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【ハッピー波乗り研究所】理想の聖地で歓喜バレル体験_(1287文字)

土佐清水、大岐の浜。

真っ白な砂浜がおよそ1600m、

ちょうど1マイルに渡る絶景海岸。

この白い砂は足摺岬の花崗岩から運ばれてきたもの。

この地こそが空海が観じた

「フダラク(補陀落=理想の楽園、観音菩薩の降臨する地)」
の夜明け側にある海岸庭園だ。(本当)

ここはその弓形海岸に関わらず、

三角州状の地形が出来やすく、

よって銘波多数。

伊豆の多々戸浜とか、

白浜をぐいっと長くしたのを想像しても良いでしょう。

大潮干潮でも優れ、

たっぷたぷの満潮でも名高い。

そんな逸波で知られる大岐の浜。

千葉からおよそ1000km南にあるスープリーム・ビーチ。

そこに、

しかも快晴無風の五月にいた私たち。

およそ誰もいなかったが、

カラス被害未遂のサーファー3人が遠くに見えた。

(一昨日書きました)

私は彼らに

「ポカリスエッターズ」というユニット名を付けたが、

1度も50m以内の接触はなかったので、

伝えることはできなかった。

二之方 絢士(にのかた けんと)くん。

彼は少し前までは海が怖くて、

水深膝までしか受け入れられなかった七歳児です。

そのケントは、

ここでおなじみの二郎くんの親友だが、

今回は13時間も車でやってきた超遠出、

その到着後ハイ、

快晴&大岐マジックとなって波乗りに目覚めた。

そしてこれは彼の人生通算10本目あたりの波である。

リップが飛んだ。

ビハインドであるが、

大きく拡がった波の円弧が拡がっている。

水深はくるぶし程度と激浅だ。

失敗は許されない。

ケント・ニノカタは「行くしかない精神」を全身にまとい、

そのありったけの胆力、

気力、勇気の3点セットを振り絞って、

昨夜、

鹿島公園駐車場で食べた金ちゃんラーメンのエネルギーを糧に

大きく拡がった父ちゃん波の中に吸い込まれていった。

グラブレイルで体勢を低くし、

波側に前足を加重した。

バレルライドの基本、『ロックオン』である。

高速バレル内ではここが操作体系の支点となる。

さらに加重=速度増が即できるように

右手をエントリーロッカーの位置に置いた。

少し外側にブレ、

背中がリップを受ける瞬間に最速で通り過ぎた。

これもポイくんが間接的に教えてくれた

「バレルは下に下にだよ」

そんな教えを知らずとも実践した瞬間であり、

刹那という単位を感じさせる時(とき)だった。

音が反響から静寂へと変わり、

全視界は一瞬で拡がった。

あ、飛んでいる。

海だ
山が見える。

あれが今までいた大地だ。

そら….

宇宙空間まで浮かび上がり、

ケントは自分の体に戻ってきた。

現実世界は、

バレルをメイクしていたのだった。

あれ….

やった。

ならばサバ手。

「ボクハヤッタノダ」

「やりました」

「波の神さまのおかげです」

「僕きつとまつすぐに進みます。きつとほんたうの幸福を求めます。」

ケントはジョバンニのように力強く云ひました。

歓喜が彼の周りを飛び交う。

波が笑っている。

ケントも笑った。

撮った私も笑う。

ハッピーサーフィンの極み。

ケントくんには、

これから波乗道三十八師弟とか、

八十八波乗魂人の1人となり、

次世代を担っていただきたい。

Happy Surfing!!