石田さんのことを思い出していた。
ダナポイント、
エンシニータス、
サン・クレメンテ、
そしてロングビーチ。
上画像は、
石田さんの家のそばにあったコーヒーショップで、
私たちはよくここでミーティングしていた。
ロングビーチの石田さんの記憶は、
クイーン・メアリー号にもあり、
「こんなのを作っている人がいるんだよね」
そう言って渡してくれたのが、
PUレジンでのサーフ・オブジェクト
『CRYSTAL CUBE』だった。
あれから13年半。
そのCRYSTAL CUBEの制作者がNAKISURFにやってきてくれた。
青いシャツを着たミゾグチケンジくんがその人で、
さらにはアムステルダムの秋山くんがアテンドしているとなれば、
証明書付きで石田さんの差し金だと感じた。
あれから13年。
CRYSTAL CUBEアートはさらに密に入り、
このようにいくつかの展開を見せてくれた。
さすがイシダ・チルドレンズは、
トーマス・キャンベルもバリー・マッギーもそうだが、
さまざまが一流だ。
「そろそろ干潮なのでサーフしましょう」
ということになり、
タマサキ方面にて支度すると、
スキップ・フライの11フィート・グライダーに秋山くんが乗るという。
逸品である。
うーむと写真を撮っていると、
「乗ってみますか?」
そんな声がかかり、
これも石田さんの導きなのだとも思った。
「波には心で乗ります」
石田さんの教えも思い出した。
その秋山くんは、
卓越したグライダー使いなので、
11フィートだろうが、
40フィートだろうが、
かんたんにコントロールしていく。
後ろにはタキビ神が写っている。
水温は温かくなった。
ケンジさんもグライダーに乗り、
秋山くんの言うところの
「無重力感覚」を楽しまれていた。

待てば、
この倍くらいの波が数本やってきたが、
カメラをかまえていると、
そんな波はやってこなかった。
長時間撮影していられないほど暑かったなか、
ナッキーはよく撮ってくれた。
ありがとう。
2ラウンド目は、
ついにスキップの11フィートに乗ることになった。
秋山くんと、
コスモス98(295cm)を交換した形だ。

秋山くんは、
さすがのグライダー使いだ。
彼はタマサキ斜面でありえないほどのマニューバーを繰りだし、
私はクリスチャン・ワックと、
タイラー・ウォーレンの顔を交互に思い出していた。
ケンジさんは、
バリのチューブライダーなので、
タマサキの緩波だとフィットしないとおもったが、
ミッド・フィッシュを持ち出して長い斜面を得ていた。
私はスキップの11フィート(335cm)に乗って、
さきほど秋山くんが言った無重力感と、
石田さんと乗ったオールドマンズの波を思い出していた。
波に乗ると、
居合抜きのようにサーフボードは横一文字に波に切れ込みつつ、
前に浮き出すような感覚があった。
武道ではへそ下にある「丹田(たんでん)」が重要だ。
この丹田を中心に滑り、
テイルに体重移動すると、
ボードはクルリンとターンしていく。
これぞまさにグライダーの真骨頂だろう。
シェイパーでもある秋山くんは、
コスモス・グライダーをいたくお気に入りになって、
前田博士のバックグラウウンドをお伝えすると、
かなり驚いていた。
それほどまでに長いレイルラインのボードを作るのはむずかしいのだ。
□
【巻末リンク:その13年半前】
Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
◎