときに、

私の場合はサーフィング誌のラリー・ムーア(故人)が拾ってくれて、

フィルムや現像料は晴れてサーフィングマガジン付けとなったが、

「写真を撮る」というのは大変なことである。

波が出ると聞けば、

その一番良いであろう場所を探し、

暗い内から這い出て、

機材を確認し、

冬であれば寒い中、

車を暖機しつつ運転して、

到着すれば、

放射冷却のすさまじいまでの冷気に怯えながら三脚を抱え、

重いカメラとレンズ、

そしてフィルム群を背負ってサーフブレイクまで降りて行く。

画角が良いところを探すあまりに崖のくぼみでも撮影した。

もしそこが崩れてしまうと機材を失うので、

正確かつ丁寧に三脚を立て、

崖を崩さないように息をひそめて撮ったことも多々ある。

また話が少し逸れた。

この伊豆の佐々木さんは、

そんな大変な思いをして写真を撮って、

それからすぐにアップロードし、

フェイスブックやインスタグラムに掲載を始める。

けれどそこには、

報酬=対価があまり存在しないことであり、

けれど、

私も当初は報酬が存在しなくても良い。

報酬などはいらない。

つまり自分が撮りたいもの出会うまでは何もいらない。

「自分が撮りたいものに出会うまでは」

こんなことがキーワードにあったと思う。

例えば、

ここにサーファーを撮った作品があり、

その対価=報酬が存在するとしよう。

毎朝のように数時間、

望遠レンズで写真を撮り、

その器材の総額は80万円を超えるもので、

さらには本業も持っていて、

このサーフ写真を撮る趣味のおかげで寝不足だ。

けれど、あの人も、

きっと彼も彼女も私が来るのを待っているはずだ。

いや、きっと待っているに違いない。

そんな使命を帯びてくるのだが、

きちんとした報酬が存在しないと、

ある日、

佐々木さんはサーフィンではなく、

野鳥を撮ることに目覚めるかもしれない。

または雲の形に感じ入り、

雲写真家になるのかもしれない、

つまりそこにも報酬は存在しないからである。

そして

「サーフィンはあまり撮らなくなってしまう」

という要素をはらんでいるのです。

撮られる側のサーファーの意見としては、

「セッション後に自分の写真がある」

というのは、とてもうれしいもので、

そこには自分が出演したドラマがあり、

写真の中に永年刻まれるのであります。

魚釣りではないが、

両手を拡げて釣った魚がこの位の大きさがあったというより、

写真があれば魚体の大きさや色はもちろん、

ヒレの大きさや興奮の真実は伝わる。

さて、この奇特なるサーフ写真師たちは、

報酬があまりないというために、

突然消滅しまうという要素を大きく抱えているのであります。

そのためにも、

「こういうことに対して課金するべきだ」

「むしろ喜んで対価を払う」

そんなことになった方が双方よろしいのではないか、

と考えていたのであります。

具体的には、

インスタグラムなどで顔などをチラ見せしておいて、

フルサイズのイメージは購入する。

または撮ってもらったらご祝儀でいくらか少額でも置く。

これによって、

佐々木さんは毎月それなりの額の収入を得るわけで、

その中から新しい機材を買ったり、

各人に感謝されることになっても良いな、

そう思いました。

また各地の佐々木さんのようなことをされている方たち、

私は作品を欲しい人たちに対して課金することに賛成です。

なぜなら自分の良い写真は、偶然であっても欲しいのです。

さらにそれは、

各写真家が、

情熱と才能を持って撮られた芸術作品なのであります。

広告写真でお使いください、

サーフイベントの際には、

オフィシャル・フォトグラファーとして招集してみてはいかがでしょうか。

サーフ写真家を救おう。

【巻末注釈リンク:伊豆スナッパーロックス】

【保存&特大号】波の出る仕組み_忘れられない伊豆スナッパーロックス波を総まとめ_(6273文字)

Happy Surfing!!


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