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naki's blog

ずっと続いている北極振動波_斜面を謳歌するようにゆるりと滑走、歓び新発見_ごゆるりスタイルの免許皆伝の方法_(3777文字、中短編です)

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こんにちは、

寒いですね?。

日本はかなり寒いと伺いましたが、

こちらノースハワイも記録的に寒くなっております。

「イギリスのグレートブリテン島が大寒波に襲われ、

全島(日本の本州と同じ大きさ)が雪に覆われている」

とNASAの発表にもあって、

「なぜここまで寒いのだろう?」と調べてみると、

新聞にこの寒波についての記事があった。

それによると、これは「北極振動」で寒いのだとあり、

「この冬は北極付近の気圧が高く、

それによって中緯度地域の気圧が低くなっている。

北極付近からの寒気が中緯度地域に流れこんでいる。

この気圧配置は通常2週間程度で変わるのだが、

この冬はこれまで1カ月間続いている。

2005~2006年の冬にも見られ、

その時は日本海側の記録的な豪雪につながったという」

とあった。

そういえばその年のノースハワイも大波が続いていたな、

と4年前の波を思い出していた。

20081209_Inaris(afc)_V1083

寒いのは辛いが、

前向きに考えてこれによって北極に氷をびっしりと復活させ、

進行しているという『地球温暖化』を止めてくれれば、と期待しています。

こうなったら靴形、襟巻き形のホッカイロとかあったらいいなあ。

さて、昨日お約束したイナリーズ報告ですが、

連日の波により沖砂州が浅くなったので、

ーーイナリーズにしてはーー珍しく、テイクオフが簡単だった。

手前の急激に浅い箇所に当たると、

波はいつものように恐ろしく掘れ上がる二段構えの日。

20100112_Inaris_T5766

ただ、ゲッティングアウトはこの分厚い泡波をくぐっていかねばならず、

さらには急流に近い流れがあるので、

サーフィングというより、

パドリング60%、

浜を走る19%、

ゲッティングアウト20%、

波に乗っているのはたった1%

という比率だった。

↓フレちゃんに「一本だけ」とお願いして撮っていただきました。

20100112_Inaris_T5901

波はどれも美しく、

「ああ、早川さんがいれば大喜びされたに違いない」

という日でした。

終始無人で、ただ後半に闘牛岬ローカルが3人でやってきて、

大喜びしてパドルアウトしたが、

誰も沖には来られず、ものすごく遠くまで流されていった。

割とイージーなアロハ波質の闘牛岬でやっていると、

こんなイナリ流れは、彼らの許容範囲を超えているようで、

さらに神さまの悪戯なのか、

その日最大のセットが連続で彼らの前に立ちはだかった。

全員がダックダイブ20連発を強いられて、

インサイドでめげていたのがこちらから見えた。

沖の流れはそうでもないので、

彼らの試練をアウトサイドで見物し、

「高見の見物」という言葉が浮かんだほど。

結局この後すぐに彼らは退散していったが、

それからというもの波は穏やかになった。

彼らのイナリーズ到着時刻が30分違えば、

きっと楽しくサーフできたはずで、

怒濤のような変化も海の面白さなんだなあ、

とトータルに感動した日でありました。

沖にいて、水平線に飛ぶクジラを見ながら思っていたのが、

「ごゆるりサーフィング」ということ。

これはリラックマにヒントを受けて、

波乗りで実践してみたらばっちりとはまったスローガンなのであります。

そして、去年の10月にそれをハワイアンの長とサーフしていたときに

「ハワイアンスタイル=ごゆるりスタイル」

と発見した。

「ごゆるりスタイルはハワイアンが考えたのか?」

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/7559

言い換えればハワイアンスタイルだったのですね。

そんなこんなで確信を持って、ゆるりとサーフしている。

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昔は雑誌やコンテストなどの影響で、

「いかにしてボードを早く切り返すか」

とか、

「いい波に多く乗ってスコアメイク」、

「的確な位置を滑り、より高い斜面滑走速度を求める」、

「一本の波でより多くの技をかける」

ということに全身全霊を傾けていた。

だが、カリフォルニアに渡り、

まったりとしたソウルサーフィンの長(おさ)ドノヴァンと会い、

そしてハーちゃん(ハービー・フレッチャー)や、

スティーブ・ペズマン(サーファーズ・ジャーナル主宰)

