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naki's blog

【特大号】奄美大島発_自然の危機を救おう_嘉徳海岸の巨大堤防建設について_(3898文字)

Backdoor, Amami Oshima

.

Kキャンパーを自作したと、

少しずつここで書いているが、

ほぼ完成したのと、

うねりがほとんどなくなったので、

島南部に向かいつつ、

巨大堤防が建設されるという、

苦境に立たされている嘉徳海岸を取材してきた。

龍郷町にいた。

ドラゴン岬。

トモちゃんビーチ。

いくつものトンネルをくぐり、

名瀬という市街地を抜け、

そしてさらに南下していく。

龍郷町は、

かの西郷隆盛も住んでいた

割と大きな面積の奄美大島北部の町。

ここにバックドアとか、

アマミアン・パイプライン、

3Dウエッジ、VDがあり、

さらにはタツワツ(龍郷町のウルワツ)だったり、

奄美パダンという森哲太プロが狙うレフトもある

波も人も豊かな町です。

龍の故郷という名前もすてきです。

名瀬は、

鹿児島では第二の都市とされている。

このハブ(ネットワークの中心に位置する拠点)島の例に漏れず、

街の姿を外から見ると、

隆盛または新参、

そして凋落や堕落のるつぼだ。

簡単に言うと商店や飲食店だらけ。

そんなものもことも見つつ、

市街地を抜けていく。

信号だらけ。

飲食店も多いが、

銀行や官公庁舎もここに集まっているので、

昼見るとビジネス街の様相でもある。

その賑やかな名瀬を過ぎ、

少し行くと城(グスク)トンネルが出てくる。

そして郵便局の向かいを海側に折れると、

城(グスク)海岸。

グスクは、

奄美大島ではメジャーなサーフブレイクのひとつ。

Kaila Funaki, Gusuku, Amami Oshima

.

カイラのこのショットはこのグスクで撮られたものだ。

市街地から近いきれいな海。

よって、

いつもサーファーで賑わっている。

Have a fun!!

だが、

前出したように本日のうねりは小さく、

河口エリアでスネというか、

波高7cm程度だった無人グスク。

堤防アート。

立体であり、

平面という不思議な視覚で迫ってくる。

これは私の一番のお気に入りのピースくん。

クラシック&ピースフル

そのまま南下し、

件の嘉徳海岸へ。

ここは巨大堤防建設という、利権だったり、

『日本の海岸をコンクリートで囲もうプロジェクト』

副題

「だって俺たち儲かるもんね計画」

という魔の手や触手を伸ばされた場所である

もうすぐその工事を始めるので、

巨大重機を運搬するための道路整備に着工するという。

しかもそれを知ったのが6日前。

現在は鹿児島県知事に話を聞いてもらうべく、

キャンネンサーフの碇山勇生(いかりやま ゆうせい)さんたちが、

これの猛反対の先頭に立っているが、

この工事をするコンクリート会社(入札済み)の役員2人が、

数年前からちゃっかり嘉徳集落の住民となって、

「集落が危険です!海が迫ってきています。コンクリートで囲んでください。大賛成」

という裏工作をしていることまで突きとめた。

しかも数十件しかない集落に二人も数年入り込んでいたという事実。

ウソみたいな話ですが、

数億〜数十億落ちるプロジェクトですから、

小説や映画みたいなプロットも当然です。

さらにさらにまだまだ悪の手や根が伸びていて、

いつか作家の椎名誠さんが言っていたのが、

「日本の島は無人になればなるほど、護岸やテトラ(消波ブロック)が反比例的に多くなる」
「全ての無人島は膨大な数のテトラで囲まれている」

そんな衝撃の事実だった。

私も島旅を続けてそのことは確認した。

屋久島付近の島々もすごい護岸で、

これって何のため、誰のため?

