Misaki-cho, Muroto
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空海は延暦23年(804)5月、
第16次遣唐使船で唐へ渡った。
だが、運悪く無慈悲なる大きな台風が遣唐使船団を襲い、
4艘の内、
2艘が海に沈んでしまった。
それでも空海をのせた船は、
目的地から大きく外れた唐(中国)の南になんとか流れ着き、
そこから長安へ徒歩(かち)で目指したという。
その距離2400km。
このときのことを空海は、
「星に発ち星に宿し、
晨昏兼行(しんこんけんぎょう)す」
後の文献にそう残している。
この文章の意味は、
朝はまだ星があるときから出発し、
夜星が出るまで歩いて眠るという過酷なる表現だ。
(明日に続きます)
波が出た。
キリキリするほどに硬い波に乗るのは、
4月20日以来なので、
じつに四か月ぶりのことだった。
前出したようにこれまでは、
波という波がなかったのだが、
台風8号からのうねりが突然上がってきたと、
友人たちからのメッセージや電話があった。
スカイアンドシー・ムロトから南に下り、
2年前に忘れられない波を得たあの場所に行ってみると、
まんまと波は来ていた。
ただの硬い波だけではなく、
超ロング・ウォールの夢波だった。
これまでの波が小さかった日々を想い、
冒頭に書いた『晨昏兼行』という言葉が浮かんだのは、
それでもきっとどこかでこの波質をイメージして、
土佐や千葉でサーフィンし続けたからで、
こうしてしっかりとサーフできることにうれしくなった。
Tyler Warren “The One Off 2+1” 6’5″
Greenough Center 8″+Vektor VMK
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仲間だけの、
かけがえのない時間となり、
忘れられない波乗りの記憶を焼き付けた。
午後になると、
徐々に波が下がってきた。
波高が上がる波情報だったので、
これは潮位のせいなのか、
または台風がそれたのかと、
思いを巡らせていた。
タイラーの偉業というか、傑作のひとつ2+1。
このボードを持ってきて良かった。
ベクター・フィンの新作VMKの速さが、
やたらとうれしい日となった。
Eiji Kawai (Sky and Sea Muroto) on
Catch Surf® Skipper Fish 6’6″
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スカシー館長の河合さんは、
「こんな波に乗れるとは、感激です!」
そう言って土佐夢波を駆け、
Maguyan on
Catch Surf® Skipper Fish 6’6″
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マグヤンは、
「あーなんか怖いな。けれどサーフしちゃおう」
そんなことをブツブツ言いながらパドルアウトしていった。
結局ほぼ一日中サーフして、
「疲労困憊」という書けない漢字状態になり、
フラフラとスカシーに戻ってきたのが20時。
それから河合館長監修、
有元くるみさんを名誉教授とする「おいしいもの研究所」で、
漁師の方からいただいた獲れたてキンメダイ2尾をマグヤンがさばくと、
辺りはウロコだらけとなった。
顔にも頭にもウロコをまとい、
目からウロコが落ちた。(笑)
研究発表は、
フレンチからのインスパイアとして、
『キンメダイのユズ・ポアレ』
そして割烹料理と、
空海が活躍した長安のコラボと想定して、
「青龍寺キンメ」を希求し、
それらをゆっくりとおいしくいただき、
なんとかベッドまで辿りついたら23時になっていた。
あますところのない日。
空海の日々は、
きっとこんなことだったのかもしれない。
全てにありがとう。
FYIとしての天気図をここに。
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【巻末リンク:2年前の同地、夢波】
Happy Surfing and Happy Summer!!
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