という伝説人たちと一緒にいると、

それらのことは「興味がない」というように変化していった。

ただ、その猛烈サーフ練習時に培った、

「波をテイクオフするポジション」、

または「高速でターンをする際のGに耐えられる足腰」、

「より速く強いパドリングで、

テイクオフ、そしてゲッティングアウトを容易にさせる」

ということは大いに役立ったので、

それはあながち遠回りしたとは思わないが。。

だが、やはりこの「斜面を謳歌(おうか)する」

というフィーリングは、

最近ようやく感じられるようになった幸せな感覚であるように思う。

あの頃はなぜ鋭くターンしたかったのかがわからないが、

それはきっと子どもの頃に塀の上を走ったり、

より高いところから飛んでみたり、

といったような挑戦系のものであったのだろう。

とにかく、その悠々サーフィングに取り憑かれ、

毎日を過ごしているわけだが、

「サーフィンとはこういうものだ」

と答えを得たような透爽(すいそう)たる思いであります。

10代の頃、まだサーフィンを始める前に

「波に乗ること」を想像していたら

「立ち上がったまま水の斜面を滑る」

だったということを思いだし、

やはりそれが俺の波乗り原風景なんだな、

と思ったのです。

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ハワイアンで、波乗りの先輩であるカイル鞠黒に

「どうしてしっかりとターンしないんだ?」

と叱咤されたが、

逆に「どうしてしっかりと膝を曲げなくてはいけないのか?」

と質問したら答えに窮していた。

その後、美しいマリグロリーフでサーフしているときに、

「ごゆるり波乗り」について考えていると、

「波乗りはロマンなんだな」と、進む方向、

そしてごゆるりは間違っていないことを確信した。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/9212

「切り立った斜面をかがんで降りて行く」

これだけでこんなにおもしろいのだから、

「突っ立ったままで滑走する」

というのは俺にとって震えてしまうほどの感動でもあるのです。

その時にキャッチコピーを思いつき、それは、

『ゆるりと滑走、歓び新発見』

というもので、

やはり「ゆるり」という単語を波乗りのような厳しく、

激しいものに付けるだけで心が躍るようになる。

「ゆるり雪山」

「ゆるりサイクリング」

「ゆるりゴルフ」

ただ、この言葉はチームプレイには向かないようで、

それは団体競技だからだろうと推測してみた。

「ゆるりと野球」とか、

「ゆるりとサッカー」とやったらチームメイトに迷惑をかけてしまい、

次の試合には出してもらえないような気がする。

これは格闘技や武術も同様で、

「ゆるりと空手」

「ゆるり柔道」

などやっていたら相手に懲らしめられてしまいそうなので、

「ゆるり」は何にでも当てはまる特別な言葉でもなさそうだ。

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なんだかゆるゆると書いていたら、

脱線脱線でどこに行っていいのかがわからなくなった。

まとめますと、

あなたが波斜面を余すところなく使い、

波の芯を外さずにゆるりと滑ることができるのなら、

「ごゆるりスタイルの免許皆伝」です。

誰が決めるのか?

という質問には、「あくまでも自己申告で」

という緩い設定にしてみました。

自称自称で、免許皆伝されてしまう流派。

達人を多く与えるというのも広い気持ちとなって心地良いです。

ただひとつだけ。

えーと、空手に「型」があって、

野球に素振りがあるようにこの「ごゆるり流」は、

考え方を大事にします。

普段からの「ごゆるりスタイル」を心がけてください。

「次の電車に乗りましょう」

とか、「ゆっくりと歩きましょう」

とやるのが鍛錬だと思います。

だから時間に余裕を持ったスケジュールが求められますね。

波乗りの際は、

沖に出る際にセットが入ってきたら

創流者であるリラックマのセリフ

「あくせくしたってはじまりませんぜ」

を魔法の呪文のように唱えると、途端に楽になり、

あれだけ来ていたセット波も止んでしまう。

(ほとんど本当ですよ)

で、「ごゆるり流派」の門人たちが、

波乗り時に使えるセリフを考えてみました。

「のんびりといきましょう」

「風が吹いてもだいじょうぶですよ」

「暖かいお湯がありますよ」

「波待ちしていたら、寝てしまいました」

「お先にどうぞ」

「無理しないでいきましょう」

「掘れていたけど、のんびりしていました」

「海は静かになりましたね」

「そろそろ夕陽の時間ですね」

「しあわせですね」

「楽しいサーフィンがいいサーフィン」

「自然がいちばんです」

「そのうち乗れます」

「空いているところに行きましょう」

「今日もだらだら乗りましょう」

「波は神さまです」

こんなことを書いていたら連日のパドリングで、

へとへとに疲れた肩と背中の凝りが消えてしまった。

すごいなあ。

さてその「ごゆるり流派」の名前を考えてみた。

『天神波円心無想流波乗道』

(てんしんなみえんしんむそうりゅう、なみのりどう)

というのはどうだろうか?

とこんな漢字を書いただけで、

また気持ちが硬くなってしまった。

なので、当分「ごゆるり流」でいきましょうね。

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今日もNAKISURFに、

そして俺ブログにお越しくださってありがとうございます。

よろしかったら他のページものんびりと、

ゆっくりと見ていってくださいね。

寒波は18日に弱まり、

19日頃から暖かくなるそうなので、

それまで暖かくして、だらだらとお過ごし下さいね。

アディオス!