そう呆然としたけど、

日本のほとんどの場所は、

すでにコンクリートだったり、

利権の餌食になっている。

海は、

自然を壊してしまうと取り返しがつななくなるもの。

だから、そのことを知る私はこの護岸という名の、

巨大要塞建設案に猛反対している。

だが、上記したように

侵食ですよ

とか、

津波が来たら危険ですよ

そんな集落内部からのササヤキ戦術が効を奏して、

ほぼ老人たちだけの小集落は、

「そんな危険なら高さ100mの堤防で海から遮断されたい」

そんな気持ちになっているという。

集落はこんな心理戦の様相を呈している。

だが、

海は住民のものでもあり、

国民のものでもある。

もっと言うと人のものではないので、

改造していいことは何もない。

事実、

これまで利権や金銭授与のために消波ブロックで囲まれた場所は、

その結果、

さらなる侵食が進み、

もっと消波ブロック投入しましょう。

道路が通れなくなりますからねと、

それこそコンクリート会社の思うつぼとなっている。

票田という力を持つ建設人の常套手段であります。

ナミウミ詐欺であります。

さて、

この嘉徳の場合は、

2014年に台風17号と、18号の大波が来た、

そのときは、

まれに見るほど海岸が侵食されていた。

その小さい砂浜に大波が来て、

満潮時には集落付近まで波は迫ったという。

海岸は80年〜100年周期、

または30〜300年周期で砂の移動を繰り返すとあり、

だがこの場合は人工物がないことが条件で、

この人間が善しとして入れた人工物が海の流れを変え、

風を止め、数年後には「小さな死」をもたらせている。

この嘉徳は、

その2014年に最悪の条件で波が迫って不安になったところに、

海抜10mの高さの堤防を作れば大丈夫ですよと、

その工事によるウハハを知る業者が働きかけ、

この巨大堤防の案が、鹿児島県まで行ったのだろう。

向こうもプロなので、

こんな案件は今まで数千件も可決させてきました。

歴々の担当者たちがいます。

どんな手を使ったかは、

いつかの暴露本に書きますが、

とにかくそんな根回し、

接待という賄賂等々を経ている間、

嘉徳海岸の砂は増殖を続けます。

それはまるで、

嘉徳海岸が自身で自衛するように海岸に砂が付き始めたのです。

そして砂が十分に戻ってきて、

危険が去ったのにも関わらず、

金の亡者たちは、

『住民の方、お待たせしました!

ここに8.5mの高さ、

530m長の超巨大堤防を建設することを発表します』

と掲げた。

「これが住民の過半数の賛成です」

「ムハハ〜!しめたものだ。嘉徳を骨の髄までしゃぶってたろうぞよ」

と魔界村にそんな死に神が降りてきたのが2016年。

ただ、

このショッカー(©仮面ライダー)計画は、

前出の碇山勇生さんたちからの島保護の観点、

そして自然保護団体等からの反対を受け、

撤回するという形で頓挫しました。

日本という国では珍しい英断で、

島民たちの完全勝利でありました。

これは嘉徳海岸の今日。

広く、

美しい海岸があり、

太古から生きものを育んできた海がある。

サイトなどを散見すると、

ジュラ紀から続く浜として、

ジュラシックビーチなどの称号がある。

話が逸れました。

しかししかし、

前出したように「悪」というのは、

野草タンポポではありませんが、

深く強い根があり、

さらにはそのタネを飛ばし続けています。

3年間、

またいろいろな場所、

特に鹿児島市で欲望渦巻く夜があり、

うれしきものをいただいたので、

その約束を果たすという繰り返しで、

工事計画は進んでいました。

知らないのは、

前出の碇山さんはもちろん、

ほとんどの島民。

ついには、

「反対派のみなさんお喜びください!
超巨大堤防は1/3となり、ただの巨大堤防となりました!」

そんな文体で突然33%復活してきた。

悪は根絶やしにしないとすぐに復活する。

バイキンマン(©アンパンマン)と同じです。

今回取材してみて、

この工事をする側の巧妙かつ年季の入った立ち回りがわかった。

「これはあくまでも集落の住民を護るためです」

弱者を守る風の論点を持ち出し、

信じられないほど大きく、

広い砂浜となった海岸を前にして、

いまだに要塞みたいな愚の骨頂の巨大堤防を建設しようとしている不思議。

これはもちろん公共事業なので、

全て税金から支出されます。

なぜこんな案件が、

鹿児島県のさまざまな部署を通って可決されたのも不思議だが、

これも上記した魔界というか、

行政大規模工事という億単位の金銭が動く不思議なのであります。

これも嘉徳海岸。

上にポストした画像右側。

嘉徳海岸南側にこの嘉徳川があり、

ここには、

ほぼ絶滅してしまったリュウキュウアユが棲み、

さらにはこの水量が砂を海に押し出すという自然の恵みがある。

嘉徳川の河口は、

完全無垢なる姿があり、

太古から変わらぬ岬が神話世界の生きもののように鎮座していた。

写真で見ると、

助けてと訴えているように見えるのは、

私のエゴだが、そんな気持ちとなった不思議。

そして、

巨大なビーチ。

どこに巨大堤防の必要があるのでしょうか?

この現状を記録したく、

実際に嘉徳海岸に足を運んで感じたことを書きました。

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こんな問答を得た。

「問、巨大堤防建設工事撤回とは?」

「完全に絶つもの」

「なお問う、巨大堤防建設工事完全撤回とは?」

「このままであること」

「さらに問う、巨大堤防建設工事完全撤回とは?」

「自然の恵みが続くということ」

「さらに問う、巨大堤防は、海の死となり、地の死となり得るか?」

「100%なり得る」

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詳しくは、

最後の “ジュラシック・ビーチ”奄美大島・嘉徳海岸を 巨大な護岸建設工事から救おう!

みなさんの応援もお待ちしております。

私は奄美大島が大好きで、

それが高じて観光大使をしております。

世界でも稀な、

奄美大島のかけがえのない自然の美しさを知ってのお願いでもあります。

どうぞよろしくお願いします。

平成31年3月17日(日)

NAKI 船木三秀

[追記]

集落に咲いていた花も、

私に何かを訴えかけてくるように映った。

【巻末リンク:嘉徳の別記】

【サーフィン研究所】奄美いろいろ_巨大護岸から嘉徳を救え!_絶品タンカンそば_ラングドシャアート_(2736文字)

Happy Surfing!!